確定申告に思う

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保土ヶ谷税務署

今日は休暇を取って税務署に確定申告をしてきた。

例年なら親の社会保険料(国民年金・国民健康保険など)を負担していることによる所得税の還付申告(申告書A)だけなので、郵送で済ますのだが、今回は初めて一般の自営業者などと同じ申告書Bを使って申告をすることになって聞きたいこともあったので直接出向いたのだ。

そもそも例年でも普通なら職場の年末調整で済ませられる範疇なのだが、こんなことでもしないと税制に全く疎くなるのと、支払いが口座振替なので、通帳のコピーを職場に出すのが嫌だからだ。

で、申告書Bを使わないといけないのは、株式の譲渡所得(損失)があったからだ。
昨年の夏は久々の儲けに浮かれてエッセイなんか書いたくらいなのだが、通算すると過去の高値掴みした株を損切りしたものが大きく響いて昨年は損失になったのだ。
それが確定申告をすることによって三年間繰越ができるので、いそいそと出かけたのだ。

そもそもこの株式の譲渡所得でも、特定口座の制度があって、「源泉徴収あり(源泉徴収口座)」を選択すると証券会社が申告を全部代行してやってくれるのだが、全く税金の勉強にならないのと、株式を売却するたびに税金を先取りされて投資機会を逸する可能もある。

特に、サラリーマンや主婦などのように「税金の計算は誰かがやってくれる」のに慣れている人は、これを選択してしまい、かつ確定申告もしないという可能性が高い。

従って、特にサラリーマンは特定口座を選択して、資料作りは証券会社に任せるが、申告は自分でやり、しかも分離課税分の税金は普通徴収で払うという選択を最初からするのがいいだろう。

特別徴収だと給与から天引きで12回払いなので支払いは楽だが、勤務先にすべてバレてしまうリスクがあるからだ。

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複数の源泉徴収ありの特定口座を持つ場合は要注意 (2004.2.27 日刊ゲンダイ)

源泉徴収ありの特定口座で利益が出て、確定申告をするかどうか悩んでいるサラリーマンはどうしたらいいのか.。
株の利益は申告分離課税で税金を納めるのが原則だ。
しかし、利益が出たからといちいち税務署に行く必要はない。
株の利益は源泉徴収ありの特定口座を開設している場合、証券会社が源泉徴収して納めているからだ。

ところが、申告すると得をする場合がある。
他の証券会社の口座で損が出ている場合だ。
特に、他に源泉徴収ありの特定口座を複数持っている場合は損失の出ている口座をそのままにしてしまうケースが多いので注意しよう。

例えば、100万円の利益で源泉徴収(所得税は7%)されている特定口座と、50万円の損失で源泉徴収税額ゼロの2つの口座がある場合を考えてみよう。

両方を合算して申告すると、利益は50万円となり税額も半分に減る。既に納付した税額の半分が還付されることになる。

しかし、申告しなければ、当然徴収された税金は永遠に戻ってこない。税務署の方で両方を合算して税金を還付してくれるわけではないからだ。確定申告ひとつで、思わぬ税還付があることを覚えておいた方がいい。(税理士・宮政雄)

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証券会社の店頭でデタラメ説明が横行中 (2004.6.24 日刊ゲンダイ)

投資信託の税制改正について、店頭の対応には驚いた。どこも大のデタラメだったからだ。

丸の内の大手証券会社はこうだ。
「株式型の外国投信(契約型)の値上がり益は非課税だったはずですが、今はどうなんですか?」
「買い取り請求と解約請求とでは扱いが異なりますね」

これはウソ。外国投信は解約ではなく譲渡の扱いになる。
さらにパンフレットを求めると、「ご用意がありません」。

続いて大手町の別の証券会社の本店。
「今年から外国投信の値上がり益の我の扱いが変わったと聞いたのですが」
「はい。このパンフレットにあるとおりです」

パンフレットは「2004年1月から26%の申告分離課税に移行」とある。これも全くの間違い。
2004年1月から外国株式投信の値上がり益が国内株式投信と同じ10%分離課税になったのは事実だが、これが決まったのは2004年4月に入ってから。3月までは「26%」と決まっていた。

しかし、これでは外国投信が事実上日本市場に受け入れられない。そのため、米ホワイトハウス、在日米商エ会議所まで巻き込んで政治的に決着したのが「国内投信並み」だったのだ。さらに国内投信と同様に値下がり損を被った場合に「他の株式の値上が益と通算できる」ことになった。
間違った説明にはくれぐれもご用心を。

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話は変わるが、ITバブルの後、ストックオプションの利益が給与(賞与的性格の)所得か一時所得かで裁判になってるが、1週間ほど前に東証2部のインボイス(9448)が役員や従業員でだけでなく、株主にもストックオプションを付与するというのでニュースになっていた。

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インボイスは株主にストックオプション無償付与でストップ高 (2004.2.10 東洋経済オンライン)

東証2部のインボイス(9448)がストップ高の買い気配となった。同社が今年9月末現在で1株以上を保有する全株主に同株数を買える権利を付与すると発表したことが好感されている。

インセンティブとして役員や従業員に対してのストックオプションはよく行われているが、株主までをも対象とするのはきわめて異例のこと。

権利行使価格は6月に予定している株主総会当日の終値とする予定。株式分割などの手段をとると、発行株式数が増え1株当たりの利益が低くなってしまう。その点、ストックオプションなら、新株の増加は株価の上昇で株主が権利行使した場合に限られため、極端な希薄化が起きないメリットがある。

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国税庁 ストックオプション等の取扱いで所得税基本通達を一部改正 (2002.7.29)

国税庁はこのほど、平成13年の商法改正で新設された「新株予約権制度」の導入に伴い所得税基本通達を一部改正し、新株予約権を行使した際の所得区分を明らかにした。

具体的には、取締役または使用人が行使した場合には「給与所得」とし、顧問弁護士や経営コンサルタント等社外の者が行使した場合には「事業所得または雑所得」に区分されることとなった。このほかに、権利を付与された場合の収入時期についても定められた。

なお、改正後の所得税基本通達は、平成14年度改正後の所得税法施行令第84条を適用する場合に適用することとされており、現在係争中のストックオプション訴訟には直接の影響はない。

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この会社は昨年夏に大ブレークした会社で、当時は私は全く知らなくて、おっとり刀で大分割(2003.9.25 – 1:21)した後にノコノコ行ってババ引いて、いつ損切りしようかと思っていたのだが、このニュースで思いとどまった。

で、今日現在で発行済株式が709,338株の同社、これだけのストックオプションを9月に付与するらしいが、その権利行使価格は6月の株主総会当日の終値。
つまり、この時点の株価は低い方がいい。ってことは・・・6月に向けて下げて7月から上がるのか?

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