ニッポンは好感度世界一?

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2006年トリノ五輪金メダリスト-荒川静香

トリノで行なわれている冬期オリンピックの女子フィギュアスケートで金メダルを取った荒川静香選手が現地のメディアで絶賛されているようだ。

私はエキシビションしか見てないのだが、それだけでも十分に良かった。
おそらく観客の多くも東洋から来た舞姫が美しく華やかに踊る姿に拍手したことであろう。

こうして日本のスポーツ選手が世界で称賛されることはたびたびあるようだが、今月はほとんど報じられることのなかった「いいニュース」がもう一本ある。
それは、国際世論調査機関グローブスキャン(GlobeScan)が、BBCの依頼を受け、米メリーランド大(University of Maryland)と昨年10月から今年1月にかけ、世界33ヶ国、約4万人を対象に実施された世論調査(poll)によると、日本は33ヶ国の中で最も好感度(positive influence)が高かったと報じられたことだ。

当のBBCはインドのことと、イランのことを大々的に報じているために、日本のことは単純に”Japan is most widely seen to have a positive influence.”としか報じていないが、世論調査を行なったグローブスキャン(GlobeScan)が、BBC Poll: Attitudes towards Countriesという記事と、産経新聞が社説で詳しく報じている。

単純に言えば、世界に好影響を与えていると一番に評価された国は日本であり、日本が中韓両国の言う「アジア人民の感情を傷つけている」というのは一面でしかなく、インドネシアやフィリピンではむしろ好意的に見ている人の方が多いという結果が出たということだ。

もっとも、これは外面しか見てない調査のため一概に言うことはできないが、日本が世界から好意的に見られているということには自信を持った方がいいだろう。

そう、日韓ワールドカップのときにも「日本のホスピタリティ(hospitality)は素晴らしい」と言って帰っていった外国人も多かったのだ。(超民族性こそ身上-日本的カッコよさ

外国と変な付き合い方しかできないエスタブリッシュメントは一度くらい長期の休暇を取り、あるいはその職を離れ、自分の足で外国を歩いて日本を外から見つめ直して見るべきなのだ。
そうすれば今までわからなかったこともわかるようになるだろう。

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産経抄 (2006.2.6)

小泉純一郎首相が靖国神社参拝をやめないかぎり日本は世界で孤立する、と誰かが言っていた。ばかげたことを…と思ってはいたが、米国の大学などがBBC(英放送協会)の依頼で行った33ヶ国4万人に対する世論調査によると、世界に好影響を与えていると一番に評価された国は日本だった。

先週末に発表されたこの調査では、31の国で日本の影響力について肯定的評価が否定的評価を上回り、うち20ヶ国で肯定派が過半数を占めた。
回答国全体でも日本肯定派の平均は55%、否定派は18%で、孤立どころか相当な人気である。

日本否定派が半数を超えた2カ国が中国と韓国だったのはいわずもがなか。
留意すべきなのは日本肯定派が一番多かったのがインドネシア(85%)、次いでフィリピン(79%)と、ともに東南アジアの国だったことだろう。

中国は靖国参拝非難の際に「アジア人民の感情を傷つけた」といった常套(じょうとう)句を使うが、そういうプロパガンダは情報統制下の国内ではともかく国際社会ではもはや通用しないということだ。
東南アジアの国々にとっては、目の前にある中国の覇権主義の脅威の方が切実と映る。

日本への高い評価の背景には、政府開発援助も含んだ経済的貢献度の高さもあろう。
だがそれ以上に、巨大市場を背景にした経済的膨張に加え、軍事力増強を進める中国に対抗し、ものをいえる力を備える国はアジアでは日本をおいてない、という期待もあるはずだ。

友好という建前で大国の横暴に目をつぶることでは、世界の平和と安定は得られない。
人気者の座にこだわるわけではないが、せっかくうれしい結果が出たのだから、政府も国民も期待に応えるべく毅然(きぜん)とした姿勢を貫かねばならない。

