原油高はどこまで続くのか

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成田国際空港

私が2年前に「サマーバカンスに立ちはだかる燃油サーチャージ」という表題を付けてコラムを書いたとき、9月の欧州方面行きのチケットが総額で20万円を超えたということを驚きをもって書いた記憶があるが、もはやキャリア(航空会社)によっては30万円近くになることを覚悟する時代に突入したようだ。

今や当たり前のように上乗せされる燃油サーチャージ(fuel surcharge)だが、この特別上乗せ運賃が導入されたのは2005年のこと、当時は微々たる金額であまり意識するほどでもなかったのが、2006年になってからクローズアップされるようになり、2007年のときはマイレージによる無料チケットでも別建てで請求されるようになった。

その原油価格、昨年の世界株高の当時は100ドル時代が来るのかと言われていたものが、今年に入って年初でいきなりニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX=New York Mercantile Exchange)の原油先物価格が大台を突破、その後膠着状態が続くも3月以降は右肩上がりで上昇を続け、今や200ドル時代が来るのかと、言われる時代になってしまった。

日本旅行業協会(JATA)によれば、燃油サーチャージ額の改訂基準となる燃油価格は、改定時点での直近3ヶ月間のシンガポールケロシン市況価格(Singapore Kerosene-Type Jet Fuel Spot Price: 1バレル当たりの金額(米ドル)に換算するには、表示額×0.42)の平均を用いるとのこと。

ここ3ヶ月間の燃油価格の上昇幅はクレージーとも言えるものだっただけに、燃油サーチャージも驚愕の上昇となったわけだ。
ところで、上がったものは下がる、下がったものは上がるというのが相場の常だが、この原油価格に関しては下がるといっても再度3桁割れがあるのだろうか、と懐疑的にならざるを得ない。

たとえ下がっても110ドル~120ドルの水準から反騰するような気配は十分である。
まして、シンガポールケロシン市況価格が3ヶ月間平均して1バレル当たり45米ドル(1ガロン当たり107.14セント=2004年夏以前の水準)を下回った場合には、燃油サーチャージは廃止になるというが、そんなことはあり得ないレベルにまで達してしまった感がある。

果たして、原油価格の上昇はこのまま世界経済を、また文明社会を破壊するレベルにまで突き進むのだろうか。
それとも人間の英知がそれらを克服するのであろうか。

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コメント

  1. けんじい より:

    燃油サーチャージの根拠初めて知りました。
    ありがとうございます。
    NY原油も調整はあってもおかしくないですが、
    政治的な介入がないとそれも小幅に留まりそうですね。

  2. カルロス より:

    けんじいさん、こんばんは
    こんな情報でお役に立ててよかったです。
    今後ともよろしくお願いします。
    でも燃油サーチャージ、高いっすね(怒)

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