2019年6月3日に公表された金融審議会の市場ワーキング・グループの報告書「高齢社会における資産形成・管理」が、国会を揺るがすような世間の大きな動揺を誘っている。(2019年6月3日 日経新聞-人生100年時代、2000万円が不足 金融庁が報告書)
正直言って、公的年金だけでは老後の豊かな生活は覚束ないことは、20年ほど前から散々言われてきたことだし、経済誌やマネー雑誌の特集も、それに焦点を当て続けていると言っても過言ではない。
私も内容を読んでみたが、楽天証券経済研究所客員研究員を務めている山崎元氏が、6月12日付のダイヤモンドオンラインの記事「炎上する『老後2000万円』報告書問題、最悪なのは麻生大臣だ」の中で、「『老後報告書』の炎上は不思議でならない」と言っているほど、まともなことが書かれている。
政策立案に活用されない(なかったことにされた)金融審議会の報告書
ところで、この報告書は麻生太郎金融相が「正式な報告書として受け取らない」と言明したことから、金融庁は今後の政策立案には同報告書を活用しないと言う。
6月11日付の日経新聞の記事「『老後に2000万円』撤回へ 金融相『報告受け取らぬ』」には、
夫が65歳以上、妻が60歳以上の無職世帯だと、年金収入に頼って生活設計するケースで毎月約5万円の赤字が出ると試算した。退職金や貯蓄額は考慮していない。
麻生氏は11日の会見で高齢者の世帯ごとに資産形成が異なるなかで「平均として出すには無理がある」と指摘。年金制度が老後の生活設計の柱になるとの考えを強調したうえで「(報告書では)それが無理だというふうに聞こえる」と政府と姿勢が異なると述べた。
とあり、安倍政権の閣僚と自民・公明の与党幹部は、来月に予定されている参議院選挙に影響が出るのを恐れて、報告書をなかったことにするようだ。
私に言わせれば、麻生太郎金融相は、自らが諮問した金融審議会の報告書をまともに読みもせず、現実逃避に終始した組織の上司として、最低、最悪のオトコに成り下がったようだ。
一方で、6月10日放送のAbemaTV『AbemaPrime』で、ドワンゴの夏野剛社長曰く「(金融庁は)よく言った」と言わしめた、金融審議会の報告書が無になったことで、今後の政府発表はますます白々しい大本営発表の色が濃くなっていくことだろう。
金融庁の職員からすれば、まともに仕事をしても評価されないなら、おべんちゃらを言い続けたほうが楽だという意識が働くのは当たり前だからだ。
金融審議会の報告書「高齢社会における資産形成・管理」の中身とは
いくら安倍政権の閣僚や、与党幹部が現実から目を背けて、金融審議会の報告書をなかったことにしたところで、現時点でさえ老後を公的年金だけで暮らしていくのは厳しいという現実は変わらないので、いったいどういうことが書いてあるのか見ていきたいと思う。
現状整理(高齢社会を取り巻く環境変化)
まず、世論の十字砲火を浴びる原因となった、最初の「現状整理」で書かれている高齢夫婦無職世帯の毎月の赤字5万円というのは、2018年2月16日に公表された総務省の「家計調査報告(家計収支編)-平成29年(2017年)平均速報結果の概要-」の中の、「世帯属性別の家計収支(二人以上の世帯)(28ページ:2017年高齢夫婦無職世帯の家計収支)」に掲載済のものを引用したものだ。
金融庁企画市場局市場課の職員や、金融審議会の市場ワーキング・グループのメンバーからすると、これを引用したがために、世論の十字砲火を浴びることになるとは想像もしなかったに違いないが、この統計表は、日経ビジネスの記事「『老後2000万円報告書』の炎上で隠れる本当に必要な議論」で紹介されていたからわかったものの、それでも、余程丹念に探さないと見つけることができない。
しかも、これを見ると、私が2013年1月1日に掲載した「今日から新しい人生を歩みたい人のための投資入門講座」で引用した「平成24年版 統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)」、その中の「高齢者の家計」に掲載された数値に比べると、わずか5年で、月当たりの赤字幅が2万円近くも増えていることの方が、深刻に思えるのは気のせいだろうか。
