イラクはカンボジアになるのか?

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イタリア語の新聞

イラク戦争が終った後、泥沼化する国内情勢を見て一部の識者はイラクが「第二のベトナム」化することを危惧した。

しかしながら、私は朝日新聞の記事を見て、1975年にカンボジアのプノンペンに入ったポルポト政権の仕打ちを思い出さずにはいられない。


かつて彼の指揮するクメール・ルージュは「すべての人が農業に従事する」という共産主義社会の建設を強行し、教育を受けた者をすべて敵とみなし、1979年までの4年間に300万人以上を惨殺したと言われる。

そして規模は小さいながらも、現在イラクで行われていることは自国民から高等教育を受ける機会を葬ろうとしている所業に他ならない。

北朝鮮もそうだが、どうやら狂信的な独裁者の信奉者にとって自分たち以外の者が「高等教育」を受けることは極めて都合が悪いらしい。

これらの仕業を行っている狂信者たちは「アメリカの味方をする奴を追い出す」ことを口実にしているが、それが単なる戯言であることは歴史が証明するだろう。
しかしながら、それを一般のイラク国民が学ぶ機会は相当に先かもしれない。

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イラクで学者の暗殺続発、251人死亡 復興妨害狙う? (2004.8.30 朝日新聞)

イラクで学者や医師の暗殺が続いている。地元紙は30日、イラク戦争後の昨年5月からこれまでに251人が暗殺され、1,000人以上が国外へ逃れたと報じた。

学者が誘拐され、イラクからの出国を条件に解放される例も多く、暫定政府を「占領軍の傀儡(かいらい)」とみるグループが、復興事業の妨害を狙っているとみられる。

イラクの大学講師組合が、今月28日に起きたモスル大翻訳学科長の女性教授暗殺までの件数をまとめた。
イラク紙アルムサンナによると、被害者はイラク各地の大学、研究機関、病院、NGO(非政府組織)にわたる。
最も多いバグダッドのムスタンシリヤ大では、13人が殺されたという。

バグダッド大の教授によると、同大では昨年夏ごろに「講義をやめろ」と脅迫する落書きが現れ、暗殺が始まった。
今年6月には地理学教授が射殺されるなど、今年だけで同僚3人が殺された。
誘拐も昨年7月ごろから急増し、高額の身代金を奪われ出国を強要されている。

しかし、今年初めに誘拐されたバグダッドの脳神経外科医の場合、犯人は身代金ではなく出国だけを要求。医師は要求通り出国した。
NGOの水利学者(46)は今年初め、電話で「米国を助けるやつは出国しろ、さもなければ殺す」と脅された。

内務省は、医師誘拐の捜査を専門とする「秘密警察部隊」を6月に立ち上げ、医師の自宅や病院の警戒を強めている。

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