昨年の12月、私はTDAmeritradeの口座にあったキャッシュを新規の投資に振り向けようと銘柄探しをしていた。
Stock Screenerの項目に入れたのは、S&P STARSが4つ以上(最高が5)、ROE(Return on Equity=株主資本利益率)が10%から20%、株価がUS$20からUS$30の間にあるもの、たったこれだけである。
これで投資銘柄を決めようというのは無謀という感じがしないでもなかったが、とりあえず星の数もある米国上場株式の中から絞り込むには程よい数になった。
しかし、リストに表示された会社は、私にとっては知らないものばかりで、いっそのこと現有銘柄(特に2008年11月28日の買値US$5.019から10倍となったLas Vegas Sands (LVS)、それでも2007年10月29日の最高値US$148.76の約3分の1)の追加投資の方がいいかとも思い始めた矢先に、フト閃いたのが医療関連株のCigna-HealthSpring (CI)(だった。
言うまでもなく、米国の医療保険制度はマイケル・ムーア(Michael Moore)の映画「シッコ(SiCKO)」で描かれているように、先進国とは思えないほど劣悪なものだ。私自身、つい先日の旅行中、ニューヨークで具合が悪くなったときは、これを思い出して這ってでも日本に帰ろうと決意した程だ。
その劣悪な制度を改善するために2010年3月23日にオバマ政権下で成立した医療保険制度改革法(Patient Protection and Affordable Care Act)は、なぜか世論に歓迎されていない。
日本人の私にはその理由がほとんど理解できないが、昨年の11月の中間選挙を前に、オバマ政権の旗色が決定的に悪くなった夏頃からこの会社の株価は右肩上がりである。
そして、中間選挙の結果、下院で民主党が過半数を失なったため、当分の間、この流れは続くだろう。
私がこの銘柄に投資をしたのは帰国後だったが、マイケル・ムーアの映画のシーンを思うと、米国の医療関連株に投資をするというのはある意味複雑な気分である。
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