去る10月4日から6日の日程で、私は名古屋経由で近畿旅行へ行ってきた。
バンコクに移住している三木さんとまことさんが一時帰国して、神戸オフを開催するというので、それに合わせて、名古屋での投資家オフと、今までお世話になっている奈良の親戚宅訪問を兼ねて行くことにした。
「ぷらっとこだま」で名古屋へ
「ぷらっとこだま」というのは、その名のとおり、東海道新幹線のこだま号に乗って、首都圏から東海、近畿地方の所要都市(又はその逆)を行き来できる格安チケットツアーのことだ。
どの程度安いかというと、私が乗った10月4日(通常期)の場合、新横浜から名古屋まで普通車プランで8,300円、グリーン車プランで9,300円(1,000円追加)である。
普通に購入すると、普通車指定席が10,430円、グリーン車が14,120円だから、グリーン車に乗れば、何と35%引きの料金で乗れるわけだ。
但し、この割引運賃には大きな制約があって
- 乗車日当日の購入はできず、指定された区間内であっても、途中乗車や途中下車が認められない。
- 指定された列車のみ有効で、乗り遅れた場合の後続列車への振り替え(自由席)は認められない。
- JR運賃の通算ができないので、例えば、横浜から名古屋経由で高山まで乗り継いで行くときは、別途、前後の乗車券の購入が必要で、かえって割高になることがある。
要は、新幹線を降りた後で、例え、その翌日であっても、JRを乗り継いで最終目的地に行く場合は、すべての運賃を計算した上で、ぷらっとこだまを購入した方がいいだろう。
そういった運賃計算の制約は、2015年12月28日付で掲載した「東海道新幹線プラスEXの損得勘定」も似ていると言えようか。
さて、私の乗った「こだま643号(N700系)」の車内は、平日とあって、ご覧のとおりガラガラで、おまけに携帯のコンセントが各座席に付いたタイプだったので、そういう点でもラッキーだった。
ご存知のとおり、こだま号は車内販売がない。
ぷらっとこだまの場合は、アルコール類も含めて、ワンドリンクを無料で引き換えることができるのだが、実質的には乗車駅で買うことになる。
もっとも、停車時間が5分以上あるような駅であれば、駅の売店で購入可能なのだが、グリーン車の場合は、近くに乗務員室があるので、そこで停車時間を確認するといいだろう。
近鉄週末フリーパスを使って湯の山温泉へ
今回の旅行は、風じさんも含めた名古屋での投資家オフもセッティングしたため、待ち合わせまでの合間を縫って、近鉄を使った伊勢志摩へのエクスカーションをしようと考えた。
そこで、利用したのが近鉄週末フリーパス(4,200円)で、これは、土日を含む連続3日間有効で、近鉄全線が乗り降り自由のチケットだ。
これも乗車当日は購入不可なので、どこで購入できるのか確認したところ、近鉄主要駅の窓口と、近畿日本ツーリストグループの主要支店・営業所とあった。
これに気づいたのが出発の前日(10月3日)、慌てて利用予定区間の運賃を計算したら、5日に使う予定の近鉄名古屋から近鉄奈良(2,290円)、近鉄奈良から大阪難波(570円)までの合計が2,860円だった。
つまり、4日の午後に、近鉄名古屋からの往復で1,340円(片道670円)以上あれば、フリーパスを買った方が得になる計算だった。
私が即座に思いついたのは、伊勢神宮(片道1,470円)か湯の山温泉(片道870円)で、結局のところ、私が行ったのは後者の方だった。
名古屋から湯の山温泉へ
12時9分、何の予備知識もないままに新幹線で名古屋に着いた私は、さっそく近鉄名古屋駅へ向かった。
チケット売り場の窓口で、湯の山温泉へ向かう一番早い電車はどれかという私の質問に、12時21分発の松阪行き急行に乗ればいいと言ってくれたので、そのまま昼食も取らずに乗る。
近鉄四日市駅で電車を乗り換え、湯の山温泉駅へ着く頃には、自分が乗っている車両には誰も乗っていなかった。
おお、平日の昼間とはいえ、湯の山温泉はこんなに寂れているのかとビックリするほどだ。
かつて、この路線にも特急が走っていたと思うのだが、今ではそんな面影もないほどだった。
湯の山温泉街
近鉄湯の山温泉駅から御在所ロープウェイの乗り場までは、電車の到着に合わせて三重交通バスが走っている。
あまり本数がないのと、駅前に食堂などがあるわけではないので、そのままバスに乗っていく。
最初は、御在所ロープウェイに乗って山へ行こうと思った私だが、名古屋に着いたときの快晴と暑さはどこへやら、秋風の吹く曇天の湯の山温泉で、景色もあまり良くなさそうな山登りをする気にはならなかった。
本格的な登山道という触れ込みの御在所岳へ行くのを諦めた私は、ロープウェイ乗り場の近くにあった食堂で昼食を取り、「湯の山温泉 温泉街・周辺マップ」をもらって、温泉街の散策と日帰り湯を楽しむことにした。
御在所ロープウェイ乗り場から湯の山温泉駅へ帰るバスの時刻表をチェックした私は、バス停のすぐ近くにあるホテル湯の本(日帰り入浴:11:30-16:00 800円)を横目に見ながら坂を下る。
湯の山温泉で日帰り湯ができるホテルは、いろいろなところにあるので、散策の途中で入ればいいと思ったからだ。
ちなみに、湯の山温泉界隈のホテルは、ランチタイム営業しているホテルもあるので、気に入ったところに入るといいだろう。
温泉街を散策していて思ったのは、紅葉の季節には三滝川の渓流と相俟って、絵になる景色が多そうだということだ。
あいにくと、私が行ったときは中途半端な時期で、水遊びもできず、紅葉もない時期の平日だったので、町中は閑散としていた。
大石公園へ向かう途中の誘橋(いざない橋)の近くにオテル・ド・マロニエ湯の山温泉というホテルがあり、ここでも日帰り入浴ができる。
ただ、私が行った金曜日は、受付が15時からと遅くにしか入れなかったので、諦めて先を急ぐことにした。
大石公園と渓流プール
誘橋(いざない橋)からさらに少し歩くと、渓流の宿 蔵之助(日帰り入浴:11:00-15:00 800円)が見えてくる。
その右手にあるのが大石橋、それを渡ると、大石公園と渓流プールに辿りつくことができる。
大石橋を渡って、向かい側から撮った写真(写真上)の屋根の付いたところが渓流プールの入口となっている。
私が行ったときは、とても水遊びができる陽気ではなかったが、三滝川の渓流が天然のプールになっていて、夏場は賑わうことだろう。
河原に下りてみると、さすがに天然のプールとして認知されているだけに、水はかなり綺麗だ。
8月なら無論、9月中旬までであれば、水の中でじゃぶじゃぶ遊ぶこともできただろう。
こちらは大石公園、と言っても渓流プールのそばなのだが、三重県観光連盟のウェブサイトによれば、以下のような謂れがあると言う。
三滝川上流の温泉街の川床にデンと居座って見上げるような大きな石があります。これが「湯の山の大石」で付近一帯が大石公園です。この大石の重さは推定で800トンといわれ、川の中に転がっている石としては三重県下で最大の大きさを誇るといわれています。
この石をめぐる逸話として、元禄年間、大石蔵之助が吉良上野介を討つさいに湯の山温泉に一泊したといわれ、温泉街にある湯の山大石が自分の名前と同じこともあって大変好んだ場所であったといわれています。
ここだけは熟年の観光客が散策していたので、写真を撮ってもらった。
さすがに、ここは史跡としての価値もありそうなので、チラホラと来る人もいるのだろう。
大石公園からは蒼滝へ行く林道があるが、湯の山温泉のウェブサイトによれば、「蒼滝に行くことは可能ですが、架かっていた『たきみ橋』も流失しており、滝つぼもございません。」とのことなので、私は途中まで行ったものの、時間もないこともあって、引き返すことにした。
結局、林道を行き来したことで費やした、わずか15分ほどの時間が、日帰り湯に行くことができなかった最大の要因となった。
渓流プールがどんなところか河原に下りてみた。
暑い時期なら迷わずに水遊びをするところだが、あいにくと、そのような陽気ではなかった。
時計を見ると、午後3時前だ。
御在所ロープウェイ乗り場から湯の山温泉駅へ帰る三重交通バスは16時発と、16時39分発、それに名古屋へ直行するバスが16時14分にある。
ただ、今日は投資家オフ会が控えているので、名古屋に17時半までに帰らないといけない。
最悪でも16時14分発の名古屋行きの直行バスに乗る必要があったので、私は急いで大石公園を後にした。
ちなみに、夏場なら、渓流プールで遊んだ後、渓流の宿 蔵之助(日帰り入浴:11:00-15:00 800円)で寛いで行くというプランがいいかもしれない。
三嶽寺(さんがくじ)
三嶽寺(さんがくじ)は、大石公園から徒歩5分ほどの距離にある。
ここに寄っていて、果たして17時半までに、名古屋に帰れるか微妙なところだったが、日帰り湯も水遊び(ちょっと気候的に無理だったが)も諦めた私にとって、三嶽寺は寄らねばならないところになった。(笑)
大石公園のところにもあったが、三嶽寺にも「僧兵まつり」の幟がたくさん立っていた。
そう、私が湯の山温泉に来た2日後の10月6日に、火炎みこしが温泉街を練り歩く「僧兵まつり」が開催されるのだ。
ところが、この日は境内もひっそりとしており、寺院の関係者はおろか、参拝客もほとんどいなかった。
唯一、境内にいたのは大石公園で出会った熟年夫婦だけだった。
本堂を見た後は、境内の中をざっと散策してみる。
小高い丘のようなところにも何かありそうだったので、登ってみたが、ここで長時間いるわけにもいかないので適当なところで切り上げる。
果たして、この上には何かあったのだろうか。
湯の山温泉街の散策を終えて、私が御在所ロープウェイの乗り場に戻ったのは、3時半過ぎだった。
ここで、私は目の前にあるホテル湯の本(日帰り入浴:11:30-16:00 800円)に行くかどうか最後の決断を迫られていた。
無理すれば温泉に行くことができる。
16時14分発の名古屋行き直行バスに乗ることを選択すれば、十分に間に合うだろう。
しかし、私は何もせずに名古屋へ帰ることを選んだ。
投資家オフ会 IN 名古屋
湯の山温泉へのエクスカーションを終えて近鉄名古屋駅に戻った私は、投資家のオフ会に間に合わせるべく、待ち合わせ場所へと急いだ。
場所は、2018年6月の東海グルメの旅のときと同じ、JRセントラルタワーズ12階にある「魚がし料理 嘉鮮」、この日が金曜日なので、宴会難民になることを避けるべく17時半からの飲み会となった。
もっとも、今回のオフ会のメンバー(風じさん、小河さん、佐貫さん)の中にサラリーマンはいないので、無理に金曜日に設定する必要はなかったのだが、翌日の予定に合わせたらこうなった。(笑)
話題は、国際政治、経済、投資など多岐に渡って大変有意義な飲み会だった。
この中に、海外口座開設がらみで「何で日本人は英語が話せないのか」という話題があったのだが、それについては、ここで書くと長くなるので、別のコラムで書きたいと思う。
ところで、二次会で行ったサイゼリヤ(銘柄コード:7581)、9月20日付で、消費税の軽減税率(持ち帰り)対策を、店内の商品価格の実質値下げで対応すると発表してから株価が下落している。
おそらく、株式市場関係者の見方は、サイゼリヤの収益がこれによって悪化すると見ているのだろう。
もっとも、これは一時的なものかもしれないが、下手すると、私が書いたように「消費税の軽減税率は飲食サービス業を叩き潰す爆弾になるのか」というのが、将来的に現実化する予兆なのかもしれない。
ホテルウィングインターナショナル名古屋栄
私がこの日泊まったホテルウィングインターナショナル名古屋栄は、「ぷらっとこだま」と合わせてJTBトラベルゲート横浜で予約した。
普段の国内宿泊は、楽天トラベルを通して予約することが多いのだが、今回の旅行は、JTB旅行券を使ったものだったからだ。
単に寝るだけのホテルなら、それこそ最低限の設備だけあれば十分なのだが、さすがJTBと提携しているところは、安いところでもそれなりにしっかりしている。
周辺には深夜までやっているラーメン屋とかコンビニもあり便利な立地だった。
とりあえず、今のところ心配なのは、明日の朝、7時半に起きて朝食会場に行けるかどうかだけなのだが、こんなことならJR名古屋駅前にあるホテルにすれば良かったかな。
2019年10月 近畿旅行のトピックス
コメント