新庄劇場涙のフィナーレ

この記事は約3分で読めます。

日本一になり胴上げされる新庄選手

久々にテレビでプロ野球を見た昨夜、北海道日本ハムファイターズが44年ぶりの日本一に輝いた。

8回の最終打席から涙腺が止まらなかった新庄剛志選手は、試合終了後に優勝監督より先に胴上げされるという前代未聞のフィナーレとともに現役最後の試合をこれ以上ないという舞台で締めくくった。

思えば夏の高校野球もここ2~3年は駒大苫小牧が常に主役だった。
野球の大会で優勝するのが難しいと言われてきた北海道のチームがスポットライトを浴びるのは地元の人たちにとっては応えられないだろう。

今年の日本一の陰で日本ハムファン以外は覚えてないかもしれないが、パリーグでAクラスチームによるプレーオフが始まった3年前に日本ハムは3位に滑り込み、第一ステージを西武と戦った(1勝2敗で敗退)のだ。
私はこのとき、日本ハムってこんなに強かったっけ?と思ったのだ。

そして今年の9月下旬、福岡ダイエーホークスと西武ライオンズとのデッドヒートの中で、23日と24日の対ロッテ戦で連敗したとき、日本ハムもよくやったけど1位通過は西武で決まりかな?と思ったのだ。

残り2試合が西武はロッテと戦うのに対し、日本ハムはダイエーと戦わないといけなかったからだ。
ところが26日の試合で西武がエース松坂でロッテに負け、日本ハムはダイエーの斉藤和巳相手に勝った。

要は優勝争いの局面でパリーグというより日本を代表するピッチャーが同じ日に揃って負けたために、日本ハムは再逆転で首位に立ったのだ。
そして、最終戦でも日本ハムがダイエーに勝って1位通過を決めたとき、私は新庄が引退表明のときに言った「頂点に立てたら、死んじゃうかも」というのが現実になりそうな予感がした。

1位通過試合も札幌、そして今年のプレーオフ第二ステージは今までと違って最後の2試合が1位通過チームにとってビジターになるルール、要は連勝で決めないと札幌胴上げはない、という時に連勝、極めつけは日本シリーズ、緒戦に中日に負けた日本ハムは4連勝でないと札幌胴上げはない、というと時に4連勝した。

いつもギリギリだけど一番ファンに感動を与えられる局面で勝ち続けた日本ハムには強運もあった。
ちなみに、今や日本のスーパースタークラスでない普通の選手でも大リーグに挑戦する、と口にする選手が増えているのは、「新庄の功績が大」だと野球解説者の江本孟紀氏が言ったことがある。

新庄が阪神からニューヨークメッツへ移籍した2001年、彼は123試合に出場し、2割6分8厘の打率を残したことにより、江本氏曰く「言い方は悪いが新庄クラスの普通の選手でも大リーグでやれることを証明した」と。

日本シリーズで優勝した後のインタビューで新庄選手は言った。
「(強運を)持ってるわ、オレ。本当にこのマンガみたいなストーリー。出来過ぎてません?今後、体に気をつけたいと思います。泣いてた?7回ぐらいからやばかった。オレのとこに飛んできてたら捕れなかったですよ。チャンピオンとかそういうことじゃなくて、この仲間と出来なくなるという気持ちがすごい強くて、7回ぐらいからボール見えなかったです。(野球人生で)今日が、最高の思い出になりますね。」

本当に出来過ぎていると思う。
おめでとう。そして長い間ありがとう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました