少子化と地方の過疎化が続く日本で将来の国防はどうなるのか

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ブルーインパルスの編隊

この1年、日本の国防に関して看過できない記事が相次いで掲載されている。

一つは、少子化の影響で、自衛隊員のなり手が少なくなっていること(2018年9月19日 ロイター 自衛隊に迫る「静かな有事」、少子化で採用難)、もう一つは、日本の土地が安全保障上で重要な立地のところも含めて、外資に買収され続けていることだ。(2019年1月4日 日刊SPA-外国人による日本の土地買収が激化 北海道や長崎、沖縄も

スイス式の国民皆兵制の導入が必要になるとき

日本の人口減(少子化)がこのまま続けば、将来的には、日本の国防や警察、海上警備は誰が担うのか考えたことがあるだろうか。

日本国憲法下では、日本は徴兵制を取ったことは一度もないし、そもそも、憲法第9条が不磨の大典と化しているが、将来的にそのようなことを言っていられるのか、仮に、スイス(Swiss Armed Forces)のような国民皆兵制を取ったとしても、日本の現役世代がその任を担えるのか。
日頃の長時間労働で疲弊した人が、軍事教練などに駆り出されても使い物にならないと思う。

さもなければ、映画ターミネーターの世界のように、人口知能ロボットにやらせるのか、日本より貧しい国を、鵜の目鷹の目で探して、そこの労働者を連れてきて傭兵として従事させるのか。

ちなみに、今の米軍は世界史の視点からすれば、日本の同盟軍でなく傭兵に近い。
だから、トランプ大統領が日本政府に対して、「トランプ大統領 “日米安保条約は不公平”」(2019年6月26日 NHK)という発言が出るのだろう。
このような状態を指して、2015年8月29日付の東洋経済は「今の日本が『滅びた国々』に酷似しているワケ」という記事を掲載している。

過疎化と貧困化で狙われる日本の国土

私の手元に産経新聞編集委員の宮本雅史氏の著書「爆買いされる日本の領土」というのがある。

彼の危機感を表すかのように、当の産経新聞でも「島が危ない」「北海道が危ない」と検索窓に入れると、安全保障上の要衝である、長崎県の対馬と五島列島、新潟県の佐渡、そして北海道に関する特集記事がずらりと並ぶ。

島が危ない

島が危ない 第1部 再び対馬を行く

島が危ない 第2部 佐渡に迫る影

島が危ない 第3部 五島列島 かすむ国境

島が危ない 北の海の火種

北海道が危ない

第一部

第二部

第三部

第四部

第五部

第六部

外国人による土地取得規制は手遅れか

外国資本(外国人)に日本の土地が買われる理由は、「北海道が危ない 第四部」の記事にもあるように、不動産は外国人も含めて、誰でも買い放題の状態だからだ。
それに、現行の不動産登記法では、登記は権利であって、義務付けられていない。

他国では、金融の窓口は外国人に開かれたとしても、土地は簡単に買えないところが多いが、日本では国土交通省が「不動産市場の国際化に向けた取組」として、英語版の「Land Economy and Construction Industries Bureau」「Brochure for introduction of Japanese real estate market in English」のウェブページまで作って、外国人に日本の不動産の販売を促進している。

21世紀になって、歴代の自民党政権の国土交通大臣に、公明党出身者が多いというのは、これと関係があるのかと訝りたく気分だ。

ただ、外国人に対する土地売却を規制しようにも、当の地方在住者(所有者)からすれば、誰も買ってくれない土地を、買ってくれるなら外国人だって仕方がないという切実感がそこにはある。

持っているだけでも固定資産税や、管理するための必要がかかるからだ。
外国人に土地を売っているといったニュースを聞くと、非難の矛先を売主や地元自治体に向けたりする人がいるが、誰が地方の過疎地の土地を買うのか(貴方が買うのか?)という根本的な問題がある。

特に、自衛隊基地周辺の土地は国有地にすべきだと思うが、予算がないために、買い進めることができないとあった。
米国から言われるままに、ぼったくり価格の武器を買う金があるなら、自国の安全保障に振り向けるべきだと思うのは私だけなのだろうか。

とりあえず、現時点で国会はどういった質疑が行われているか調べたら、2018年9月19日付の北海道で働く女社長の夫の蝦夷日記で「待ったなし!外国人土地取得問題」という記事がヒットした。

そして、彼の記事にある「この件を積極的に取り上げている丸山穂高議員などの維新を除く、他野党は完全にダンマリ。」とあった丸山穂高議員、2019年5月11日に、北方領土の国後島を訪問中、「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」などと発言し、所属していた日本維新の会を除名された。(2019年5月26日 現代ビジネス-丸山穂高議員の「戦争扇動発言」が、問答無用で許されない理由

せっかく国会で良質の質問をされていたのに、残念なことである。

参議院議員選挙に向けて

去る7月4日に公示された参議院議員選挙では安全保障問題は、ほとんど争点になっていないようだ。
今回の選挙では、年金(老後2000万円問題)と消費税率の引き上げの是非が、最大のテーマになりそうだが、日本という国が失われるかどうかというのがテーマになることはないのだろうか。

もはや憲法が改正されるとか、そういったことでなしに、例え、改正されても自衛隊の部隊が動けない状態になりかねない危急の状態にあることが、政府にはわかっていないのだろうか。
「外国人 土地 取得」で国会会議録を検索すると、たくさんの質疑が出てくるが、これは全く生かされないのだろうか。

もしも、そういった認識が政府にないのだとしたら、1993年6月に中国の李鵬(Li Peng)元首相がオーストラリアのポール・キーティング(Paul Keating)元首相と会見した際に、言ったとされる「日本は取るに足るほどの国ではない。40年後(2033年)には地上から消えていく国となろう。」(公式の会見録にはそういった記述はないが)が現実のものとなるかもしれない。

1995年/平成7年11月8日 第134国会 参議院 国際問題に関する調査会 笠原潤一議員

この前、ちょうどAPECを控えて、我が自民党で御承知のようにAPECの問題でアメリカとオーストラリアに行ってもらったんです。そのときに、オーストラリアのキーティング首相がこう言ったんです。中国の李鵬さんと会ったらどう言ったかといいますと、日本とのいろんな話をしたら、いや日本という国は四十年後にはなくなってしまうかもわからぬと、そう言ったというんです。

今回の参議院選挙に向けて、これらの日本の安全保障の問題は、各候補者に是非とも聞かなければならないだろう。

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