去る9月1日、私は定年退職してヒマしているという達也さんと川崎で飲んでいた。
最初はタイ好きのメンバーを数人集めてということだったが、私が翌週からインドネシア旅行に旅立つこともあって、うまく日程の調整ができずに差しで飲むことになった。
場所は、一次会が「くいもの屋わん」、二次会が「磯丸水産」と続き、投資談義やタイの話に花が咲いて、ピッチ良くお酒を飲んでいった。
お互いに久々に会ったことから時間を忘れて飲んでいるうちに、自宅の最寄り駅まで帰れる電車(終電)に間に合うかどうか厳しい時間になっていた。
私の自宅は横浜なので、川崎から上野東京ラインの電車に乗ったところ、私が立った場所の目の前の人が慌てて下りていったために僥倖にもポッカリと空席ができた。
こういうのを悪魔の囁きと言うのか、乗り過ごしが予感されるようなタイミングだった。
こういうときは意地で立っているのが正解なのだが、寄る年波には勝てす、座ってしまったのだ。(笑)
予想通り、横浜で下りるはずが、気がついたときには戸塚まで行ってしまった私、さて、どうしようかと乗換案内アプリで検索するものの、無情にも上り電車は終わってしまっていた。
そこで、財布の中を見ると5千円札が1枚残っているだけだ。
もちろん、お金を下してタクシーで帰宅することはできるが、幸いにも翌日は土曜日で出勤する必要はない。
こういうこともあろうかと、快活クラブという駅前に多く見かけるインターネットカフェの会員証を財布に入れておいたので、iPhoneで検索すると、戸塚駅の近くにあるのは、隣の駅の大船駅前店か東戸塚駅前店のいずれかだった。
しかし、上り電車はないので、東戸塚には行けない。
もちろん、タクシーを使えば行けるか、そんなことをするなら帰宅した方がいい。
大船へ行こうと思ったときに思ったのが、こちらは根岸線の終点でもあるし、私のように電車を乗り過ごした人が多いと入れないかもしれないことだった。
酔っぱらった頭でいろいろ考えた結果、たどり着いたのが横浜市営地下鉄で行ける湘南台だった。
予想通り、ここはガラガラだったので、難なく入ることができ、部屋に入るなり私は寝込んでしまった。
滞在時間は約6時間半で、2千円弱の出費で済んだ。
リーマンショックから民主党政権時代にかけて、私が7年前にインターネットカフェに泊まったときは(2010年12月5日-ネットカフェでお泊り…again)、ネットカフェ難民というのがテレビで特集されるほど社会問題となっていたときで(2007年8月28日 厚生労働省-日雇い派遣労働者の実態に関する調査及び住居喪失不安定就労者の実態に関する調査の概要 2007年8月29日 MarkeZineニュース-厚生労働省が「ネットカフェ難民」の実態調査を発表、業界団体は「お客様を難民と呼ばないで」と声明)、主要駅近くのインターネットカフェに入ると、居住者のような感じで寝泊りしていた若者がたくさんいたのだが、久々に宿泊目的で行ってみると、当時の面影は全くなくなったように思えた。
アベノミクス(安倍内閣の経済政策)のおかげでそうした若者は少なくなったのか、あるいは単にメディアなどが問題にしなくなっただけなのか。
もし、この問題が深く潜航しただけなら、いつの日か大きなものとなって再び出現するに違いない。
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