アテネ五輪の舞台裏

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スーニオン岬

8月18日付の日刊ゲンダイ「カモにされる日本取材陣」を読んで、あなたはどう思っただろうか。
私は「なぜ、ここまでされて抗議しないのか。ペンの力を見せようとはしないのか。」と即座に感じた。
ことは単に日本人の一観光客がぼったくられたのとはわけが違うのだ。

私は過去の旅行経験から欧州ではイタリアが特に印象が悪い。
理由は少なくともG7の一員のくせに国民が途上国の物売りなみに騙したりぼったりするからだ。

たった数日しか滞在してないのに何回も悔しい思いをしている。
要は、アテネ五輪後のギリシャ、特にアテネではそういうことが助長される可能性が高いからだ。

会社の金だからどうでもいいなんて、ふざけるなと言いたいのだ。
そういう感覚が日本の物価が世界一高いという事態を招いているのだ。
いわゆる法人円を対象とした物価水準だ。

途上国の、特に値切りが常識の国では後から来る旅行者のためにも「言い値で買うな。ぼられてたら怒れ、例え日本語でも」と言われる。
そういった意味でも日本のマスコミは全くなっていない。

アテネの下町の暴力バーで観光客がぼったくられたりしてるなんてことは、最低限の情報としてマスコミなら知らなければならないことだ。

むしろそれを読者や観光客に知らせるのが使命だし、私ですら何年も前から知っていた。
結局のところ、日常を記者クラブで受身の取材ばかりしているから牙もなくし、アンテナも鈍るのだ。

今回の五輪における日本の選手の活躍は近年にないほど素晴らしい。
毎日が拍手かっさいの日々と言っても過言ではない。

それに比べて日本のジャーナリズムの情けないこと。
日本オリンピック委員会(JOC=Japanese Olympic Committee)からマスコミが「ボッタクリに注意してください」などと言われて何とも思わないのか?
現地にも情報源はあるだろうに・・・
それともほとんどないのか?

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カモにされる日本取材陣 (2004.8.18 日刊ゲンダイ)

「ボッタクリに注意してください」-体操の男子団体が金メダルを取ったその日、アテネにいるニッポンの報道陣は、JOCからわざわざそう念を押されたという。会社の経費で飲み食いできる”大名取材陣”が、現地でいいようにカモられているからだ。

「下町のストリップバー」でダンサーにウイスキーをごちそうしたら、40ユーロ(約5,400円)も取られちゃいました。レストランならビール1杯は2ユーロですよ。1人10万円も取られる”暴力バー”もあるらしいから、まだ安いほうかもしれませんね」(民放スタッフ)

タクシーにも吹っかけられている。
「アテネ市内からプレスセンターまで通常9ユーロぐらいですが、2倍は取られます。運転手は『チップ込み』と言いますが、ギリシャにチップ制度はない。ま、領収書をもらえればそれでいいんですけど」(関係者)

メシ代も”オリンピック料金”だ。
「通常の3~4倍は取られます。プレスセンター近くの日本食レストランで弁当を頼むと、おにぎり2個と小さなイカ天二切れで1,350円。日本のコンビニ弁当なら400円でしょう。
韓国レストランでも2、3品注文しただけで会計は6,000円以上です」(スポーツ紙記者)

ホテル代も「4~6倍に暴騰している」(ある添乗員)。シャワーだけで冷蔵庫もない安ビジネスホテルが1泊2万円以上するという。
「さすがに払いきれなくなって、短期滞在マンションを借りて記者がザコ寝している会社もある。日本から持ち込んだカップラーメンをすすっています。それに比べてテレビは羽振りがいい。中でもNHKはダントツで、民放は1社数十人なのに、総勢280人のスタッフがいる。宿も手配され、全員に日本食の弁当が用意されています」(民放スタッフ=前出)

大勢の観客を見込んだものの、入場チケットが大量に売れ残ったアテネ五輪。
そのために日本の取材陣は絶好のカモになっている。

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