今回のタイ・ミャンマー旅行で頭を悩ましたものの一つにミャンマーにおけるプリペイドSIMの入手があった。
台北や香港、バンコクのように、プリペイドSIMが空港や街中で気軽に入手できるところと違って、インターネット情報を見る限り、ヤンゴンの場合はそれほど簡単に入手できるような気がしなかったし、ミャンマーの国内旅行の手配をお願いしたMyanmar Golden Garden Travels & Toursのスタッフにメールで問い合わせてもプリペイドSIMが安価に入手できるような感じではなかった。
一方で、最近ヤンゴンに行ったジョニーさんは、2013年5月25日付の「ミャンマー旅行・視察のための予備知識」の中で、「タイのSIMはローミングしない。ミャンマーの携帯SIMはUS$20くらいする。総じてインターネット環境は悪い。ヤンゴンですら相当に悪いが、地方はもっと悲惨らしい。」と書いていた。
彼の言うSIMが空港で入手できるならいいが、街中を探しまわるようだと面倒だなと思いつつ私はヤンゴンに向けて出発した。
もっとも、ホテル内のWi-Fiだけを使ってインターネットをやるだけならSIMを入手する必要はないのだが、今回の訪問地の一つであるガパリ(Ngapali)のホテルはそういった環境にはなかったのだ。
また、ヤンゴンで日本語対応ドライバーのタクシーをチャーターするため、フェイスブックでメッセージ交換していたという事情もあった。
台北からバンコク経由でヤンゴン国際空港(Yangon International Airport)に到着した私は、手持ちの米ドルを200ドル分(1ドル=980チャット)両替した。
その近くには携帯電話会社(Yatanarpon Mobile Rental Services)のブースがあり、そこでSIMが入手できそうな感じだった。
しかし、iPhone 4で使うための3G SIMのレンタル(ミャンマーでは出国時に返却する)料金が5日間で何とUS$60(約6,300円)もする。
詳しい料金は、Myanmar Golden Garden Travels & Toursのスタッフブログ、2013年5月7日付の「ミャンマーのレンタル携帯」にある通りなのだが、もちろん、支払った料金すべてがデータ通信や通話に使えるわけではなく、私の実感ではUS$10相当分くらいが利用可能な部分ではないかと感じた。
ただ、このあたりの説明は全くなかったし、聞きそびれてしまったのは失敗だったと思う。
また、ここで私の冒した最大の失敗は、US$60も払えば、私の滞在日数分(5日)程度なら楽々カバーできると思ったことだ。
実際には、SIMを入れた初日に調子に乗ってヤンゴンの街中から撮った写真をフェイスブックにアップしていたら、その日の夜には残高がなくなるとの警告メッセージが送られてきて、翌日には携帯ショップでリチャージ(10,000チャット=約US$10)しないといけないハメになったからだ。
そう、ミャンマーではデータ定額制などという先進的なシステムなどないのだ。
ちなみに、スーレーパゴダ通り(Sule Pagoda Road)にある携帯ショップでは、もっと安価にSIMが入手できそうな感じもしたが、そちらの方はどなたか試してもらえると嬉しい。
それにしても、これほど早く残高がなくなるとは思っていなかった。
これならデータ通信をホテルのWi-Fiだけに限定し、外出先では単に通話するだけにすれば、日本や香港の携帯会社の国際ローミングを使えば十分に思えた。
これらのキャリアでも、ミャンマーではMM 900 (MPT/Myanmar Post Telecommunication)の表示がされたので、通話だけなら何の問題もないだろう。
もっともメールの送受信などデータ通信ができないとあるので、ビジネスユーザーには厳しいだろうが、私のような観光客は多少不便なだけだ。
通話料が高いといっても長話をしなければSIMのレンタル代を払うようより安いだろう。
ところで、地方の通信環境だが、少なくともビーチリゾートのガパリ(Ngapali)はお話にならなかった。
ヤンゴンは少なくとも画像の送受信が可能なほどであったが、ガパリ(Ngapali)はテキストメール以外の送受信は実質的に不可、少しでも画像が入ろうものなら、全くダウンロードできない状態だった。
おそらく、マンダレー(Mandalay)は都市部なのでそれほど酷くはないだろうが、バガン(Bagan)やインレー湖(Inle Lake)などの地方の観光地ではガパリ(Ngapali)と大差ないだろう。
要は通話と、せいぜいSMSが限界といったところか。
近年になって経済成長著しいミャンマーだが、今のところ、通信のインフラに関しては、ほかの東南アジア諸国には遠く及ばないだろう。
ビジネス出張で行くのでなければ、インターネットの世界からしばらく離れて旅を楽しめということなのだ。
ちなみに、こういうときの通話専用で半年前に仕入れたHello SIMなのだが、残念ながらミャンマーはカバーエリアではなかった。
いつになったら役に立つのだろうか。(爆)
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