永久に記録される2002W杯の誤審

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レッドカードを出す女性

2年前の日韓ワールドカップで韓国の快進撃の陰に隠れた汚点としてイタリア戦とスペイン戦の審判の良く言えば「ホームタウン・デシジョン(hometown decision)」、悪く言えば「誤審」のことがあった。


私は当時、ワールドカップの観戦オフとして、韓国対イタリア戦を韓国料理店「東海魚市場」で見ていた。
店内の熱気にかき消されてわからなかったが、確かにエクアドルの主審であったモレノ(Byron Moreno)のイタリア戦での判定は後で思い出してみると不可解なものであった。

当時からスペイン戦も含め、明らかな韓国寄りの判定に対し、FIFAをも巻き込んだ論争があった。
大多数は韓国による審判の買収の疑惑、少数意見は伝統ある欧州チームが弱小アジアチームの代表である韓国にホームタウン・デシジョン(hometown decision)をやられたことに対し、怒っているだけだというものだ。

確かに韓国や台湾では中級ホテルに泊まっているとすぐに売春の誘いがきたし、おそらく自国の交渉を有利に運ぶための女による篭絡というのは彼らにとって常套手段なのかもしれない。

しかし、私は彼らがナショナリズムを優先させるあまり、やり過ぎたのではないだろうか?
多少のホームタウン・デシジョン(hometown decision)ならどこの国でもあることだが、あそこまであからさまにやっては非難を浴びて当然だ。

モレノ氏は「汚いプレーで有名なイタリアチーム」に含むものがあり、この際だからお灸を据えようとしたのだろうが、ホームタウン・デシジョン(hometown decision)の限度を超えてはスポーツとして成り立たなくなるというものだ。

結局、彼はワールドカップ終了後の別の試合でも疑惑の判定をしたことにより、20試合の出場停止処分をエクアドルサッカー協会(FEF/Ecuadorian Football Federation)から受けた。

今度FIFAが作った「FIFA FEVER」というDVDには、この2試合があまりにも欧州勢にとって強烈な「誤審」の印象を与えたことにより韓国にとってはサッカー史上に残る汚点として記録されることになった。

おそらく、これによって大陸持ち回り制で再度アジア地区にワールドカップの開催国の順番が巡ってきたとしても韓国が開催権を獲得することはできないだろう。
この「誤審」騒動は、韓国にとって手痛いしっぺ返しになったに違いない。
これを人は「自業自得」と呼ぶ。

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韓国協会、FIFAの「誤審論争DVD」に遺憾表明へ (2004.11.3 朝鮮日報日本語版)

大韓サッカー協会(KFA/Korea Football Association)は国際サッカー連盟(FIFA)が制作したDVDのうち、「W杯10大誤審論争」に韓国戦4試合を選出したことと関連し、FIFAに正式に遺憾の意を表明することを決めた。

ユ・ヨンチョル広報局長は3日、「問題のDVDは外注制作されたもののようだ」とし、「FIFA側に制作経緯を問うと共に、遺憾の意を伝える方針を決めた」と述べた。

FIFAは創立100周年を記念して制作した「FIFA FEVER」というDVDのうち、「CONTROVERSY(論争)」というコーナーで「W杯10大誤審論争」を紹介した。
この中に2002年W杯の韓国-イタリア戦でのトッティの退場など韓国戦4試合が含まれ、物議をかもしていた。

ユ局長は「ブラッター会長も当時、審判が韓国に味方したという一部の陰謀論を『一考の価値もない』と述べている。FIFAがなぜこうした資料を制作したのか疑問」と述べた。 

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W杯10大誤審疑惑に韓国関連4件 FIFA資料 (2004.11.3 by 金晟圭 東亜日報日本語版)

韓国サッカーの「ワールドカップ4強神話」に致命的な傷をつける資料が出た。

国際サッカー連盟(FIFA)は最近発売した「FIFA FEVER」というDVD 2枚の映像資料で100年の歴史のワールドカップを通して「10大誤審疑惑」を選定したが、その半分に近い4件が2002日韓ワールドカップの韓国試合に関わったもの。