人口動態等
- 長寿化が加速し、現在60歳の人の約4分の1が95歳まで生存の可能性がある。
- 健康寿命は、男性で約72歳、女性で約75歳である。平均寿命から考えると9~12年は、就労が困難など、日常生活に何らかの制限が加わる形で生活を送る可能性がある。
- 40歳未満の世帯の未婚率は30%を上回り、持ち家比率は低下が著しく、30%台に落ち込んでおり、かつての標準モデル世帯は空洞化している。
- 2025年には認知症の人が700万人に達すると推定され、これは、65歳以上の5分の1に相当するため、この人たちが保有している金融資産の管理をどうしていくかが重要課題となる。
収入・支出の状況
- 平成時代の30年間を通じて、賃金も長期間にわたって伸び悩み、高齢の世帯を含む各世代の収入は、全体的に低下傾向にある。
今後の公的年金の給付水準についても、調整(減額)されることが見込まれているのに加え、税・保険料の負担は年々増加しており、今後もこの傾向は一層強まることが見込まれている。 - 支出も収入とほぼ連動して低下傾向にあり、30歳半ばから50代にかけては、1990年代前半までと比較して低下が顕著である。
- 60代以上の人の支出は、現役世代に比べて、2割から3割程度減少する傾向がある。これは、収入源が公的年金などに移行して減少するためで、高齢夫婦無職世帯の平均的な姿で見ると、毎月の赤字額は約5万円となっている。この毎月の赤字額は自分自身が保有する金融資産より補填することになる。
- 2016年の時点で、65歳から69 歳の男性の55%、女性の34%が就労しているが、これらの比率は世界でも格段に高い水準である。
- 公的年金とともに老後生活を支えてきた退職金給付額は近年減少してきており、定年退職者の退職給付額を見ると、平均で1700万円~2000万円程度となっており、ピーク時であった1997年から見ると、約3~4割程度減少している。
金融資産の保有状況
- 65 歳時点における金融資産の平均保有状況は、夫婦世帯、単身男性、単身女性のそれぞれで、2252万円、1552万円、1506万円となっている。
- 米国では75歳以上の高齢世帯の金融資産は、市況が好調だったこともあって、ここ20年ほどで3倍ほどに伸びている一方、わが国の同年代の高齢世帯の金融資産は、ほぼ横ばいで推移しており、対照的な動きとなっている。
- 老後の生活においては公的年金などの収入で足らない部分は、当然保有する金融資産から取り崩していくことになる。
上述した収入と支出の差である、不足額約5万円が毎月発生する場合には、20年で約1300万円、30年で約2000万円の取崩しが必要になる。
なお、この支出については、特別な支出(例えば老人ホームなどの介護費用や住宅リフォーム費用など)を含んでいないことに留意が必要である。
ここに書かれている、「米国では市況が好調だったことで、ここ20年で高齢者の資産総額が約3倍に伸びた」ということに焦点を当てたのか、2019年6月9日号の日経ヴェリタスの一面は「50代 まだ間に合う 老後の資産形成 海外投資がカギ」という見出しになっていて、二面には「2000万円 どうつくる」になっている。
金融環境に対する意識
- 老後生活上の資金の不安に対して、どのように対処すればよいと考えているかを尋ねた調査によれば、「現役で働く期間を延ばす」、「生活費の節約」を挙げる回答が多いが、このほかに約3割の人は「若いうちから少しずつ資産形成に取り組む」と回答している。
- 内閣府の「老後の生活設計と公的年金に関する世論調査」(2018年11月調査)によれば、「老後に向け準備したい(した)公的年金以外の資産」として「証券投資(株式や債券、投資信託など)」を挙げた者は2割以下であり、実際に投資を行っている者の割合はこれよりもさらに低い水準となっていることが予想される。
