今日発売のニューズウイークの表紙を見て私は10年前に見たものを思い出さずにはいられなかった。
今回(2008年7月30日号)の表紙は「ファニーメイ/フレディマック危機-大恐慌の足音」、そして1998年8月26日号の表紙は「大恐慌の足音-日本売りで現実味を帯びる世界同時不況の悪夢」である。
まるでビデオを巻き戻して見たかのような感じである。
そう、10年前の今頃も世界経済がいつ奈落の底に落ちるかと世界中が気を揉んでいた。
大恐慌の引き金を引くとされたのは、瀕死の経済大国のわが日本とカジノ市場と呼ぶのがふさわしかったロシアだった。
1998年9月9日号では「ロシア発世界経済危機」という見出しが・・・また奇妙なことに前年(つまり1997年)において世界最高の成長を見せた株式市場はロシアであったという。
ちなみに、今年は至るところで「中国バブル崩壊」について語られているが、その前年(2007年)に世界最高の成長を見せたのは中国というのは疑いの余地がなかろう。
話を元に戻して、10月14日号は、「1999大破局のシナリオ」という見出しが躍り、世界経済はパニックの様相を呈した。
事実、この号の発売日である10月7日の直後に円キャリートレードの手仕舞いが世界的に連鎖、円が空前の大暴騰を演じて世界中はパニックになった。
そして、今年も前年から続くサブプライム危機と、エネルギー高騰によるインフレ懸念から世界経済は崩落の危機にある。
今週になって世界の金融関連株が反騰しているとはいえ、あくまでエコノミストの市場予想より悪くなかったとかいうこじつけに近い理由で上がっているだけのようだ。
ここ1~2年の為替動向が円キャリートレードとの関連で語られるのも10年前と同じだ。
ここまでくると、アメリカの大型金融機関の倒産あるいは国費救済、又は中国市場の崩落といったセリング・クライマックス(売りの最終局面)があると考えられなくもない。
そして、3月9日のブルームバーグで報じられた、アメリカ住宅金融最大手カントリーワイド・ファイナンシャルが証券詐欺の疑いで米連邦捜査局(FBI)の捜査を受けている、というのはどうなったのであろうか。
今年の秋にこれらのものが一気に噴出すのであれば、それが今回のサブプライム金融危機の終焉になる可能性もある。
10年前のときはニューズウイークが「1999大破局のシナリオ」と書いたときが最終章だった。
当時のメリルリンチ日本証券のスタッフは、口座を開いたばかりの私にこう言った。
「日本の小型株が面白いですよ」と・・・
このとき、ファンド(投資信託)でなく、個別株に投資できていたら・・・と今でも思うときがあるが、終わったことは言うまい。
そして、わずか2ヵ月後の12月2日号には「アジア経済-来年は明るい」との見出しがあった。
事実、そこから1999年の世界的ITバブルを謳歌するまで半年とかからなかった。
もし、歴史が繰り返すとすれば、今回も投資のチャンスは秋にやってくるかもしれない。
ただし、その前にやってくるであろう世界市場の大崩落に耐えられるならば、という条件付きであるが・・・
そう、ここまで市場に残っている投資家はそれほど悲観することはない。
あともう少し頑張ればやっていて良かったとクリスマスにシャンパンを開けることができるだろう。
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