アパ偽装問題は第二のリクルート事件にはならぬか?

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苦悩する女性

耐震強度偽装事件の関連で藤田東吾社長に一審判決が下った翌日の10月19日にアップされた「きっこのブログ-藤田社長からのメッセージ」を読んでいて、ふと思ったことがある。

まずは「イーホームズの藤田社長が、命懸けの告発をプレスリリースしたってのに、当日中にこのことを報道したのは、「東京新聞」だけだった。」という一節だ。

私はこういうときは原文にリンクが貼ってなかった場合、必ず事実を確認するために検索をかける。
もし、検索にかからなければ紙媒体だけにしか記事を掲載していないという推定をするわけだ。

このときは幸いなことにウェブサイト上にも「アパ3物件も偽装(PDF)」の記事があった。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20061018/eve_____sya_____006.shtml
あったというのは、わずか3日後にはリンク切れになっていて、サイト内検索をかけても記事がなくなっていたのだ。

私が19日に見つけたときもトップページからの社会のカテゴリーの一覧にはなく、それこそ検索をかけないと見つからないレベルのものだった。
おそらく、この記事は普通にメディアのウェブサイトを巡回していただけだったら発見することすらなかっただろう。

今では談合記者クラブとは関係ない「JanJan」に「耐震強度偽装問題、第二幕へ~藤田被告「隠ぺいのための逮捕だった」との記事が見受けられるくらいだ。

つまり、これらのことから言えることは、東京新聞が日本メディア村の掟破りをしたことが、それほど(御用メディアやバックにいる権力側にとって)不都合だったということだ。
きっこ氏ならずとも私はこの国が情報鎖国の闇の中へどんどんと入っていくような恐ろしい気がした。

そして、日記を読み進めるうちにもう一つ気になることがあった。
今度はきっこ氏が藤田東吾氏のメールを転載している部分だ。

(藤田氏曰く)耐震偽装を担当していた(朝日新聞の)斎賀さんというデスクの方が応対してくれ、僕の趣旨を理解してくれ、担当記者をつけてくれました。

12月13日に大臣認定プログラムが改ざん可能であるとの記事を書いてくれたのはこの方達です。他の報道関係者に較べて、最も、技術的学識的観点から確認検査制度や構造設計を勉強して記事を書いていました。

僕らは、年が明けて2月に入りアパを糾弾し始めました。斎賀さんが亡くなったのはこの時期です。そして、担当だった記者の方は担当から外されました。因果関係は僕には分かりません。そうした事実が符合しているだけです。

私は即座に殺されたと思った。

小泉政権から脈々と続く闇のキーマンが次々と自殺(を偽装されて)しており、その死亡が大きく報道されているだけでもライブドア関連でエイチ・エス証券の野口副社長が、耐震偽装関連で森田設計士が、それぞれ犠牲となっているし、ライブドア投資組合の大西社長は行方不明となっている。

そして、今度は朝日新聞社会部次長の斎賀孝治氏だ。
もし、kojitaken氏の日記にあるように彼が変死だったとしたら、その真相を調べようと思った新聞記者、少なくとも朝日新聞にはいないのだろうか。

それとも本当は誰かに殺されたことがわかっていて、もう関わりたくないということなのだろうか。
少なくとも彼が耐震偽装事件を担当していたことは社内ではわかっているはずだ。(2005年12月3日-ニュースでジャンケンポン-地震に弱いビル、次々に見つかる

そして、藤田氏曰く、斎賀氏には担当の記者が付いていたのだ。
彼はなぜ沈黙しているのだろうか。
もしかして、今回の藤田東吾氏の告発を無視したマスコミの姿勢のウラには斎賀孝治氏の死因があるのだろうか。
真相を探るヤツは消すと・・・

ところで、今回の藤田東吾氏が告発したアパ偽装問題について、日本共産党川崎市議団は立ち上がらないのだろうか。
なぜ、共産党かというと私の支持政党だからではない。
自民党の腐敗追及に一番熱心なのが今も昔も共産党だからだ。

私は国政、地方ともに共産党が最低25%程度は議席を占めて行政を監視すべきと思っているのだ。
思えば、バブル期の政界を揺るがしたリクルート事件は1988年6月18日、川崎市の小松秀煕助役(当時)が市の再開発計画に絡んでリクルートコスモス社の未公開株を受け取っていたことを朝日新聞横浜支局がスクープしたことが発端なのだ。

そういったスクープをするメディアもなくなった今、我々が情報提供をして共産党を動かさないとダメだろう。
いくら与党が圧力をかけても市議会の議事録や広報紙「議会かわさき」から共産党の議会質問を削除するわけにはいかないし、新聞の地方版にすら一行も記事が掲載されなければそれこそ大疑獄事件の匂いありとして共産党本部が動いてくれることも期待できる。

もはや我々に残された政治浄化の道はこんなことしかないのだろうか。
残念ながら、多くのブロガーがやっているように藤田東吾氏の告発をインターネット上で転載するだけでは小泉シンパだった有権者の政治意識を変えさせるといった意味ではほとんど効果はないと私は思う。

それは昨年の郵政選挙で小泉応援団にすべくターゲットとされた高齢者、主婦層(竹中プロパガンダ(propaganda)で言うB層)は、パソコンを使って時事問題を議論する層にはほど遠いように感じるからだ。

だからこそ、ホリエモンはフジテレビを買収しようとしたのだし、小泉内閣の選挙対策本部(選対)はテレビ効果を第一に戦略を練ったのだから。
最後に、今年の8月、経済ジャーナリストの有森隆+グループKが、「闇の系譜 – ヤクザ資本主義の主役たち」を出版した。

内容は、「”ワル”の烙印を押された経済人やベンチャー企業家たちは、いかにマネーゲームに狂奔し儲けて、いかに闇の勢力―事件師たちに生き血を吸い取られていったのか。堀江貴文、村上世彰から三木谷浩史、宮内義彦・・・複雑な人間関係を解き明かし、現代日本経済の舞台裏を渾身の徹底レポート」といったものだ。

日本を代表するメディアが小泉・安倍政権の闇に蓋をしようと情報操作を行なう中、我々はこういったところからしか真相を知ることはできないのだろうか。

コメント

  1. kubokawa より:

    もし、おっしゃるとおりだとすれば、言論の自由は一応あるけど、事実上制限されている、ということになりますね。
    しかも、あるところに触れたら極刑。
    うわー、怖い!

  2. カルロス より:

    こんばんは
    この朝日新聞デスクの話を「きっこのブログ」で見たときは、思わずロシアのジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤが殺されたニュースを思い出しました。
    日本でも疑惑の渦中にある会社幹部や、秘密を知る官僚などが変死を遂げることがあると言いますので、なんかイヤ~な世の中になりつつありますね。

  3. http://yahhoo.cocolog-tcom.com/goodwill/2006/10/post_1599.html

    さて、続きです。 ■感想を述べるだけの報道ならプロバガンダだ 一連の耐震偽装問題

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