- 投資による資産形成の必要性を感じつつも、投資を行わない理由として上位を占めているのが、「まとまった資金がない」、「投資に関する知識がない」、「どのように有価証券を購入したらよいのかわからない」という回答が多い。
基本的な視点及び考え方
長寿化に伴い、資産寿命を延ばすことが必要
- 老後の生活において公的年金以外で賄わなければいけない金額がどの程度になるか、考えてみることが重要である。
私が思うに、まずは、弊サイトで掲載した「家計の防衛のために(2006年3月21日掲載)」にある資金係数表(Excel)を使っていろいろ試算することから始めた方がいいだろう。
ライフスタイル等の多様化により個々人のニーズは様々
- 終身雇用制を軸とした従来型の標準的なライフプランというものは、多くの者にとって、今後はほとんどあてはまらないと思われる。
今後は自らがどのようなライフプランを想定するのか、そのライフプランに伴う収支や資産はどの程度になるのか、個々人は自分自身の状況を見据えた上で対応を考えていく必要がある。
公的年金の受給に加えた生活水準を上げるための行動
- 公的年金制度が多くの人にとって老後の収入の柱であり続けることは間違いないが、少子高齢化により働く世代が中長期的に縮小していくことを踏まえて、年金制度の持続可能性を担保するためにマクロ経済スライドによる給付水準の調整(減額)が進められることになっている。
- 各々の状況に応じて、就労継続の模索、自らの支出の再点検・削減、そして保有する資産を活用した資産形成・運用といった「自助」の充実を行っていく必要がある。
認知・判断能力の低下は誰にでも起こりうる
- 長寿化と認知症の人の増加を踏まえると、今後は認知症の人はもはや決して例外的存在ではなく、認知・判断能力の低下は誰にでも起こりうると認識すべきであるといえる。
考えられる対応
個々人にとっての資産の形成・管理での心構え
- 現役時代においては、早い時期からの資産形成の有効性を認識し、将来に向けて少額からでも長期・積立・分散投資による資産形成を行う。
- 証券会社や銀行、保険会社などの金融機関が顧客側の利益を重視しているか見極める。
- 定年退職などリタイア期が見えてきたら、長い人生を見据えた、中長期的な資産運用の継続(長期・積立・分散投資等)と、その後の計画的な取崩しを実行する。
- 高齢期になったら、心身の衰えを見据えてマネープランを見直し、認知・判断能力の低下や喪失に備え、取引関係の簡素化など心身の衰えに応じた対応をしやすくする。
金融サービスのあり方
証券会社や銀行、保険会社などの金融機関が、顧客をサポートするにあたって重要なことは、次の二点である。
- 顧客本位の業務運営の徹底
- サービスに見合う適切な対価の説明と請求
顧客の「長寿化」「自助の充実」「多様化」「認知・判断能力の低下・喪失への備え」に対して、次のように対応していくことが考えられる。
- 資産形成・管理やコンサルティング機能の強化
- 認知・判断能力が低下・喪失した者に対する資産の運用・保全向けの商品・サービスの充実
高齢期が到来して、認知、判断能力の低下や喪失した人に対するサービスとして、業界の垣根を越えた、非金融サービスとも連携した総合的なサービスの提供が提言されている。
環境整備
資産形成・資産承継制度の充実
- 税制面で優遇されている、つみたてNISAと、iDeCoは、お互いが補完しあう関係として活用が進むことが望ましい。
- 金融庁と厚生労働省は、それぞれが連携し、今後より一層の制度の周知に努めるとともに、若年期から資産形成に取り組むことの重要性についても、広報していくべきである。
- つみたて NISA については、まずもって国民が長期のライフプランに沿った資産形成に安心して活用できるよう、時限を撤廃し、恒久的な措置とすることが強く望まれる。
- リフォーム市場の活性化や、良質な既存住宅の資産価値の適正評価を促すなど既存住宅の流通を活性化させるための施策を、より一層推進することが望まれる。
金融リテラシーの向上
- 金融リテラシー向上に向けた、より一層の取組みを工夫・強化していくべきである。
- 退職金の支給額の見通しを、できるだけ早期に本人に通知することは、社員の福利厚生の向上の面でも重要であり、各企業の積極的な取組みが望まれる。
- 確定拠出型の企業年金(DC)を導入している企業は、従業員一人ひとりの資産形成に資するような投資教育・継続教育を行うことや、従業員のリテラシーも踏まえつつ資産形成に資する運用の選択肢を用意することが求められる。
- 従業員の金融リテラシーを高め、資産形成を支えていくという点では、DC に取り組んでいない企業についても、同じく企業に期待される役割は大きい。
アドバイザーの充実
- 今後は、顧客の最善の利益を追求する立場に立って、総合的なアドバイスを提供できるファイナンシャル・アドバイザーの存在が強く求められる。
また、アドバイザーの認知度向上に努めるとともに、そのサービスの質的な向上に努めることが望まれる。
高齢顧客保護のあり方
- 高齢顧客保護のあり方については、顧客本位の業務運営を徹底しつつ、業態を問わず金融業界として横断的に見直していくことが必要と考えられる。
今後のために私たちがやるべきこと
6月13日付のダイヤモンドオンラインに掲載されたファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんの記事「残念ながら『老後資金2000万円必要』は歴然とした現実である」によれば、金融審議会の報告書「高齢社会における資産形成・管理」に対する大手メディアの報道は、大方が政府批判のものだったらしい。
彼女は、その流れにないコメントは採用されなかったと書いているのに加え、すでに多くの専門家が引用している総務省の家計調査のデータを、メディアの記者が「その中身は実に衝撃的だ」と言うことの方に驚いたと書いている。
そのような報道に踊らされ、「こんなことでいいのか~」などと飲み屋で怪気炎を上げ続けていると、学びのチャンスも投資の機会もすべて失ってしまうだろう。
iDeCo(個人型確定拠出年金)やるなら米国株型一択だ
仮に、私がこの報告書に突っ込むとしたら、メディアや政治家が官僚批判の材料に使っている「老後の2000万円不足」の問題などではない。
- 現状整理(高齢社会を取り巻く環境変化)の金融資産の保有状況の項目で、「米国では75歳以上の高齢世帯の金融資産は、市況が好調だったこともあって、ここ20年ほどで3倍ほどに伸びている一方・・・」とあるが、日本の株式市場の将来見通しをそのようにするために、政府や財界に提言できることはないのか。
困難だと思うなら、外国株に投資するiDeCo商品のラインナップを増やさないのか。
これに対する答えは、2019年6月9日号の日経ヴェリタスの一面で「50代 まだ間に合う 老後の資産形成 海外投資がカギ」という見出しに出ている。
ついでながら、私も再度口に出して言おう。「iDeCo(個人型確定拠出年金)やるなら米国株型一択だ。」
副業は人生100年時代のセーフティネットだ
自分の著書を宣伝するために、こんな見出しを付けたのではない。
この報告書でもそうだが、政府関係者が少子高齢化が不可避な自然災害のような言い方をして、政官財一丸となって多少なりとも問題解決しようという気概がないのであれば、現状整理(高齢社会を取り巻く環境変化)の収入・支出の状況で触れられている残酷な事実は、10月に予定されている消費税率の引き上げとは別に、早晩に現実化する。
- 今後の公的年金の給付水準についても、調整(減額)されることが見込まれているのに加え、税・保険料の負担は年々増加しており、今後もこの傾向は一層強まることが見込まれている。
国民の社会保障を支える保険料収入は、毎年の負担増にもかかわらず、総収入は横ばいが続いていると説明されている。(2014年7月18日 厚生労働省 第103回市町村職員を対象とするセミナー「社会保障と税の一体改革について」-国の財政事情・社会保障と税の一体改革 分割版資料2)
それは当然だろう。
