消えゆくブルートレインに思う

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寝台特急「あけぼの」

去る3月14日の運転でラストランになったブルートレインの「あけぼの号」(産経新聞-ブルトレ「あけぼの」ラストランに2500人 上野駅に歓声・拍手)、私にしてみれば昨年8月の東北旅行で乗ったのが最初で最後になったわけだが、2008年5月の九州旅行でも「富士号」に乗ったときの感想と合わせて言わせてもらえれば、ブルートレインには長時間の旅行に耐えうる現代流のサービスが不足していたと思う。

ビジネス列車たる新幹線と、旅情を楽しませるのがコンセプトの夜行列車を同列にしたダイヤ編成がその最たるものだろうか。
最大のネックは、主要都市の停車駅ですら停車時間が数分しかなかったことだ。

ブルートレインに乗ろうという人が、移動の中での十数分の時間を惜しむとは考えられない中で、乗車駅で弁当や酒、つまみを買って乗ったら最後、補給が一切できなかった。

かつては、夜行列車の花形として食堂車が連結され、車内販売も充実していたと思うが、それらがいずれもなくなってしまった後で、途中駅の停車時間が数分では何も買うことができない。

少なくとも夜の11時くらいまでは起きている人も多いのだから、これでは乗車率というか、リピート率の低下は必然とも言えるだろう。

それと、旧型の車両で改善は難しかったのだろうが、B寝台は個室にすら電源用のコンセントがなかったことだ。
これもパソコンやスマートフォンが普及する以前は必要なかったものだが、今や新幹線などのビジネス列車では電源用コンセントが必須の装備となりつつある中で、やはり旧態依然の車両である感じは拭いようがないだろう。

特にスマートフォンは1日1回の充電が欠かせないほど電気を食うので、コンセントがないということで二の足を踏む人もいただろう。

最後に、もっと沿線観光地との連携サービスがあった方が良かったかと思う。
せっかく朝から活動できるようになっているのだから、観光ツアーのバスを接続させるとか、主要駅で早朝から営業しているレストランや銭湯(健康ランド)を紹介するとか、ちょっとした情報の提供でサービスの質がだいぶ違っていたのではなかろうか。

実際、私が東北旅行へ行ったときは、秋田での2時間の乗り継ぎ時間に何をしようか苦慮した。
結果的に、このときは秋田市民市場で朝食が取れることをインターネットで知ったので、そこへ行ったのだが、こういった情報の需要はあっただろう。

日本に残る夜行列車は今でも数少ないし、今後、旅情を感じられる列車はますます減っていくことだろう。
何だか寂しさを感じると同時に、国内旅行がますます味気ないものになっていくと思うのだった。

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