旧体制のメディアはもう終わりか

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日本地図とビジネスマン

スポーツ選手や芸能人がマスコミの取材を拒否する。
それは一般人の我々が考えるよりもリスキーなことだ。


マスコミに非があったり、本人が極度のダメージを受けているときに一度や二度ならそういうこともあろう。
でも下の記事が正しければ中田選手は彼が日本人メディアの取材拒否の姿勢を崩さない限りそうするつもりでいるようだ。

それにしても解せないのは彼にここまでされて何も言わないメディアの姿勢だ。
もしマスコミ側に非がなければ、「何様のつもり」レベルの記事がもっと氾濫しているし、そうなっても仕方がない態度だ。

それがそうならないのは、過去の捏造記事が裁判沙汰レベルの酷さで、スポーツマスコミが彼がどんな態度を取っても強く出れない弱みを持っているとしか思えない。

インターネット時代の今は、彼がマスコミを通さなくてもファンに向けて発言できることも大きいし、プロ野球再編問題に関する掲示板を見てもナベツネと読売新聞を始めとする旧体制側はクソミソになっている。

おそらくマスコミ側が脛に傷持つ身で彼のことを非難すれば、インターネットによる大衆の反撃がマスコミの側に致命的なダメージを与えることを知ってるのかもしれない。

日刊ゲンダイの記者は、日本人記者だけを差別するのは了見が狭すぎると書いているが、日本人の選手が自国メディアに口を閉ざすことが、単に了見が狭いだけのことなのか、全体を見て考えた方がいい。

大リーグに行った野茂選手もイタリア在住の塩野七海さんも、日系メディアに対する苦言は、取材対象である自分のことすら勉強しないで来るということなのだ。
要するにプロである彼らに対してプロでない人間を寄越すことに文句を言ってるのだ。

私はエッセイ「未来へのシナリオ」で、ピーター・タスカの著書「不機嫌な時代(Japan 2020)」の中の3つの近未来シナリオを紹介した。
その中の「デジタル元禄」の仮想主人公である田中春子のストーリーにこういう一節がある。

春子はもう10年近く田中新聞を経営している。最初は趣味の域をでなかった-子どもたちが学校に行っている間の片手間仕事だったのだ。

だがたちまちにして彼女の時間のほとんどを要する本業になっていった。
今では太平洋経済機構全域の国々に10万人の予約購読者を持っている。各読者は隔週で更新されるニュースとオピニオンのダイジエストに20円払ってアクセスするので、彼女の年収は5000万円以上になる。かつて夕暮新聞の下っぱ記者だったころには考えられなかったことだ。

だが大きなちがいは収入だけではない。
自分の考えを率直に表明する自由を手に入れたのだ。
ジャーナリストを自称する保守的な中年男たちに支配される巨大な組織の中では、自分の意見をコンセンサスに合わせて調整しなければならなかった。

夕暮新聞は今でも日本の主流をなす最大の新聞だが、発行部数はこの10年間で半減している。主な読者は政府の役人か、オンラインの世界になじめない年寄りぐらいのものだ。

いかがだろうか。
1997年にピーター・タスカが仮想したことの一部が、今や現実のものになっているのだ。

つまり、中田選手はおよそスポーツ選手という人気商売では考えられないメディアの取材拒否というリスクを冒しても、ペイできると判断していたのだろう。
もちろん彼の姿勢に反感を持つ者は一般の人の中にも多いだろう。

しかし、彼は自分とその考え方を理解しうる者だけを味方にすればいいと考えているのかもしれない。
これも自分の考えを率直に表明する自由を手に入れたからできたことにほかならない。
もはやこの流れを止めることはできないのである。

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中田英寿が日本人マスコミを毛嫌いする理由は何か
-ちょっと変じゃないか 日本サッカー界のナゾ-
(2004.9.22 日刊ゲンダイ)

フィオレンティーナ(Fiorentina)に移籍した中田英寿。昨季終盤から両股関節痛に悩まされ、15日のブレシア戦で「129日ぶり」に復帰したが、デキは最悪で地元メディアから「どこにいるのか分からなかった」と酷評された。

その中田が存在感を見せたのが試合翌日の記者会見。
会見前に広報担当者が「日本人が質問すれば、その時点でナカタは席を立つ。日本人がイタリア語で質問してもダメ」との通達。
日本人記者の猛抗議にも「チームとしていいことだとは思わない。しかし、これが事実なのだ」と取り合わなかった。

どうしてこんなことになったのか?
「中田はJリーグ平塚(現湘南)時代、某スポーツ新聞にコメントを曲解して掲載されて大激怒したことがある。それ以来、一部のフリーライター以外とは口もきかなくなり、公式ホームページを立ち上げてからは『日本メディアは捏造記事が多い。自分の意見はホームページで発信する。それ以外では絶対話さない』と宣言した。
1998年からはイタリアでプレーするようになり、それでも昨季までは『日本人がイタリア語で質問するのはOK』だったが、ついに日本人はすべてNGになったのです。」(専門誌記者)

周辺では「股関節痛の回復が遅れてイライラしている証拠」ともっぱらだが、どんな理由であっても「日本人記者だけを差別」するのは了見が狭すぎる。ケガでまともに出場もできないのに、書かれて困る話もないハズだ。
いずれにしろ、マスコミ対応もきちんとできないようではスポーツ選手失格だ。

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