どこにでもいるラムズフェルド

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イタリア語の新聞

日本の諺に「過ちては則ち改むるにはばかることなかれ(It is never too late
to mend.)」というものがある。
しかし、独善的で自分が常に正しいと思っている人間にこれを求めるのは過酷なまでに難しい。

4月1日付けの読売新聞の記事の中で米国防長官(US Defense Secretary)のドナルド・ラムズフェルド(Donald Rumsfeld)の政策に対する制服組の不満が窺えるとのコメントがある。

要は彼もよくある単細胞で独善的なトップということなのだ。
事務仕事と、人を相手にする仕事の違い、難しさを認識せず、機械やコンピューターを過信し、それさえあれば人なんかいらない!それがリストラだ!改革だ!という御仁だ。

彼らの頭にあるのは単に数字だけで、それをはじき出す人間が機械とは違って感情を持ち、疲れも病気もするということを認識してない御仁だ。

土曜日のTBSテレビの番組「ブロードキャスター」でオーストラリア人のコメンテーター、ジョージ・フィールズ氏も言っていた。
「彼みたいなタイプは人から批判されたり反対されるとキレるんだ。」と・・・

当然ながらこういう御仁の下で働く部下はたまったものではない。
ただ、これは米国だけの問題ではなく、日本の経済界にも多く見られる。
どこにでもいるラムズフェルド!あなたの会社は?

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兵員削減「地上戦戦えぬ」 空爆成果に疑問の声も ハイテク重視 制服組 不満募る (2003.4.1 読売新聞)

【ワシントン=大内佐紀】 イラク戦争の遂行をめぐって、ラムズフェルド米国防長官と、制服組の対立が伝えられるが、その背景には、同長官が進める軍改革への是非がある。
同長官は、精密誘導兵器や無人機などハイテク空軍力を重視して米軍の大改革に乗り出しているが、陸軍を中心とした制服組は、「兵力を弱めては、地上戦を戦えない」と抵抗しており、今回のイラク戦争では、その対立構図がそのまま持ち越された形だ。

ラムズフェルド長官の戦争指揮に批判が増えたのは、同長官の唱える「圧倒的空爆でイラク軍を一気に壊滅状態に追い込む」という「衝撃と恐怖」作戦が今のところ、目立った結果を生んでいない現状がある。

同長官は、イラク戦争開始前は、アフガン戦争を勝利に導いた指導者として、高い声望を得ていた。
その権威を背景に、打ち出したのは、抜本的な米軍改革。

旧ソ連に代わって、テロリストや「ならず者国家」が最大の敵になったという前提のもと

  1. 世界中に迅速投入できる軽量で機動力と情報技術力に優れた部隊を重視
  2. 衛星を使った精密誘導兵器を駆使して、兵員削減を補う

という2点を柱に、「少数精鋭、高度な連携を持つ、ハイテク軍隊」を目指した。軍予算の配分で言えば、兵員を減らして、精密誘導兵器に重点配分することになる。

イラク戦争は、まさにその試金石となったわけで、長官は、精密誘導兵器の大規模空爆でイラク軍に「衝撃と恐怖」を与え、投降と無抵抗を促し、短期戦で勝利するとのシナリオを公言。
すでに5,000個を超える精密誘導爆弾と650発強のトマホークがイラク国内に落ちた。
制服組トップのマイヤーズ統合参謀本部議長(空軍大将)は先月30日、共和国防衛隊メディナ機甲師団の戦力を半減させたと空爆の成果を強調して見せた。

だがハイテク空爆の成果が現時点でイラク自壊に結びつかない中、地上戦では補給線が400キロも延びて、イラク側非正規軍がゲリラ攻撃をしかけ、兵員不足がはっきりしてきた。
先月末の10万人増派決定は、ラムズフェルド長官の当初の計画を明確に修正するものだった。

勢いを盛り返したのが、陸軍を中心とした制服組。
戦死など被害が陸軍、海兵隊に集中していることもあり、米メディアには、「長官は空爆の効果を過大に計算し、地上軍の役割を軽視したのではないか」という指摘が急速に増えている。

もちろん、フランクス中央軍司令官(陸軍大将)ら現地指揮官は、こうした「対立」報道を「事実無根」と否定する。
だが、「フランクス司令官は、多くの兵力と機甲部隊の投入を計画していたのに、長官が拒否、縮小を命じた」などの内幕話のリークが絶えないのは、制服組の不満を物語っている。長官は、フランクス司令官以外にも、日系のエリック・シンセキ陸軍参謀総長とは不仲説がある。
国防総省トップの不協和音は、軍の将来像や戦争遂行に直結する問題だけに、ブッシュ大統領には頭の痛い問題と言えるだろう。

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