ベンジャミン・フルフォード(Benjamin Fulford)が書いた「泥棒国家(kleptocracy)の完成」という本の中に「ネバダレポート(Nevada Economic Report)というものが紹介され、もしIMFが日本経済再生に乗り出したとしたらどういう政策が打ち出されるかというのが載っていた。
彼はこのリポートの信憑性には疑問があるとし、外資が裏で糸を引く情報操作であることを否定していない。
しかしながらこれが衆議院予算委員会(2002年2月14日)の議事録にまで登場していること、今年になってからの数々の増税策、国民負担増がこのリポートの現実化に怯え、財政破綻寸前の断末魔にあえぐ日本政府の延命策と言えなくはないことに私は背筋が凍る思いがしているのも事実だ。
そして今日の新聞記事、これは決してサラリーマン一般をターゲットとしたものではない。
表向きはそうだが、真意は今後数年内に起きる団塊世代の社員、主として公務員の大量退職に備え、退職債務による破綻を少しでも延命させるための布石だ。
民間会社が自殺者を出してまで中高年社員をターゲットに解雇政策<一般にはこういうのをリストラ(事業再編=restructuring)と呼んでいるが日本企業のやってきたことはほとんどが本来の意味とはかけ離れている>を推し進め、退職金制度をなくすようなことをしてきたのはすべてこの理由による。(週刊現代(2003.2.8) 「怒りの大特集」 退職金もうもらえない)
そして税改正の目的は2つ。
- 退職金に対する課税強化によって、税金を国・地方に還流させる。
- 退職金を年金のように分割して受け取る制度を作り、(国・地方・企業にとっての)退職債務が短期に集中しないようにする。
もちろんこれにはインフレ政策をセットにして債務を軽減(退職者にとっては利益の目減り)させることも含まれる。
では、問題の衆議院予算委員会の議事録は非常に読みづらいので抜粋してお見せしよう。
五十嵐委員(民主党議員) | (前略) 私のところに一つレポートがございます。ネバダ・レポートというものです。これは、アメリカのIMFに近い筋の専門家がまとめているものなんですけれども、この中にどういうことが書いてあるか。ネバダ・レポートの中でも、昨年の9月7日に配信されたものなんですけれども、IMF審査の受け入れの前に、小泉総理の、日本の税収は50兆円ほどしかない、今の85兆円を超える予算は異常なんですという発言があります。これを大変重視して、当然だと言っているんです。同時に、9月上旬、ワシントンで、私、柳澤大臣と行き会いましたけれども、そのときに、柳澤大臣が記者会見をワシントンでされていまして、IMFプログラムを受け入れるという発言をされていますね。
これは御確認をさせていただきたいんですが、そのとおりですか。 |
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柳澤国務大臣(金融担当大臣) | IMFのFASP(*)、これは受け入れます。これはもともとがG7の国で発案をしたものでして、それをいつやるかということを我々も考えておりましたが、我々の方はペイオフという大事業があるので、生まれたばかりの役所でマンパワーがとかく不足であるというようなこともありまして、少しそのタイミングを見計らったということが背景で、今回、そういうことを正式に表明したということでございます。
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五十嵐委員 | 極めて狭い意味、いわゆる金融のIMFによる検査という意味で柳澤大臣は使われているんですが、IMFの方では、金融面のプログラム、それは検査だけではないと思いますが、いわゆるIMFのプログラムの中には、金融面とそうでない部分があるんですね。
主に我々も金融面をとらえているし、その検査も含めて、柳澤大臣も金融面のことを頭に置かれているというふうに思うんですが、このネバダ・レポートの中ではこの二つの発言を評価しておりまして、これが当たり前なんだということを言っております。 つまり、バランスバジェット、収支均衡というのが極めてIMFでは重視されるんだということを言っておりまして、もしIMF管理下に日本が入ったとすれば、8項目のプログラムが実行されるだろうということを述べているのであります。 手元にありますが、その8項目というのは大変ショッキングであります。
大変厳しい見方がなされている。 これはどういうことか。 そのぐらい収支均衡というのは大事なんだ、経済を立て直すためには極めて大事なんだということを、世界の常識となっているということを示しているわけであります。 こういう認識をお持ちになっているかどうか、財務大臣、竹中大臣、伺いたいと思います。 |
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塩川国務大臣(財務大臣) | 数字の面でいろいろ議論ございますけれども、私は、今おっしゃったような厳しい認識は持っております。 | ||
竹中国務大臣(経済財政政策担当大臣) | 短期的に常に均衡させることが重要かどうかということについては、当然のことながら議論が御承知のとおりありますけれども、長期的にやはり持続可能であるためには、それはまさにプライマリーバランスを均衡させなければいけないと強く思っております。 |
いかがだろうか?
これはベンジャミン・フルフォード(Benjamin Fulford)曰く、元々IMFの調査官と官僚の合作と言われており、世論を「仕方がない」というように持っていくためのアイテムとして霞ヶ関に流された可能性を私は否定しない。
ただ、こういう形で日本の政策が外資に都合のいいように流されてるというのも事実で、最後にダメ押しの記事を紹介しよう。
もはやこれを額面通り受け取ることはないだろう。
実績主義を導入した企業はいわゆる旧体質の企業ほど失敗してるのだ。単純にこれは人件費抑制以外の目的はない。
世間一般では公務員がこうなることを歓迎するだろうが、もはや旧体質の公務員でさえこういうものを受けざるを得なくなったのか、と思った方がいいだろう。
運命の日は近づいている。
1998年4月の金融ビッグバンは、エスタブリッシュメントが「日本の財政破綻を見据えて」合法的に資産を国外に逃がすためにやったものだという認識でいた方がいい。
彼らが庶民のためだけに外国銀行に口座を作ったりできるようにするわけはないのだから・・・
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国家公務員の定昇廃止、実績重視に転換…人事院方針 (2004.7.9 読売新聞)人事院は、国家公務員の給与について、毎年、ほぼ横並びで昇給する現在の「普通昇給」(定期昇給)を廃止し、勤務実績に基づく「査定昇給」を導入する方針を固めた。
すでに労組側に提案しており、8月の人事院勧告に給与改革の基本方針を盛り込む。人事院は、国家公務員に関する給与法を改正し、2006年度から査定昇給を導入することを目指している。国家公務員の定期昇給は、給与法により、「良好な成績」で勤務した職員が対象とされている。しかし、実際は、年功給・年齢給的な要素が強く残っており、「懲戒処分や長期欠勤など、よほどの理由がない限り、横並びで毎年、昇給している」(人事院幹部)のが現状だ。
民間企業では、定期昇給を廃止し、能力や仕事の実績に基づいて昇給幅や賞与額を決める賃金制度の導入が進んでいる。
人事院はこうした民間の動きを踏まえ、
- 公務員の士気を高める
- 仕事の能率を向上させる
- 昇給基準を明確にし、公務員給与に対する透明性を高める
などの観点から、勤務実績を適切に給与に反映させる査定昇給への転換が必要と判断した。
政府は、今年秋の臨時国会に、能力・実績主義の人事管理と、それに伴う実績評価制度の導入を柱とする国家公務員制度改革関連法案を提出する予定だ。
人事院は、同法案に盛り込まれる実績評価制度に基づいて、年内に査定昇給の方法や具体的な基準などをまとめる。勤務実績が評価制度の基準に達しない場合は昇給できないが、逆に、優秀な場合は大幅アップも可能にする方針だ。
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