マイレージプラス(UA Mileage Plus)のマイル購入はお得なのか

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台北・臺灣桃園國際機場(Taiwan Taoyuan International Airport)

ユナイテッド航空のEメール配信サービスに登録しているおかげで、「期間限定で最大**%引でマイルをご購入いただけます。」といったメールが時折送られてくる。

今回のキャンペーンは、明日(4月20日)までの期間限定で最大30%引きとなるが、果たしてこれはお買い得な商品なのだろうか。
結論から言うと、エコノミークラスで特典旅行ができる程度の積算マイルがある場合に、ビジネスクラスに乗るためにマイルを購入するという選択ならお買い得かもしれない。

それを詳しく検証する前に、まずは2015年度のユナイテッド航空のマイレージプラス(UA Mileage Plus)のプログラムにおける旧プログラム(2014年度以前のプログラム)との変更点を見てみたい。

最も重要な点は、2015年3月1日以降のユナイテッド航空(ユナイテッドエクスプレスを含む)のフライトに関して、従来のフライトの飛行距離ではなく、運賃に基づいて獲得できる特典マイルが決まるように変更されたことだ。

今までは東京(NRT/成田)からニューアーク(EWR/Newark)まで直行便で行った場合、100%マイル加算される予約クラスであれば、運賃に関係なく片道6,732マイル獲得できたが、新基準では、一般メンバーの人は、往復US1,200ドルの運賃のチケットだと6,000マイル(USドル建運賃×5)しか獲得できないことになる。

東京からニューヨークのチケット代金(往復)を約15万円と仮定し、現在の為替レート(1USドル=120円)で単純計算すると、今までの半分程度のマイルしか獲得できないことになり、プレミアメンバー(シルバー:USドル建運賃×7 ゴールド:USドル建運賃×8)の人や、繁忙期で運賃の高い時期でも従来より獲得マイルが減ることになりそうだ。

もっとも、ユナイテッド航空(ユナイテッドエクスプレスを含む)以外の提携航空会社(スターアライアンスメンバー)のフライトに乗った場合と、プレミア資格対象マイル(PQM)の積算については、従来通り、フライトの飛行距離と予約クラスに基づいてマイル加算が行われるとあるので、年に1回程度しか北中米方面に旅行しない私にとってはあまり影響はないかもしれない。

むしろ、私にとっては昨年のユナイテッド航空の特典航空券発券要件の改悪の方が影響が大きいのだが、昨今では日本発のLCC(Low Cost Carrier=格安航空)も多くなってきているので、そういった意味では特典航空券の魅力はなくなってきていると言えよう。

ついでながら、プライオリティ・パス(Priority Pass)で利用できたユナイテッドクラブ(United Club)が、来月(2015年5月)15日以降は利用できなくなると、「クラブとラウンジのご利用-有料会員プログラム」の項目に書かれている。(As of May 15, 2015, Priority Pass members are no longer eligible to access United Club locations.)
これも私にとってはサービスの悪化と言えようか。

しかしながら、特典航空券の魅力がなくなってきているのはエコノミークラスに限ったことであって、ビジネスクラスは未だに魅力あるチケットだ。
事実、ビジネスクラスはたとえ近距離であっても、一般旅行者にとっては比較的高価な運賃を払わなければならないものであり、フライトによってはビジネスクラスから特典枠がなくなっていく傾向があるからだ。

例えば、9月の5連休(シルバーウイーク)を挟んで、東京からバリ(DPS/デンパサール/Denpasar)まで人気のあるシンガポール航空(Singapore Airlines)のフライトで飛ぶとしよう。

9月17日(木)発、9月22日(火)現地発のスケジュールで、エコノミークラスの最安値は総額90,410円、ビジネスクラスの場合は総額311,270円と、差額は220,860円となる。

また、近い日程(復路が現地23日発)で、ワンワールドメンバーの一つであるマレーシア航空(Malaysia Airlines)は、エコノミークラスで総額76,780円、ビジネスクラスが総額170,780円と、差額が94,000円である。

マレーシア航空の場合、1年を通してビジネスジマットという正規割引航空券を出しているので、リーズナブルにビジネスクラスに乗れるようだ。

それではマイレージプラス(UA Mileage Plus)の特典旅行をするとしたらどの程度のマイルが必要か。
インタラクティブな目的地検索ができる特典チャートによれば、スターアライアンスパートナーを使った場合の、日本発南アジア行きの特典旅行に必要マイル数は、セーバー特典のエコノミークラスで片道22,500マイル、ビジネスクラスだと40,000マイルとなる。

ビジネスクラスのカテゴリーの運賃は、混合クラス(一部の区間がエコノミークラス)でも必要マイル数が変わらないのが納得できないが、差額は片道17,500マイル、往復で35,000マイルである。

この差額のマイルを購入するといくら必要か。
最大購入マイル数は15万マイルであるが、差額の35,000マイルのみ購入する場合は、割引キャンペーンのない時期だとUS1,225ドル(約147,000円)の支払いが必要である。

仮に、今回のキャンペーンの終わる明日(4月20日)までに購入すれば3割引きなのでUS857.5ドル(約103,000円)で済む。
一方で、これをユナイテッド航空のフライトマイルで稼ごうと思ったら、一般メンバーの場合はUS7,000ドル(約84万円)分のチケットを買わないといけない。

また、マイレージプラス・セゾン(年会費 1,620円、マイルアップメンバーズは年間5,400円の追加費用)のショッピングマイルで稼ごうと思ったら、マイルアップメンバーズ(1,000円につき5マイル付与)に登録した場合でも700万円分の買い物をしなければならない。

通常、マイルを使ってアップグレードをするときには、エコノミークラスのチケットを有償で買って、そこから上位クラスにするのが一般的なやり方なのだが、原則として、日本居住者は現時点でマイレージプラス(Mileage Plus)アップグレード特典を利用できず、スターアライアンスのアップグレード特典を利用して、エコノミークラスからビジネスクラスにするためには、最初に購入するエコノミークラスのチケットを、原則として提携航空会社の割引運賃以外の予約クラス(YやBなど、例えばANAはFull Flex Plus又はFlex Plus運賃、タイ航空はFlexi Plus又はFlexi運賃、シンガポール航空はFlexi運賃がこれに該当する)にする必要があるため、時期によっては前出のマレーシア航空のビジネスジマットが買えるくらいの運賃を払う必要があるだろう。

従って、ほとんど積算マイルのない人が、エコノミークラスで特典旅行するためにマイルを購入するのは馬鹿げたことだが、最初に述べたように、エコノミークラスで特典旅行ができる程度の積算マイルがある場合に、ビジネスクラスに乗るためにマイルを購入するのは理にかなったやり方ではなかろうか。

特に、新婚旅行など自分たちにとって格別なイベントのときは、こういうやり方もあることを覚えておくといいだろう。

コメント

  1. ANA より:

    マイレージ制度は完全に死んでいます。
    マイレージポイントを乱発した結果、自爆しました。
    米系航空会社を先頭に制度の改悪が進み、利用価値はほとんどありません。
    UAのマイルは、せいぜい、1マイル=1.5円の価値しかありません。
    それを、1マイル=3円で売りつけるとは、ふざけ過ぎです。
    ノースウェスト航空(デルタ)で成田⇔バンコク線を2万マイルで行けた時代が懐かしい限りです。

  2. カルロス より:

    コメントありがとうございます。
    確かに航空会社のマイルは2000年代までに比べると旨みがほとんどないですね。
    無理して溜める必要はほとんどないと思います。
    私も東南アジアには何回か片道1万マイルとかで行ったことがあります。
    もうそういう時代は来ないですね。

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