昨日、テレビ東京の日曜ビッグバラエティで「歓迎!外国人ご一行様 ニッポンおもてなし奮闘記」というのをやっていた。
番組の中では、別府・鉄輪温泉「ホテル風月ハモンド」の社長で別府市外国人旅行者受入協議会(Welcome to Beppu)会長甲斐賢一さんの奮闘ぶりと街を上げての歓迎ぶりのこと、外国人観光客が9割を占めるという山梨県の富の湖ホテル、Japanese Inn Groupに加盟の“少数精鋭”駅前旅館の小浜旅館(秋田市)や「忍者」をテーマにしたNinja Tokyo、外国人観光客に人気のデックス東京ビーチの土産物店(いまはやり今治で売っている「浮世絵タオル」=熱を加えると、着物の部分が消えてしまうもの)のこと、外国人向け・海外向けに特化した秋葉原の免税店「アッキーインターナショナル」のことなどをやっていた。
いずれにも共通するのは今までの日本人だけを相手にしたビジネススタイルでなく、外国人に積極的に門戸を開き、あるいは特化するといったビジネススタイルで利益を上げているものだった。
別府市ではホテルでのアジア紙幣両替、お婆ちゃんがバスの乗り方を教えるなど、個人レベルからの意識改革を行い、まさに街ぐるみでの対応をやっていること、小浜旅館ではベテラン女将が、秋田弁の混じった片言英語とボディランゲージで接客をし、純和風のサービスを提供して外国人に喜ばれていると報じていた。
日本の旅館の中には外国人の受け入れ態勢が整ってないとの理由で受け入れに消極的なところも多いと聞くが、私が旅先で泊まったホテルが必ずしも英語が通じるところばかりではなかったように、彼らにしてもどこでも英語が通じるとは思って来てはいないのだから、日本の観光業界も国内観光客が減ったと嘆いてばかりしないで、新しい分野にトライしてみてはいかがだろうか?
私たちが外国旅行をする際にガイドブックや観光案内所のリストを参考にするように、外国人観光客も最初はそうするのだ。
「マーケットは世界中にある」
これは何も製造業や商社のトップのセリフでなく、日本が本気で観光立国を目指すなら観光業界のトップもそう言うべきなのだ。
また、多くの外国人観光客が「日本の文化や美」を求めてやってくれば、各自治体や業界が自ずと独自の視点でサービスをしよう、あるいは愚にもつかない環境破壊につながるような公共事業はなくすような圧力が政治にもかかるようになるのだ。
本来ならYokoso! Japanプロジェクトは少なくとも日韓共催のワールドカップが決まった段階でやるべきことだった。
なぜか国土交通省の所管となっている観光行政を公共事業の付け足し程度にしか思ってない政府が音頭を取ればこうなるという典型的なケースだ。
あのときに官民あげて本気で取り組んでいれば、今はもっと違った形で観光行政が進行していたに違いないと思うと残念でならない。
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中国人団体旅行ビザ発給対象地域を拡大・外務省 (2004.7.23 日経新聞)
外務省は23日、中国人団体観光客への査証(ビザ)の発給対象地域を9月15日から現在の北京(Beijing)、上海(Shanghai)両市と広東(Guangdong)省の2市1省から3市5省に拡大すると発表した。
新たに対象となるのは天津(Tianjin)市と江蘇(Jiangsu)、浙江(Zhejiang)、山東(Shandong)、遼寧(Liaoning)の4省で、対象人口は現在の約1億人から約3億6000万人に増える見込みで、中国人観光客の増加につながるとみている。
中国人団体観光客へのビザ発給は2000年9月に開始。
中国政府は対象地域の拡大を求めていたが、日本の警察当局などには治安への影響に配慮して慎重論が強かった。小泉純一郎首相が観光立国を重点政策の一つに掲げたことなどを受け、拡大に踏み切った。
団体旅行参加者の中には滞日中に失そうし、不法滞在する事例もあるため、中国の旅行会社などに引率者の資格の厳格化なども求めていく。*************************
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