公的(老齢)年金受給額試算でわかる厳しい老後の現実

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頭を抱えるビジネスマン

内閣府が出している平成25年版 高齢社会白書(概要版)によれば、高齢者の経済状況として、一世帯あたりの公的年金所得が207.4万円であると書かれている。

これを月収ベースに直すと約17万円、これで生活できるかどうかは別として、私も65歳からもらえる老齢年金がどのくらいになるのか試算してみることにした。(照会先:日本年金機構-年金見込額試算 国家公務員共済組合-年金情報提供サービス 地方公務員共済組合-年金情報Web 日本私立学校振興・共済事業団-年金試算

もっとも、学習院大学経済学部教授の鈴木亘氏の2012年3月29日付のブログ「年金積立金は、本当はいくら残っているのか?」によれば、現在の40代の人たちが年金受給資格を得られる2030年代には公的年金の積立金の枯渇が避けられないと書かれているし、そうでなくとも年金財政が危機的な水準にあるのは誰の目にも明らかなのだが、65歳以降の生活設計の参考にするためにためにやってみることにした。

私の場合、60歳まで勤めたとして、ようやく現在の一世帯平均を若干上回るレベル(年額約220万円)となり、今すぐサラリーマンを辞めたとすると、年額約160万円という試算結果が出た。

仮に、私が投資をやっていなかったとしたら、65歳以降は海外旅行を手控えたとしても今の生活水準を維持するのはとうてい不可能だ。

また、この場合は当然65歳まで働くという選択になるだろうが、22歳から40年以上も職場に縛り付けられた結果がこれでは悲しすぎると思う。

これだと、今の40代以下のサラリーマンで、上場企業の役員や管理職になれなかった人はもっと悲惨になるのではないだろうか。

こうしてみると、65歳までの10数年間に失われる自由時間と、組織に縛り付けられることの対価を計算して、50代で早期リタイアを選択することは、あながち突飛なことではないと私は思っている。

それと気をつけないといけないのは、平成15年(2003年)4月から厚生年金保険料や共済組合の長期掛金には総報酬制が導入されていていることだ。

この制度が導入された目的は、平成7年(1995年)4月以降の賞与支給時に天引きされ、給付には反映されなかったため払い損になっていた賞与特別保険料を、給付に反映させることだった。
つまり、総報酬制導入後の年金保険料の賞与天引き分は、月額に均(なら)して老齢年金給付の際の平均標準報酬額として計算されるのだ。

また、それに合わせて、総報酬制導入後に支払った年金保険料に対する老齢年金の給付乗率が、7.125/1000から5.481/1000に引き下げられているため、企業業績の悪化に伴って年収(主に賞与)が減ったサラリーマンは、たとえ月額給与がそれほど変化がなくとも将来の給付額の計算には多大な影響があることを知っておいた方がいいだろう。

ところで、サラリーマンの場合、一般的な定年退職年齢(60歳)を超えた完済期限が設定された住宅ローンを組んでいる人が少なくないが、これは非常にリスキーなことだと思う。

もはや、有名ブランド企業のサラリーマンでさえ退職金が期待できないところは多くなっているし、今後は官公庁に勤める公務員でも支給額が大幅に減ることは十分にあり得るからだ。

それで老齢年金の支給額が予想外に少なかったらたちまち老後の生活は破綻するだろう。
まして、平成27年(2015年)10月から老齢年金の受給資格期間が最低25年から10年に短縮されるといっても、それだけで生活が成り立つことはない。

仮に、首尾よく退職金や老齢年金が支給されたとしても、お金の教育を受けて来なかった人たちが陥る罠を描いた週刊現代の記事「実例集 こんなに恐ろしい定年ビンボー」は、油断していると誰にでも舞い込む不幸である。

そんな貧乏神にまとわりつかれないためにも若い時からの「お金の教育」というものは重要なのだ。
再度強調するが、「面倒くさいは貧乏の始まり」なのだ。

コメント

  1. もうすぐ老人のわたしには、とっても恐ろしいお話です。
    アジアの安い国に逃げます~。それでも不安だけど。^^;

  2. HIRO より:

    ほんとに恐ろしい話ですね。
    リスクが高すぎる今の現状。
    ちゃんとお金に働いてもらいながら将来
    自分で生活できないとダメっすね。

  3. カルロス より:

    克林さん、アジアも最近では物価が上がってきていますよ。なかなか大変かもしれません。

  4. カルロス より:

    HIROさん、投資のスキルはこれからますます大切ですね。

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