最強通貨のスイスフラン(CHF)を生かす投資法

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ユングフラウヨッホ(Jungfraujoch)

去る15日、スイス国立銀行(スイス中銀、SNB/Swiss National Bank)が対ユーロで設定していた無制限介入ラインの上限(1CHF=1.2EUR)を撤廃する(Press release on 15 January 2015: Swiss National Bank discontinues minimum exchange rate and lowers interest rate to –0.75%)と発表したことによって、スイスフラン(CHF/Swiss Franc)が想定外の急騰を演じ、各国の為替市場は大波乱になったようだ。(2015年1月16日 ロイター:NY外為市場でスイスフラン急上昇、SNBが上限撤廃 ユーロは全面安

FX(外国為替証拠金取引)で、一方がスイスフランの通貨ペアのポジションを持つ人が少数だったのか、日本のFX業者は安泰だったようだが、欧州の業者の中には破綻するところもあり、未だに混乱の余波は続いている。(2015年1月17日 ロイター:「スイスフランショック」の余波世界に、為替業者が破綻

Toward a dream-come-true『経済的自由への扉は開かれた』」でも書いたように、私はスイスフランが世界主要国の中で最強通貨だと思っている。
かつては日本円とスイスフランが経済危機時の安全資産(safe haven)だと言われてきたが、アベノミクス(第二次安倍内閣の経済政策)によって円が安くなる傾向が強まって以来、スイスフランだけがその地位にあるような感じだ。

しかし、2014年12月18日からスイス中銀は預けている方が金利(手数料)を負担するマイナス金利政策を実施(2014年12月19日 ロイター:スイス中銀がマイナス金利導入、フラン上限守る構え)していて、今回はその利幅を拡大する(-0.25%から-0.75%)ことになるので、スイスフランを投資に生かす方法は、FX(外国為替証拠金取引)を除けば限りなく少ない。

そのFXの場合、一方をスイスフラン(CHF)とする通貨ペアは、ロングにしろショートにしろ、日々のスワップがマイナスになるので、ボラティリティ(volatility=為替相場の変動幅、値動きの激しさ)の高いペアでないと旨みがないが、その反面でリスクも大きく、私のようなFX初級者には向かないだろう。

ちなみに、一部の金融機関ではスイスフラン預金もあるが、金利はほとんど付かないし、為替差益を狙うにしても手数料負担をカバーできない可能性があるのでお勧めできない。

そこで、私が思ったのは、前述のコラム(Toward a dream-come-true『経済的自由への扉は開かれた』)で触れたように、海外FX業者の一つであるXM (トレーディング・ポイント)に口座を開き、基本通貨をスイスフラン(CHF)にすることによって、スワップ派のFX投資家は日々のスワップ収入以外にもスイスフランの上昇によって利益を得ることができる。

要するに日々のスワップポイントをスイスフランで受け取っているからだ。
もっとも、この業者の拠点がキプロス(Cyprus)にあることはリスクの一つとして挙げておかなければならないだろう。

事実、私は2013年3月のキプロスショックによって本格投資を避けた(2013年3月18日-キプロスショックでトレーディング・ポイントのFX口座は大丈夫か)のだが、デモ口座を使ったシミュレーションだけは行ったことがある。(2012年6月9日-スワップ狙いのFXデモトレードの成果

キプロスショックがなければ、HSBC香港からの国外送金登録(Overseas Transfers)も済ませてあったので、そのままスワップ狙いでFXのトレードをしていたかもしれないが、今更終わったことを蒸し返しても仕方がない。
ちなみに、自分の口座はデモ口座も含めて、ここ2年ほど使っていないので、久々にログインしようとしたらできなかった。
もしかして、口座が凍結、あるいは閉鎖されたのだろうか。(笑)

最後になるが、租税回避地(tax haven)として有名だったキプロスは、今や、税務行政執行共助条約(租税に関する相互行政支援に関する条約/Convention on Mutual Administrative Assistance in Tax Matters)にも署名済であり、いずれは日本の税務当局にも自動的に情報が提供されるようになるため、良からぬ意図を持ってキプロスのFX口座を開設しない方がいいだろう。(2014年10月29日-OECD:税回避を防ぐ国際協調を加速させるため重要な新たなステップ-2017年に税に関する自動的情報交換を開始することで各国政府がコミット

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