破廉恥な日経ネットの記事

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驚く外国人男性

消費税率を2ケタにする、年金課税を強化する、住民税(都道府県民税・市町村民税)の均等割額をアップする、といった個人に対する増税策を中心とする政府税調の答申が昨日の日経新聞を賑わしていたことを思い出し、記事検索をかけていたら、「住宅ローン成功術-ストーリー32:希望にかなった新築マンションがようやく見つかった。購入したいが、諸費用分の自己資金が不足。どうすればいいのか悩む秋本さん」というのを偶然発見した。

記事の要旨は、「お気に入りの新築マンションを購入したいが、手持ちの自己資金が不足しているという秋本(34)さん。不足額は、ほぼ諸費用分に匹敵する。その諸費用分に充当できるローンがある。『(住宅)諸費用ローン』というのが、それ。これを利用して、お目当ての物件を購入する計画を早急に立てることにしたが、住宅ローンと併せると、相当の返済額になる。今回は、『諸費用ローンとはなにか』を含め、秋本さんのケースでの『成功術』を取りあげてみよう。」というものだった。

10年以上前ならともかく、今の日本の社会情勢下でよくこういう破廉恥な記事が書けるな、と私は感心した。

手持ち資金が足りないな、と感じてる人は住宅を買うな!と書くならわかるが、所詮日経新聞は作家の佐高信氏曰く、財界の広報紙、不動産業界と銀行(いわゆる供給者)の立場に立った成功術が、消費者の成功術であり得るはずがないのだ。

最近では企業融資中心だった営業方針を個人向けの住宅融資中心に切り替えることにより収益を上げ始めた銀行も増えてきているという。

自分の負債は、他人の資産、ただでさえ、ゼロ金利で被害を被っている個人預金者がこれ以上お人よしになって他人(銀行)を儲けさせることもないと思うが、そう思うのは私だけなのだろうか?

ちなみに金融機関は税制面でも優遇され巨額の税還付を受けていると言われ、おまけに追加の税金(日本のメディアは公的資金と言う)投入までされているのだ。

これによってほとんどの金融機関は税金を払ってないことが石原都知事の銀行税創設につながったが、裁判では敗訴が続き、最高裁で和解した。

銀行側は告訴の理由を「課税の公平性に問題がある。」としたが、下表を見ればそれが笑止千万であることが理解できると思う。

まあ、日本の裁判所は銀行の味方と、「フォーブス(Forbes)」アジア太平洋支局長のベンジャミン・フルフォードは言っているが・・・

来年度税制改正の主な検討項目(政府税調)
個人 住宅ローン減税 最大500万円(2003年末までに入居した人に対し、10年の間、毎年50万円を限度に所得税から控除できる)を段階的に縮小する。
個人住民税の均等割額 被扶養配偶者(主に妻)に対する非課税措置と、人口に応じた税率区分を廃止し、税率を引き上げる。
公的年金等控除の縮小 65歳以上で最低140万円、65歳未満は最低70万円を所得控除する制度を縮小する。
老年者控除の縮小 所得が1000万円以下で65歳以上の人へ所得税で一律50万円を所得控除する制度を縮小する。
納税者番号制度の創設 金融・資産性所得に対する納税環境を整備する施策の一環として位置づける。
企業 無税償却基準 金融機関のみならず、すべての企業を対象に、企業会計の取り扱いとの差異が小さくなるよう必要な見直しが必要である。
欠損金の繰戻還付(法人税) 金融機関に対する16年間分の繰戻還付は実質的な公的資金供与であるし、課税の公平性を著しく欠いている。
欠損金の繰越控除(法人税) 金融機関に限って特例を適用することは課税の公平性に問題がある。
連結付加税 連結納税を利用した場合の上乗せ税率は廃止する。

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