ハンセン指数(Hang Seng Index/^HSI)は前日比1,383.01ポイントと大幅に下落、23,818.86ポイントとなり、昨年10月30日の最高値31,958.41ポイントから25%以上下落した。
ここまでくると、昨年秋の暴騰相場の発火点となった8月17日の水準である20,000ポイント割れまで視野に入ってきたようだ。
もし、この水準近辺で反騰すれば見事なダブルボトムとなり、またもや昨年の再来となる可能性も大いにある。ところが、
この水準を割り込み、あるいは反騰気分がすぐに萎えるようなら半値まで落ちる危険性もある。
さて、どちらになるか私も大いに気になるところだが、ここ半年の香港株ワラントの投資経験から面白い法則があることを発見した。(香港株ワラントの投資については2007年5月13日、6月5日の「今日の一言」で詳しく書いてあるのでそれを見て欲しい。)
わずか数銘柄を取引しただけで、法則というのもおこがましい限りだが、何となく先行きを示唆する指標となるのではないかと思ったのだ。
名付けて「香港市場のカナリア」だ。
ここで、10月18日の「ブラックマンデーから20年」のコラムから香港株ワラントの部分を再掲しよう。
「私が持っている香港株コールワラントの伸びが今までよりも相当に鈍くなっている。
原資産銘柄(underlying)の株価はそれなりに上げているにもかかわらず、コールワラントの伸びは鈍く、逆にマイナスになる日もあるくらいで、このあたりは喜び勇んでコラムを書いた半月前とは様相がまるで違ってきている。
私がたまに買って失敗しているプットワラントの伸びが悪いときは、相場が下げた日が絶好の買い場となっていることが多く、その例から言うと、売りシグナルがチカチカと点滅しているような気がしないでもない。
たまたま私の持っているワラントがそうであるだけかもしれないが、過熱感のある香港市場だけに注意が必要だろう。」
そう、今思えばハンセン指数構成銘柄の天井を示唆する出来事がこれだったのだ。
ところで、今はどうか。
私は現在、中国人寿保険(2628.HK)を原資産銘柄(underlying)とするプットワラントを持っているが、原資産の下落には素直に反応し、ワラント価格が上昇するが、原資産が上昇してもワラント価格は思ったほど下落しない傾向が続いている。
これは、私がワラント投資を始めた昨年夏(当時は下落局面でもブル相場の中の一時的調整であった)とは全く正反対の様相を呈している。
これは未だ先安感が強い現われと判断できようか。
つまり、プットワラントの伸びが鈍らない限り、株価の底入れには程遠いと私は判断したい。
つまり、ハンセン指数構成銘柄の中の主要銘柄を原資産(underlying)とするコールワラントが、原資産価格(underlying price)の上昇に素直に反応して伸びているときはブル相場継続、下落に反応してプットワラントが伸びているときはベア相場継続、それらの伸びが鈍ってきたときが反転の兆し。
かなり乱暴だが、私はこういう判断をしてみたいと思う。
いかがだろうか。
もし、自分のカナリアを飼いたければ、最低投資金額で香港株ワラントをやってみるといいだろう。
銘柄にもよるが、たいてい数千香港ドル単位(約15,000円の倍数)でできるはずだ。
この際、気をつけることはあまり満期日が差し迫っている(3ヶ月以内)のものを選ばないこと。
それを選ぶと時間的価値の減少でワラント価格が下がるので全く意味がないからだ。
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