10年遅い日本の観光庁構想

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ワットプラケオ(Wat Phra Kaeo)

今でこそインターネットが発達によって旅行情報の収集も楽になったが、私が海外旅行に行き始めた1990年代、外国の観光情報を収集するには「地球の歩き方」というガイドブックを買い、そして東京都内にある政府観光局に資料を請求し、あるいは集めて歩くことだった。

そして、外国旅行中に、ふと思ったことがある。
外国に日本大使館や領事館はあっても観光庁(局)って見ないな、と。

一応、日本にも訪日外国人に対するサービス機関として国際観光振興機構(JNTO/Japan National Tourist Organization)というのがあり、海外13ヶ所に事務所があるらしいが、私の目から見ても日本の観光政策は影が薄い。

JNTOの目標ともなっている「2010年までに訪日外国人旅行者数を今の年間500万人から倍増させる」と言っているが、それでも観光立国と呼ばれる国々にはほど遠いらしい。

私に言わせれば、少なくとも、ワールドカップ日韓大会の開催が決まった1996年5月末、本来ならその時点で外国人観光客の誘致を国の基本政策の1つに掲げるべきだっただろう。(2004年9月20日「Yokoso! Japan」

やはり、ワールドカップというのは世界的に注目を浴びるイベントの1つであり、そこで集まった外国人の何割かをリピーターにできれば相当インパクトがあるはずだからだ。

ところが、日韓ワールドカップが始まってもそこに来たサポーターに日本を旅してもらおう、なんて発想は官民ともになく、開催地とキャンプ地だけが盛り上がっていた状態だった。

そして、「お祭りが終わった1年後(2003年3月26日)」に飛び出したのがVisit Japan Campaignというわけだ。
誠にもってマヌケな話としか言いようがない。

例えてみれば、メインパーティでもったいぶって軽食しか出さずにいたくせに、皆が帰ってから慌ててメインディッシュの献立をするようなものだ。
そして、ようやく日本にも観光庁なるものができるかという感じで、観光行政に本腰を入れるらしいが、あまりにも歩みが遅いと言わざるを得ない。

今や世界の主要観光国は来訪する外国人にいかに自国に金を落としてもらえるか、という知恵比べの時代になっているからだ。

それが最高にうまくいっていると言われるモナコでは一部のフランス国籍の人を除き所得税がかからず、住民税もかからない。(モナコインフォメーション・ビジネス
要は世界の富裕層が落とす金によって住民が潤っているという図式だ。

一方の日本は、富裕層を外国に叩き出すような政策によって残された住民が塗炭の苦しみを味わっている。
せめてシンガポールの観光政策(2006年5月27日「シンガポールに楽しみが」)でも見習えばいいものを、何を考えているのか「将来的には他省庁の観光関係部門の再編・統合も検討する方向」とかいう体たらくだ。

第一、国会議員たるものが「観光庁設置の実現を求めて決議」でもないだろう。
お前らは労働組合員か?決議でなくて法制化がお前らの仕事ではないのか。

他国では大臣が音頭を取るところもある観光を、官僚の調整に委ねる日本。
これではせっかくの円安の追い風もポジティブに生かすことはできないであろう。

コメント

  1. ジョニー より:

    日本は既にすべてダメであるという結論ではダメですか?

  2. カルロス より:

    こんばんは
    それを言ったら身も蓋もないという気がしますが・・・(笑)
    でも実際はなんともね~と言いたいですね。
    首相から一介の国民までおかしな連中が跋扈してますからね~

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