何だか世界中がおかしくなっているような感じだ。
地球の人口爆発を防止してきたのは疫病と戦争だと言われているが、こうした突発的な疫病の流行も地球という生命体の防衛本能の為せるものなのか、と言いたくなるような現象だ。
一般的にこうした疫病の流行は、衛生面に不安がある発展途上国が発祥地になることが多かったが、今度の流行地は疫病とはあまり縁のなかった欧州だ。
ドイツで死亡した人が罹った腸管出血性大腸菌(EHEC: enterohemorrhagic Escherichia coli)の代表的な血清型別には、1996年に日本で大流行したO157が存在する。
要するに今欧州で大流行している病原性大腸菌はO157と同等のリスクがあると思えば間違いないだろう。
当時の日本で、奇しくも厚生大臣は現首相の菅直人であったが、カイワレ大根がO157の感染源とされ、風評被害が起こったのは記憶に新しいところだ。
今の欧州でも感染源が特定されていないのに、生野菜が感染源扱いされているような感じを受ける。
そう言えば、今年の4月に、日本でも「焼肉酒家えびす」で生肉のユッケを食べたために、腸管性出血性大腸菌O-157並びにO-111に感染して、複数の子どもが死亡する集団食中毒事件が報じられた。
それにしても「感染のピーク時の終了については判断出来る段階でない(All but one of the fatalities were reported in Germany, where officials say it’s still too early to determine whether the peak of the outbreak has passed.)」というのは不気味なセリフだ。
いずれにせよ、今年は世界のどの国に行ったとしても、食材に火を通さずに食べるというのはやめた方が良さそうだ。
もっとも日本以外の国で生ものを食べる機会はそう多くはないと思うがね・・・
欧州で大腸菌感染の死者増え19人、発症は2千人以上 (2011.6.5 CNN Japan)
(CNN) 欧州で拡大している病原性大腸菌の感染問題で、世界保健機関(WHO)は3日、犠牲者は19人、感染者は少なくとも12カ国で2000人以上に達したと報告した。
感染のピーク時の終了については判断出来る段階でないとの見解も示した。死亡者はドイツで18人、スウェーデンで1人。
ドイツでは12人が溶血性尿毒症症候群(HUS: hemolytic-uremic syndrome)に、6人が腸管出血性大腸菌(EHEC: enterohemorrhagic Escherichia coli)に感染して死亡した。
WHOによると、ドイツでのHUSの発症例は計573件。
過去に世界で記録されたHUS感染の流行での件数を上回る規模となっている。
EHECのみの発症例は推定で計1428件。発症例はオーストリア、チェコ、デンマーク、フランス、オランダ、ノルウェー、ポーランド、スペイン、スイスと英国で報告されている。
感染源は特定されていないが、スペインで有機栽培されたキュウリで菌が検出され、このキュウリがドイツでパック詰めされ、欧州諸国に出荷されたとの情報もあった。ドイツの疾病対策の連邦機関、ロベルト・コッホ研究所は国内消費者に生のトマト、キュウリやレタスを食べないよう勧告。
米食品医薬品局はドイツやスペインから輸入されたこれらの野菜3品を国内販売の前に検査し、結果を欧州連合(EU)にも伝える方針。米疾病対策センターは3日、ドイツ北部を先月旅行した米国人女性2人と男性1人がHUSを発症し、米国で入院した事実を明らかにしていた。
別の1人に血便の症状が出ているが入院はしていない。
また、ドイツ駐留の米軍兵士2人も下痢の症状を訴えているという。
ただ、米国内での大腸菌感染の拡大には否定的な見方を示した。
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