このところ健康寝具販売会社「エル・アンド・ジー」(L&G)による組織的詐欺事件がメディアを賑わしている。
被害総額も史上3番目の規模になるとのことで、第三者からすると何でこんな「うまい話」に乗る人が引きも切らないのだろうと言いたいところだろう。(2009.2.5 産経新聞-【L&G事件】波会長を逮捕 組織的詐欺容疑)
それに警察や金融庁でも事件があるごとに注意喚起をしても一向にこういった犯罪被害が減らないのは、究極のところ「自分たちだけが美味しい話を知り得た」という優越感と、第三者にセカンドオピニオンを求める勇気がなかったことによるものが大きいのではなかろうか。
このセカンドオピニオンというのは、神奈川県警の振り込め詐欺未遂事例にもあるように単純かつ効果がある。
振り込め詐欺もこのような出資金詐欺も金を騙し取ろうという犯意は同じだからだ。
また最近私が人づてに聞いた話ではmixiなどのSNS (Social Network Service)のコミュニティ(共通の関心分野、価値観や目的を持った利用者が集まるウェブ上のコミュニケーションエリア)を悪用した出資金詐欺まがいの事件が起こっているとのことで、こちらの方がより早く被害に遭いやすいとも言える。
なぜならアナログ社会では詐欺師が出資者を募るのに様々な舞台装置を作らなくてはいけないが、SNSの方は投資関係のコミュニティやフォーラムに餌を撒くだけで済むからだ。
特にオフ会などのイベントを通じてこうした餌を撒けば、友人同士になったことと相乗効果を生んで詐欺の舞台装置を形成することもある。
アナログ社会で起きているこうした事件も、今後はインターネット社会を通じて拡散することが多くなるのではと私は危惧している。
このような時こそ有効なのが、セカンドオピニオンを求めるということだ。
コミュニティで得た情報に違和感を感じたとき、恥を晒すようで嫌だとか思わずに日記にアップしてみる、あるいはブログで書いて見る。
そうすれば、友達からは「バカだな、お前は」とは言われるだろうが、第三者から見た冷静な意見が得られる可能性は大いにある。
あるいは日記を書くために物事を順序立てて整理することによって違和感を感じていたものが見えてくることがある。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥(知らぬことを聞くのは、その場だけの恥ですむが、聞かないでいれば、一生知らぬことで恥ずかしい思いをしなければならない。)」というのは言い得て妙である。
それに普段からそういうことをしている人には詐欺師は怖くて近づいて来ないものだ。
2008年3月25日号のSPAに載っていた「犯罪者に聞いた『騙しにくい嫌な相手はコイツらだ!』」の中で、「ネットを多用する人。あらゆる犯罪について、被害に遭ったと気づくまでが非常に早い!」というのは意外とこういうことかもしれないからだ。(2008年7月27日「詐欺師の高笑いが聞こえる」)
それと某掲示板で私の友人でもあり、タイ株「アジア株」海外投資ロングスティの管理人でもある阿部氏が悪意の中傷を受けているようだが、深読みすれば、これとて海外投資(出資金)詐欺をやろうとしている(現実に起きているかもしれないが)一味が絡んでいると言えなくもない。
(日本ではこうした類の中傷主が名誉毀損罪で初めて逮捕された=2009.2.5 産経新聞 お笑い芸人をブログで中傷 男女18人を名誉毀損容疑で立件へ)
なぜなら、彼に限らず、こうした本の著者の信用を失墜させることは投資家がセカンドオピニオンを求めにくくさせる効果もあるからだ。
仮にセカンドオピニオンを求めたところで、中傷の主からは「そんなやつの言うことを信じるのか」レベルのコメントが来ることは想像に難くない。
私は彼のことを信用しているが、それは友人としての付き合いもあるからで、無関係の人は掲示板の情報を鵜呑みにしないとも限らない。
今後はこうしたスパムを情報ソースから排除することもリテラシーとして求められることになろうか。
コメント
L&Gの件はこんなことになってびっくりしています。
なぜなら私が説明会を聞きに行った6年ほど前は、お金を出せという話もなく、ホテルで食事をさせてくれて再生専用のDVDをタダでくれて、商品の代理店になりませんか?という話だったからです。
その商品がとても売れそうもないものだったので、代理店になるのはやめましたが、金を出せという話は一言もなく、報道されている話と見た話がぜんぜん違うのでびっくりしています。
途中から詐欺的になってしまったのかな?
Toraさん、お久しぶりです。
>途中から詐欺的になってしまったのかな?
それは知りませんでした。
もしかすると途中で会社が乗っ取られて、ああいうヤツらが跋扈するようになったのかもしれないですね。
非常にタイムリーで且つ内容のあるブログで、毎回楽しみにしています。
私のファンということでありがとうございます。
とりあえずお礼まで