バンコク在住邦人の惨すぎた有名税

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外国人ビジネスマン

過日、久しぶりにかじさんと飲んだとき、バンコクで気ままな生活を楽しんでいたyasuda(本名:棚橋貴秀)さんが1年前に殺されていたというショッキングな話を聞かされた。

どうやら、この話はバンコク在住の日本人の間では有名な話らしく、タイちゃんねる BBSで「日本人男性殺人事件」のスレッドを検索するとかなりの投稿が見られる。

このyasuda氏と私はわずかに2006年のミャンマー旅行の帰途、バンコクでかじさんや阿部さんたちを交えてミニオフをやったときに会っただけの人だが、彼はその時点で在タイ7年、観光ビザの更新(現在ではビザ規定が改定され、こうした滞在は制限されている)を繰り返して、バンコクでは株やFXのトレードの利益で生活していると言っていた。

流暢なタイ語を駆使してタイ人のガールフレンドと気ままな生活をおくっていた彼を羨ましいと思ったりもした。
そんな彼がペンネーム「安田誠」で「外こもりのススメ―海外のほほん生活」を出版したのは2008年7月のこと、つまりその1ヶ月後には殺されてしまったわけである。

彼のブログは今では見ることができない(Internet Archive Wayback Machineで過去ログが一部参照可)が、「タイのバンコクで為替FX(長期でスワップ狙い) http://blog.goo.ne.jp/yasuda5000/」というものだった。
つまり投資に興味のない人はあまりアクセスしないだろうと思われる表題なのだが、アナログメディアに掲載されてしまうと読者が広がる代わりにリスクも広がる。

要は、海外邦人在住者=成功者とは限らないわけで、特にバンコクでは俗に言う「負け組」でも居心地がいいので、長期滞在傾向が顕著だという。
決して贅沢な生活をしていたとは思えない彼が本の出版によって「負け組」と思われる同胞の妬みを買ったのは想像に難くない。
その結果、惨い殺され方をしたというならば、これはあまりに高い有名税だったと言えよう。

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不正アクセス容疑で再逮捕 タイ邦人殺害事件関連 (2009.7.14 産経新聞)

タイで殺害された岐阜県出身の棚橋貴秀さん=当時(33)=のインターネット銀行口座に不正にアクセスし、現金を別の口座に移し替えてだまし取ったとして、岐阜県警は14日、不正アクセス禁止法違反などの疑いで住所不定、無職浦上剛志被告(30)=窃盗罪で起訴=を再逮捕した。

県警によると、大筋で容疑を認めている。
逮捕容疑は昨年8月、輸入卸業森宏年被告(31)=窃盗罪などで懲役3年、控訴=と共謀。棚橋さんのネット銀行の口座にアクセスし、用意した別の口座に現金約780万円を移し替えてだまし取った疑い。

県警によると、浦上容疑者は取り調べに対し棚橋さん殺害への関与を認めており、今後、棚橋さんの口座情報を入手した経緯や、殺人容疑についても調べる。

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バンコクで邦人男性行方不明 (2008.8.11 産経新聞)

【バンコク=菅沢崇】タイのバンコクに滞在していた岐阜県出身の無職、棚橋貴秀さん(33)がアパートを荒らされ、今月5日から行方不明になっていることが11日、分かった。
地元警察は棚橋さんが事件に巻き込まれた可能性が高いとみている。

調べでは、棚橋さんの部屋に手袋を着用した不審なアジア系の男が侵入する様子をアパートの防犯カメラが記録しており、部屋にあったパソコンなどがなくなっていた。
棚橋さんは、インターネットの株取引などで生活していたとみられる長期滞在者で、海外生活情報などをインターネットのブログで紹介、最後の情報は5日付けだった。
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