今日の読売新聞で「ネットオークション詐欺対策」についての記事が載っていた。
インターネットの発達により、匿名でもいろいろなことができるようになり、便利になったことは確かだ。
ただ便利になったのは必ずしも善人だけではなく、一般社会と同じように悪人にとってもそうなったのだ。
むしろネットの匿名性から中学生や高校生までも詐欺師になれる、あるいは逆に餌食になる世の中になっていると言っても過言でない。
つまり、何の前提知識もなくIT社会の利益だけを享受しようとすれば、そこには陥穽が待っているということなのだ。
私は今までネットを使って取引をいろいろやってきたが、それはあくまで信用のおけそうな企業相手であり、個人相手のオークションはやったことがなかった。
たぶんこれからやるとしても自分にとって不要なものを売るか、騙し取られても痛手にならない程度の少額の取引しかしないだろう。
株式投資をするにあたって、自分の家計に響かない程度にしろ、という教訓はネットオークションにもあてはまると私は思う。
一般社会ではびこる詐欺(fraud, scam)がネット社会ではもっと巧妙にされるからである。
しかも顔を合わせることなくできてしまうため追跡することは非常に難しい。
「備えあれば憂いなし」
詐欺にあってから解決サイトを見るのでなく、あわないように事前にネットサーフィンすることをお薦めしたい。
2005年2月1日からは、2006年のドイツワールドカップ(2006.6.9-7.9)のチケットの販売も開始される。
日本代表が首尾よく最終予選を突破すれば、またぞろチケットフィーバーが起こり得る。
そのときはヤフーオークションならず、英語サイトのeBayでもチケットオークションがあるだろう。
あるいはFIFAのサイトに日本語がないのをいいことに「チケット取得代行」サイトも復活するに違いない。
彼らがきちんとした業者ばかりならいいが、当然、詐欺師も現れるし、集めた個人情報を売る輩も出てくる。
まさに一寸先は闇である。
ちなみに私の知人はチケット類のオークションに関してこうアドバイスする。
入札が成立した後、現物を中が見えるようなビニール袋などに入れて代金引換郵便で送ってもらうようにということだ。
そうすればトラブルが最小限に抑えられるという。
このような知恵も経験者ならではのものだ。
ネットオークション詐欺対策
(2004.10.16 ネット&デジタル – Yomiuri Online)欲しい物を市価より安く入手できるインターネット・オークション。便利だが、入金したのに品物が送られてこないといったトラブルも頻発している。どんな点に気をつければよいのだろうか。(高田 真之)
■悪質出品者 リストで照合 メールの発信場所も確認
「入札には細心の注意を払ったのだが・・・。初めての落札でだまされるとは思ってもみなかった」。
横浜市内に住む会社員の男性(24)は9月初め、ネットオークションで見つけたカーナビの新製品を16万8000円で落札した。
指定された銀行口座に代金を振り込んだが、2週間経過しても商品が届かず、警察に詐欺の被害届を出した。
解約と返金を求めるメールには謝罪の返信ばかり。
そのうち口座も閉鎖され、メールも届かなくなった。
やがて教えられた住所が、電話や郵便物を取り次ぐ秘書代行会社のものだったことが判明した。
警察庁によると、今年上半期に受理したネットオークションがらみの被害相談は7393件に上り、2003年同期の3倍に増えた。
国内最大のオークションを運営するヤフー(東京都港区)は、今年7月から出品者の確認手続きを強化。
登録された住所に郵便物を送り、本当に本人に届くのかを確かめている。
しかし、冒頭のケースのように、秘書代行会社を使えば、本当の住所を明らかにしないまま取引を続けることが可能だ。ヤフーは「大部分の参加者は健全な取引をしている。
もっと厳格な方法を取ると、参加者の利便性が低下する」(オークション事業部)と言い、今のところこれ以上の確認手段を講じる予定はない。
どうやって被害を防げばいいのか。
ネットネットオークションの詐欺事例集を出版したパソコン講師中島慎一さん(30)(三重県四日市市)は「参加者自身が細心の注意を払うこと」と指摘する。自分のサイト(ヤフオク詐欺対策サイト-TARGEST)で、疑わしい出品者の情報や被害回避の方法を紹介している。
それによると、参加者が確認すべきなのは
- 出品者に対する評価
- 出品物の写真
- 落札後に出品者から送られてくるメールに記載された詳細住所・電話番号
だ。
出品者が取引を重ねると、落札者による評価がサイトに書き込まれていく。
評価の低い出品者の物件を避けるのはもちろん、最初見た時評価が良くても急に悪くなる場合もあるので、入金するまで何度も確認する必要がある。
2の写真も要注意だ。出品者が自分で品物を撮影せず、メーカーのホームページなどから転載している場合、品物が出品者の手元にない可能性が高い。
悪質なトラブルを起こした出品者の住所と電話番号を載せたブラックリストがネット上で公表されている(下記の関連サイト参照)。
名前やIDを変えていても、住所や電話番号と照らし合わせて調べることができる。
ヤフーは、トラブルの多い出品者の銀行口座を公開している。
送信されてきたメールの頭についている情報(メールヘッダー)を分析すると、そのメールの発信場所がわかる。
方法は中島さんのサイトに掲載されているので、念のため出品者のメールを調べてみよう。
悪意を持った出品者は、自分を特定されないように、プリペイド式の携帯ネット接続カードやネットカフェなどを利用して送ってくる傾向があるという。
中島さんは、全国に散らばる被害者支援のため、被害情報を受け付けている。各地の情報を集め、トラブルを起こした出品者を突き止めたこともある。
ネット犯罪に詳しい紀藤正樹弁護士は「ネット上でも一般社会と同じく犯罪はなくならない。オークションに参加するとリスクも生じることを認識して取引をすべきだ」と話している。
関連サイト
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