1月31日付のシンガポール紙トゥデイによると、アルコール規制法案(Liquor Control (Supply and Consumption) Bill)が議会で可決されたことにより、今年の4月1日より夜間の10時30分から翌朝の7時までのアルコール販売が原則として禁止されると報道されている。(Today Online on January 31, 2015 – Stricter alcohol laws passed, expected to take effect in April)
シンガポールは華僑の国である台湾や香港などと同様、アルコール販売に時間制限がないと思われがちだが、実のところ、私は2009年6月のバタム旅行の際、経由地のシンガポールに立ち寄ったときに、深夜のコンビニでビールの販売を断られたことが一度だけある。
このとき私はシンガポールでは酒類販売のライセンス(Liquor Licence)によって販売時間が決まっていることを知ったのだ。
もっとも、トゥデイ(Today Online)の記事によれば、リトルインディア(Little India)とゲイラン(Geylang)の一部は、厳格なアルコール制限区域(stricter alcohol restrictions)になるようなので、私が6年前に泊まったゲイラン(Geylang)地区は、元々酒類販売のライセンスも厳しかったのかもしれない。
ところで、アルコール販売が22時30分から禁止されるとなると、室内にミニバーがない中級以下のホテルだと、夕食を終えて帰ってくる時間には最寄りのコンビニで酒類を買うことが難しくなるだろう。
そこまでして飲まなくてもいいのでは、という意見もあるだろうが、シャワーを浴びた後に1杯というのは酒飲みの性、4月以降の部屋飲みはかなりの制約を受けそうだ。
それに格安ホテルの集まるリトルインディア(Little India)とゲイラン(Geylang)は、厳格なアルコール制限区域になるということは、終日アルコール販売がされないコンビニも増えそうな予感がする。
今ではトランジットで寄ることがメインになってしまったシンガポール、今後はフライトの時間や宿泊エリアも考えないとつまらないストレスの種を持つことになりそうだ。
ちなみに、産経新聞が言及している世論調査の原文はFour in five support late-night alcohol ban, survey shows(世論調査で五分の四が支持する深夜のアルコール禁止令)だが、案の定、年齢が上がるほど法案への支持が多くなるという傾向が出ている。
飲酒が元で暴れている人に眉をひそめるのは、どこの国でも同じだろうが、自宅にいることが多い高齢者ほど、そういったことが起こらないように規制を厳しくせよという意見が強いのだろう。
私は過去10回余りのシンガポール渡航歴があるが、街中で殺傷沙汰になっているところに出くわしたことは一度もない。
夜道の一人歩きができるという点では日本並みに安全なシンガポールでも、やはり裏通りに入ればそういうところがあるということだろうか。
いずれにせよ、これで私はますますシンガポールに行く機会が減るのは間違いなさそうだ。
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シンガポール「夜間の飲酒禁止」8割歓迎 外国人観光客にも適用へ (2015.2.4 産経新聞)
シンガポールは夜間の飲酒禁止など、酒類に対する規制を強化する。
現地紙トゥデイなどによると、同国議会は先月、午後10時30分から翌午前7時まで公共の場における酒類販売と飲酒を禁止する酒類規制法案を可決した。
外国人観光客や外国人労働者に対しても適用される同法案は、4月1日から発効となる予定だ。同国政府は、昨年1年間で飲酒が原因の暴動が47件、傷害事件が115件あり、うち9割が午後10時30分以降に発生したと主張。
住民の安全のために思い切った措置が必要としていた。同法案の発効後、シンガポール国内で禁止時間帯に飲酒が可能となるのは原則として自宅や宿泊施設の自室、酒類提供の許可を取得したバーやコーヒーショップ店内などに限られ、違反者には1000シンガポールドル(約8万6790円)以上の罰金または最長3カ月の禁錮刑が科されるという。
観光業への影響や、警察の取り締まりなどに対する懸念の声もあるものの、現地紙ストレーツ・タイムズによると、政府系機関が実施した電話調査では、1,145人のうち81%が同法案に賛成しており、シンガポール世論は成立を歓迎している。
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