最近、警察官や自衛隊員の私物パソコンから文書や映像をインターネットでやり取りするファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を通じて情報が流出する不祥事が相次いでいる。
これに対して、幹部は部下に対して「私物のパソコンを公用に使ってはならない」と言って、それを一連の不祥事の対策としているが、そんなことで解決するような簡単なことではないらしい。
要は、何で彼らが「私物の」パソコンを使って仕事をしないといけないのか、と言うと、私の聞いた話だと、旧態依然とした職場ほど、パソコンの絶対数が足らず、若手の働き盛りのスタッフは歯噛みしているという。
つまり、パソコンなどいじれない(いじらなくてすむ)幹部のお陰で、今時パソコンも十分に配備されない職場で働かされているというわけだ。
こんなことは行政のトップを始めとする政治家が現場の仕事の能率化を考えてない証左とも言える。
今時パソコンを1人1台配備しないというのではスタッフは仕事にならんだろう。
金がないと言いながら無駄な新幹線や道路、空港は作っているのだから空いた口が塞がらない。
彼らの怠慢のツケで、現場で私物パソコンを使った者だけを処罰したのでは、ますます現場はやる気をなくすだろう。
そもそも機密情報を持ち出そうと企んでいる者以外は誰も私物のパソコンで役所の仕事をやりたいなんて思っていないだろうからだ。
そういえば2001年4月26日に第一次小泉内閣が誕生した後、首相が国民の意見をメールで募集したのをどうしているかというのをテレビでやっていたことがある。
何と内閣官房のスタッフがそれらをすべてプリントして仕分けし、各省庁へ持って行くというものだった。
今はどうか知らないが、当時は複数のスタッフ(正規の国家公務員)が毎日送られてくる大量のメールを1日中プリントするのが仕事だったのだ。(それが政府閣僚に読まれたかどうかは想像にお任せする)
行政のトップ(政府閣僚)がこんなレベルの仕事を事務方にさせているようでは、行政の効率化など永遠の夢、そして現場の苦労は絶えることはないだろう。
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