厚生年金保険料を負担する現役世代(正社員)を減らした上に、低賃金の非正規雇用へ追いやってしまったのが平成時代の雇用政策なのだ。
令和時代になって、それを是正するどころか、単純外国人労働者を受け入れて、おまけに日本人の賃金を上げられるかと言い放っている財界人がいるのだから、この流れが止まることはない。(2019年6月8日 単純外国人労働者受け入れで日本人は幸せになれるのか)
私が前述したように、高齢無職世帯夫婦の平均的な赤字月額は、2012年(平成24年)の家計調査からわずか5年で2万円近く上昇したのだ。
老後資金の不足額の2000万円云々よりも、私はこちらの方がより深刻な問題だと思っている。
しかも、この報告書でさらりとしか触れられていない重大な問題は、今の高齢者世帯と、40歳未満の世帯の持ち家比率の差だ。
これを考慮したときに、将来の高齢無職世帯夫婦の平均的な赤字月額は、今の政府関係者が口を閉ざしたくなるくらいの額になるに違いない。
このような状況下で、どの程度家計の足しになるかはわからないが、私が著書「副業は人生100年時代のセーフティネットだ」の中で提唱しているのは、老後になってもできる仕事(稼げること)だ。
可愛い子には京都でアルバイトをさせよ
投資も副業も関係ない。
そもそもそんな金はないという人は、これしかないのではなかろうか。
私が2017年12月8日付で書いた「可愛い子には京都でアルバイトをさせよ」をご覧いただければ幸いである。
究極の目標は、友人の石田さんの著書で言う「越境せよ!日本で絶望するより国境のない世界で稼げ」ということだ。
終わりに
冒頭で書いたように、麻生太郎金融相が「金融審議会の報告書を正式なものとして受け取らない」と言明したことから、金融庁は今後の政策立案には同報告書を活用しないと言う。
報告書が活用されないからと言っても、現実が変わるわけでもなく、現実逃避をした麻生大臣が代替案を提示するわけでもない。
もし、来月の参議院選挙で誰に投票するか、明確に決まっていなければ、ダークネスの著者、鈴木傾城氏の「『意図的な少子高齢化の放置』をいつまでも許すな(2019年5月27日)」というコラムの趣旨に、賛成かどうかを各党の候補者に聞くべきかもしれない。
それでも、私たちができることは、この残酷な現実の中で生きていくか、どこか自分の生活に適したところを見つけるしかない。
私は日本が生まれ育った国であるし、このまま衰退していくのを見るのは忍びないが、時事系のコラムを書き始めた当初の基本に立ち返ろうかと思っている。
以下のコラムは、私が2003年9月20日の「金持ち父さんへの道(The journey to financial freedom)」で書いた冒頭の部分である。
30年後の予測より歴史に学べ
1本の歴史の流れはいずれ終わり、新しい流れが生まれる。
その過渡期にあって古い流れに固執したらダメだという絶対的な真理が歴史というものにはある。
具体的に言おう。
戦後の日本は鉄道に例えると、終身雇用本線年金暮らし行きという大動脈があった。
国民はその本線の特急に乗ろうと、みんなで大学進学を目指した。
でも美味しい果実をさらっていくのは、そのレールを引いた大正・昭和1ケタ世代、つまり高度成長時代以前に特急に乗れた乗客だけだろう。
それが歴史の真理である。
あとからノコノコ行く奴はババ引いて当然で、投資の世界は如実にそれを物語っている。
1997年11月24日の山一倒産でその本線は脱線することがあることがわかり、最近では終着駅にある年金の泉も枯れそうだとわかっていながらそれに乗り、まして満員の特急目指して立ち席覚悟で切符を買うのは馬鹿げているのだ。
新しい泉は自分で見つける。
「金持ち父さん」路線か、森永卓郎氏の言う「年収300万生活」路線かどうかは個人の考え方だろう。
でも行き先は自分で開拓するのだ。
その過程で同行の友が生まれるだろう。
少なくとも満員の終身雇用本線の列車に乗り、車掌(公務員)に毒づく人生よりマシだと思う。
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