昨日の新聞によると就職先としてこの4月から公社化された日本郵政公社(旧郵政省/郵政事業庁)の総合職が人気だそうだ。
人事部が「公社は中央省庁に比べればのびのび仕事ができるイメージがあり、民間のビジネスマンと公務員の両方の雰囲気を体感できそうな点で評価を受けているようだ。」という分析しているように、こういったイメージを持つ者も多いと思う。
しかし、ここは郵政事業庁だった2002年12月に「サービス残業」によって労働基準監督署の立ち入り調査を受けるなど、のびのび仕事ができるかどうかは疑問である。(2002年12月24日 共同-近畿郵政局に是正勧告へ/サービス残業で労基署)
ただ、郵政公社に限らず、こういった職場の持つイメージとして、特に女性にとっては民間よりも長く勤めることができる可能性が高いということ(女性が公務員や教員を目指す理由の1つはまさにこれだ)と、上司の暴力(物理的・精神的)の被害に遭う可能性がへたな民間企業よりも低いということだけは言えそうだ。(2002年12月12日 朝日新聞 -パワハラに負けるな)
それにしても起業やビジネスマンとして働くことに魅力を感じない国っていったい何なのだろうか?
世間でときとして非難の対象となっているパラサイト、そしてフリーター、これらの言葉が市民権を得ている裏には日本でまともに自立し、稼ぐということが魅力を持たないことの裏返しであるような気がする。
しかし、こんな歪(いびつ)な状態が長く続けば、日本の経済はどんどん疲弊していくだろう。
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郵政公社総合職、採用倍率200倍の狭き門(2003.4.11 朝日新聞)日本郵政公社の幹部候補となる総合職(大卒程度)が、学生たちに人気だ。
2004年春は50人程度の採用を予定しているが、応募者は10日現在ですでに9千人を突破。締め切り(11日の消印有効)までには1万人を超え、倍率が200倍以上の「狭き門」となりそう。公社は「試験会場の追加を検討しなければ」といっている。
不況時には、リストラの心配がない公務員に就職人気が集まる。
しかし、国家公務員の幹部候補の1種試験は募集期間を30日間も短縮したことで、申込者は逆に前年を下回る見通しで、郵政公社の人気は際だっている。
公社は「中央省庁に比べればのびのび仕事ができるイメージがあり、民間のビジネスマンと公務員の両方の雰囲気を体感できそうな点で評価を受けているようだ」(人事部)と分析している。***************************
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