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日本が好感度世界一に、33ヶ国4万人対象の調査 (2006.2.19 産経新聞)

日本の影響度-グローブスキャンより

【読者より】 2月6日の産経抄で、米国の大学などがBBCの依頼を受けて行なった世論調査で、世界に好影響を与えていると一番に評価された国が日本だったことが紹介されていたが、この内容を詳しく教えて欲しい。

【佐藤貴生】 国際世論調査機関グローブスキャンなどの資料によると、この世論調査はBBCの依頼を受け、グローブスキャンと米メリーランド大が昨年10月から今年1月にかけ、世界33ヶ国、約4万人を対象に実施された。

日本、米国、ロシア、中国、フランス、英国、インド、イランの8ヶ国と欧州のそれぞれについて、「世界に対してどんな影響を与えているか」を尋ねた。
日本については大多数の31ヶ国で、「良い影響を与えている」との回答が「悪い影響を与えている」を上回り、国別ではトップの”好印象”となった。

日本についての回答で「悪い影響」が多数を占めたのは韓国と中国。
韓国では「良い」と「悪い」が比較的拮抗しているのに対し、昨年、反日デモが広がった中国では「悪い」が7割を超えた。

フセイン政権崩壊後もイラクに駐留し続けている米国については、「良い影響」という回答が「悪い」を上回った国は13にとどまり、ロシアとともにワースト2。中国はワースト3で、ワースト1は核問題に揺れるイランだった。

さて、中韓両国民が日本をどう見ているのか、もう少し具体例を示そう。
昨年、日本のNPO法人「言論NPO」や北京大学などが日中両国の約3000人を対象に行なった調査では、日本の印象が「大変良くない」「良くない」との回答が、中国側で63%、その責任は、「すべて、もしくは大半は日本にある」との答えは93%に達している。

これに対し、韓国紙、中央日報が一昨年に行なった調査では、「最も嫌いな国は」との質問で日本(41%)が米国(24%)、北朝鮮(11%)に大差をつけている。
ところが、「最も見習うべき国は」との問いでも、日本(33%)が米国(14%)、中国(10%)を大きく引き離した。

嫌日・反日一辺倒の色彩が濃い中国と違い、「嫌いだが見習うべきだ」という複雑な対日感情がうかがえる。
冒頭の調査結果について外務省は、「全体としてみれば、戦後60年の平和国家としての日本の歩みが評価された結果と考えている。他方、近隣諸国における対日感情については、その背景に種々の要素があると考えられるが、これらの調査の結果を真剣に受け止めなければならない」とコメントした。

また、中西輝政・京都大大学院教授は、日本について

  1. 敗戦後に急速かつ高度な発展を遂げ、いわば世界に”奇跡”を示した。
  2. 自らの行動には抑制があり、外交・安全保障政策は平和的である。
  3. 民主主義や科学技術などは取り入れながら全面的に西欧化するわけではなく、固有の文化も残している。

などのイメージが世界に行き渡っていると指摘している。

その上で、「結果について日本は自信を持ってよい。
こうしたイメージは外交上もプラスになる。
が、何も発信しないから評判がよい、という面があるのも事実。

国際社会に提案してゆく方法を考えるべき分岐点に来ている」と話している。

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コメント

  1. KUBOKAWA より:

    コメントありがとうございます。
    これからもよろしくお願いします。
    きっこのブログ、本当のことが多いんですね。
    しっかり読んでいこうと思います。

  2. カルロス より:

    KUBOKAWAさん、わざわざありがとうございます。
    今後はそちらにもたびたびお邪魔しようかと思います。

  3. やまね より:

    近隣諸国での評判が一番重要なのだ゛ただ本当に力があれば中国のように評判など気にする必要はない

  4. カルロス より:

    やまねさん、コメントありがとうございます。
    確かにそうですね。

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