新聞人さんたち、何か勘違いしてないか?

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外国人ビジネスマン

日本新聞協会公正取引委員会に対し、独占禁止法第2条第9項に基づいて新聞の全国同一価格での販売などを定めた「特殊指定」(平成11年7月21日公正取引委員会告示第九号)を続けてくれと言っているらしい。

彼らの言い分だと、報道の自由は、同一紙同一価格で戸別配達により提供されることによって実現される、とのことだが、読んでいてバカバカしいと思うのは私だけではあるまい。

これだと世界中で報道の自由が保障されているのは日本だけであると言っているのに等しい。
それに戸別配達制度が崩壊すると、多様な新聞を読者が選択できなくなる、とまで言われては呆れてモノを言う気にもならない。

新聞の果たす役割はますます大きくなっているが、公の側からそれを果たしにくくする動きが出てきている、とも言うが、排他的な記者クラブに安住し、政府や企業の記者会見を単なるご意見拝聴会にしているのは自分たちであるという自覚もないようだ。

国民の「知る権利」に寄与しているなど、おこがましいにも程がある。
日本のメディアは、憲法で言論の自由があるのにもかかわらず、それを放棄し、政府や企業の広報紙に成り下がっていることは良識ある国民なら誰しも知っている。

国民には過酷な競争を耐え抜くべし、と言いながら自分たちはガチガチの新規参入規制と護送船団方式の経営に安住する権利があるなどと良く言ったものだ。

「特殊指定の改廃は、結果として一部読者の切り捨てにもつながる」といかにも過疎地の弱者に配慮したかのような言い方をしているが、政府の東京一極集中の政策を批判しないことからも、そんなことは全く考えていないことは火を見るよりも明らかだ。

一時期、ホリエモンがその規制業界に参入しようとしたとき、喝采を浴びたのはなぜか考えてみるといい。
確かにホリエモンは今や経済事犯として裁かれようとしているが、もっと悪い奴をのさばらしている原因の一つは、まともな報道をしない新聞人や広告業界、テレビ業界などメディアの人間にも大いにあるのだ。

お前ら恥を知れ!と言いたい。

新聞の「特殊指定」堅持を・・・新聞協会が特別決議 (2006.3.15 読売新聞)

日本新聞協会は15日、第83回会員総会を開き、独占禁止法に基づいて新聞の全国同一価格での販売などを定めた「特殊指定」について、公正取引委員会が撤廃を含めた見直しを検討している問題で、「公取委に対し、特殊指定の堅持を強く求める」とした特別決議を全会一致で採択した。

特別決議は、新聞の使命を「憲法21条で保障された報道の自由を担い、国民の知る権利に寄与するもの」と強調し、「公正な競争を通じ、同一紙同一価格で戸別配達により提供されることによって実現される」と指摘した。

そのうえで、特殊指定の撤廃は「戸別配達網を崩壊に向かわせ、多様な新聞を選択できるという読者・国民の機会均等を失わせる」と訴えている。

会員総会後、記者会見した北村正任会長(毎日新聞社長)は「新聞の果たす役割はますます大きくなっているが、公の側からそれを果たしにくくする動きが出てきている」と公取委の姿勢を批判した。

同席した秋山耿太郎再販対策特別委員長(朝日新聞社長)も「特殊指定の廃止は(独禁法が定める新聞の)再販売価格維持(再販)制度を骨抜きにする」と指摘した。

また、新聞販売店の全国的組織である日本新聞販売協会(中畦光行会長)も同日、「多くの読者が戸別配達制度の継続を望んでいる。特殊指定の改廃は、結果として一部読者の切り捨てにもつながる」との会長談話を発表した。

◆決議全文◆

日本新聞協会は第83回会員総会にあたり、公正取引委員会に対し、新聞特殊指定の堅持を強く求める。
新聞は、憲法21条によって保障された報道の自由を担い、国民の「知る権利」に寄与するものである。

こうした使命は、自由で多様な新聞がつくられるだけでなく、公正な競争を通じ、住む場所を問わず、また災害など困難な状況下でも、同一紙同一価格で戸別配達により提供されることによって実現される。

新聞販売店による定価割引の禁止を定めた特殊指定は再販制度と一体であり、その見直しは再販制度を骨抜きにする。
販売店の価格競争は配達区域を混乱させ、戸別配達網を崩壊に向かわせる。その結果、多様な新聞を選択できるという読者・国民の機会均等を失わせることにつながる。

昨年7月施行の文字・活字文化振興法は、すべての国民が等しく文字・活字文化の恵沢を享受できる環境の整備を国に義務付けている。
公正取引委員会による特殊指定の見直しは、こうした時代の要請にも逆行している。
われわれ新聞人は、公正な競争に一層力を入れ、特殊指定の維持に向け活動を強化していく。

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