スタグフレーションの足音が聞こえる

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落ち込む男性

原油高、原材料(素材)費高、円安のトリプルパンチに、小泉政権が決めた2年連続の実質増税、さらに安倍首相が仄めかす参議院選挙後の消費税率アップときているのにもかかわらず、日本のメディアは庶民のパニックを恐れているのか、安倍政権におもねっているのか、日本経済のおかれている状況をまともに報道しているとはとても思えない。

それにも増して、私は特に原油高が国民生活に与える影響(2006年7月30日「原油高で家計直撃!?」2005年12月23日「第三次石油ショックを防ぐためか?」)については、首相が先頭に立って対処すべき問題だと思っているが、これについてもそう考えているようには見えない。

おそらく、今のままいけば、近いうちに日本にとって最悪のシチュエーションであるスタグフレーション(stagflation=不況下のインフレ)に突入するだろう。
その兆候は、ここ数日の経済記事を見てもわかる。

企業間取引のみならず一般消費者向けの製品にも価格転嫁が行なわれ始めているからだ。
これまではデフレ経済下で消費者物価への転嫁を手控えてきた企業側が、今後はそうは言っていられないとばかりに堰を切ったように転嫁を始めたのが背景にあろうが、財界の主流が一つの流れを作ると一気呵成に追随する日本企業の悪弊が出始めているような気がしてならない。

私が「統計で作られた景気回復という虚構が崩壊するのにそれほど時間はかからない(2006年10月8日「景気拡大局面が続くって本当か?」)」と言ったことはもはや現実化しつつある。

政府とメディアがタッグを組んだ「いざなぎ超え」の提灯報道が春以降はプッツリと見られなくなっているのがその証左だ。
彼らは今、無理に日本株の先高感を演出したいように見えるが、世界同時株高と言える急騰相場(skyrocket)を前にはかすんで見える。

しかも私が思うに証券業界が期待した富裕層の団塊マネーの多くは海外市場へ向かったのだろう。
それがさらなる円安を呼び、場合によっては二度と日本へ還流しない資金となっているに違いない。
結果的に残されるのは負担増に耐え切れなくなった一般庶民の悲鳴だけなのだ。

コメント

  1. kubokawa より:

    もう政権交代しかありませんね。
    参議院選挙で政権交代はないのかもしれないけど。

  2. カルロス より:

    kubokawaさん、こんばんは
    >政権交代しかありませんね。
    政権交代というより、いっそのこと元大統領のフジモリ式、あるいはシンガポールのような良心的独裁者による一種の革命しかないような気も
    3年とか期間を区切って・・・
    民主主義っていうのが日本には合わないんでは、と思い始めました。

  3. kubokawa より:

    私のブログにコメントありがとうございました。
    >良心的独裁者による革命、ですか?
    そうなりそうな方、おられるんですかね?
    今度参議院議員に立候補されるフジモリ元大統領か??

  4. カルロス より:

    こんばんは
    >そうなりそうな方、おられるんですかね?
    いませんね(笑)
    たとえいても日本人はそういう人は嫌われるんですよね。
    南米は強い指導者が好まれるので、フジモリ氏も一時は熱狂的な支持がありました。
    ただアメリカは反民主的と攻撃しましたね。
    日本はそういった点でもアウトです。米帝の攻撃にひとたまりもない。

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