The way to lost quarter century and…

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レッドカードを出す女性

経済評論家の三原淳雄氏が12月21日付のコラムで「自業自得への道」として、「年末とあって来年を占う勉強会に可能な限り出席してみたが、聞こえてくるのは国はどうしてくれるという嘆き節ばかり。しかもその参加者の多くが、かつての全共闘の年代なのに、自分たちで変えようという意欲に乏しいのはなぜなのだろう。」と書いている。

これを読んで私は大前研一氏が書いた「異端者の時代-現代経営考」の「プロローグ 日本経済危機の本質」の部分を思い出した。

そこに書かれていたのは

毎年新年の仕事始めの頃、東京や大阪の一流ホテルで財界四団体主催の賀詞交換会という大パーティが開かれる。

今年(平成六年/1994年)の賀詞交換会は恒例の総理大臣の顔見世がなかったことから、早々に引き上げる人が多かったが、それにしても出席した財界大物たちの発言はみっともなかった。

「この不況をどうしてくれる。政治改革なんてほどほどにして、早く景気対策をやってくれ」の大合唱である。
会社をおかしくしたのは自分たちなのに、その責任は棚上げにしておいて、政府に「なんとかしてくれよ」のお願いだけだ。

レーガノミックス時代のアメリカにも、鉄の宰相サッチャー革命の嵐が吹き荒れたイギリスにも、こんな無責任な経営者はいなかった。

そんな情けない経営者は株主総会で即刻クビ、黙々と会社のリストラに努めたトップだけが生き残っているのである。

労働組合にしても、35年間争議らしい争議をやったこともないから積立金ばかり増えてしまい、肝心なときに経営者の責任を追求する組合もない。

財界幹部の言っていることが14年前と今とでほとんど変わってないことに気づくだろう。

想像するに14年前の忠犬ハチ公がお殿様に出世しただけということか。
要するに大企業の幹部たちは、若年者には自助努力をしろと言う一方で、自らは相変わらずのおねだりを「無能」と揶揄する政府にしているのだ。

政府が無能ならば与党への献金などやめればいい、お前ら(政府)は黙っていろと一喝すればいいだけの話だ。
それをしないのはドッチもドッチだからだろう。

前出の大前研一氏の著書によれば、日本の就業人口6300万人(1994年当時)のうち、日本の富を稼ぎ出している(自動車やエレクトロニクス産業など)のはわずか13%、残りの87%は公務員や、規制業種などの国際競争力のない就業者で、彼らのぶら下がりということなのだから、政府におねだりしないとやっていけないのは自明の理である。

と、なると、ここ数年の企業業績の回復というのは、従業員や下請けをボロ屑のように虐げて経費を浮かしたことと、世界好況という神風が吹いたことによるものでしかなかったのではないのか。

これで日本経済は本当に再生するのか。
今や、かつての花形産業も国際競争力を失いつつあるというのに・・・
ところで、新年になれば、またぞろ新聞に財界人の年頭挨拶やら今年の経済予測などが掲載されるだろう。

しかし、そんなものは何の意味もない。
政府は言うに及ばず財界トップにすら世界を相手にする気概が感じられないのであれば、もはや日本企業は一部の国際優良企業を除いて世界の投資家から見放される運命にあるからだ。

世界の投資家から見れば、1990年代のAsia Equity Fund (ex Japan)は、日本(先進国)を除くアジア諸国(途上国)の株式に投資する「極めてハイリスクハイリターン」なファンドを意味した。

今や、日本が入っていない分だけ好パフォーマンスが期待できる優良ファンド、という意味になっている。
あと数年後には、特定国に投資するファンドとしてのJapanese Equity Fundは今のフィリピンやインドネシア並みのエマージングファンドの位置づけにしかなっていないだろう。

そうなれば、今でさえ影の薄い日本発の経済ニュースは世界の主要経済紙に掲載されることがほとんどなくなるかもしれない。
そこまでなっても財界首脳は言うのだろうか。「政府が無策だからこうなるんだ」

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