FIFAが創立100周年を記念して特別限定版として製作した「FIFA FEVER」DVDは「The FIFA 100」というワールドカップ写真集とともにFIFAが永久保存する資料で、今月から来年5月までスイス・ローザンヌにある五輪博物館でも展示及び上映される予定だ。

それによれば、韓国の試合と関連のあるのは6位から9位まで。
日韓ワールドカップでイタリアとの16強戦の延長戦で、イタリアのトンマージ(Damiano Tommasi)がゴールデンゴールを決めたがオフサイドの判定により無効となったのが6位。

同じ試合でトッティー(Francesco Totti)がゴール前ドリブルをしているところを守備手に引っかけられて倒れたがペナルティキックではなくシミュレーション判定を受けて退場となったのが7位に選ばれた。

8位は、スペインとの8強戦の際、スペインのモリエンテス(Fernando Morientes)がセンタリングを受けてヘディングゴールを決めたが攻撃者ファウルが宣言され、無効と判定されたこと。

同じ試合で、モリエンテスがホアキン・サンチェス(Joaquin Sanchez)のクロスパスを頭で受けてゴールを入れたがパスする時に既にボールがエンドラインを離れていたという理由で無効となったのが9位だ。

この4件の状況に対し、当時英国のBBCや米国のスポーツ・チャンネルESPNなどは「誤審ではない」と報道したが、ワシントンポスト紙(The Washington Post)やロシアのインターネット新聞ガゼッタ(Gazeta)などは「明らかな誤審(obviously wrong calls)」と報じ、海外メディアの反応が鮮明に分かれていた。 

問題はFIFAがこれを公式的に資料化したこと。
特に、韓国関連が4件もある上、どれも4強神話につながる決定的な関門であったイタリア戦とスペイン戦に集中されており、「組織的な韓国ひいき」のような印象を与えるに充分だ。

日韓ワールドカップ当時、FIFAのブラッター会長(former FIFA president Joseph Blatter)は「審判たちが韓国を助けたという陰謀論は一考の価値もない主張だ(such conspiracy theories that claim referees helped Korea are even worthless to cast a look..)と一蹴していた。

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Four Out of Top 10 Soccer Wrong Referee Decisions Linked With Korea
(November 3, 2004 by Sung-Kyu Kim, The Dong-A Ilbo)

FIFA published a DVD that critically undermined the myth of the Korean soccer team`s advancement into the semifinals. FIFA selected the top 10 wrong referee decisions in the 100-year history of the World Cup in its recently released DVD publication, “FIFA Fever,” (Picture, 2 DVDs). However, four out of 10 cases are related to the 2002 FIFA World Cup held in Korea and Japan.

The DVD title published as a limited edition by FIFA along with a pictorial book, “The FIFA 100,” in celebration of its 100th birthday will be permanently kept by FIFA. The DVD title will also be exhibited and screened from this month until May next year at the Olympic Park in Rosen, Switzerland.

According to the DVD publication, the top six to nine listings are all linked to matches involving the Korean team. The sixth is an offsides call on an overtime goal by Damiano Tommasi in a Korea versus Italy match. Also, it occurred at the same match where Francesco Totti`s was ejected after receiving a second yellow card for a simulation action when he went down after being hit by a defensive man in the box while driving.

The eighth is a defensive foul call when Fernando Morientes made a goal with a header. The ninth is disallowing Morientes header, which he successfully capitalized on Joaquin Sanchez`s cross pass, on a questionable call that ruled the ball had crossed the end line. That also occurred at the same match.

Responses of foreign media dramatically differed on the four cases. For instance, BBC and ESPN broadcast the decisions as fair while The Washington Post and Russian Internet paper Gazeta claimed they were obviously wrong calls.

The problem is, however, that FIFA used such media releases as its official records. Moreover, as Korea was involved in four of the incidents that occurred in the matches with Italy and Spain, which were critical for the Korean team in advancing to the semifinals, it is sufficient for people to have an impression that an organizational conspiracy was behind the matches.

On this regard, former FIFA president Joseph Blatter said that such conspiracy theories that claim referees helped Korea are even worthless to cast a look.

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