年末のタイ・ミャンマー旅行では7月に開設したタイのカシコン銀行(Kasikorn Bank)の口座を活用することにしている。(2013年7月11日-バンコクのカシコン銀行(Kasikorn Bank)で口座開設)
もちろん、今回の旅行の滞在資金程度の普通預金はすでに残してあり、国外のATMで現金を引き出せるキャッシュカードも持っているので、今のところ何の問題もない。
ただ、私の場合、今後もタイには行くつもりだし、早期リタイア後のロングステイ先の最有力候補地なので、日本や香港の銀行口座との連携をしておくことは必要なことだ。
そこで、今後のためにシティバンクと、HSBC香港で海外送金登録(Swift CodeはKASITHBK)をすることにした。
シティバンクの場合は、「海外送金登録・削除申込書」を郵送しなければならないのと、カスタマー・サービスによれば、タイバーツ建の送金の指示はオンラインではできず、シティホンバンキングでするようにとのことだ。
HSBC香港のオンラインによる送金先登録
一方、HSBC香港の場合、かつてはシティバンクと同じように、HSBCインターネットバンキング送金先登録・削除・限度額増額依頼書(HSBC Internet Banking Registered Transfer Accounts – Limit Increase and Maintenance Request Form)を郵送しなければならなかったのが、今ではセキュリティ・デバイスがあれば、オンラインですべて完結するようになっている。
しかも、シティバンクの場合は自行で取り扱っている外貨のみ海外送金できるのに対し、HSBC香港の場合は、国際間の取りきめなどで、送金規制がかかっていない限り、ほぼ世界各国の銀行にオンライン送金が可能となっている。
送金先登録の手順
HSBC香港でのオンライン送金先登録の手順は次の通りだ。
- インターネットバンキングにセキュリティ・デバイスモードでログインする。
- 上部にあるMy HSBCタブをクリックし、左サイドバーのMaintain My Details(個人情報管理)からRegister new Transfer Accounts(新規送金先口座の登録)を選択する。ここで、登録済口座、あるいは非登録口座(都度送金)の送金限度額を変更する場合は、View and Set Transaction Limits(取引限度額の設定と一覧)を選択すればいい。
- ここで香港以外の銀行口座を登録する場合は、Overseas bank account(海外銀行口座)を選択する。
- Country/Territory(国/地域)、City(都市)、Bank Name(銀行名)がプルダウンメニューから出てくるので、それぞれ必要項目を選択し、Account no.(口座番号/最大34桁、スペースを除いて入力)、Account Holder’s name(口座名義人/最大35文字、名・姓の順で入力)、Daily transfer limit(1日当たりの送金限度額、最高100万香港ドル=約1,350万円)をすべて入力したら、Goボタンをクリックする。
- Verification(確認)画面が出たらinstruction(指示)に沿ってセキュリティ・デバイスを操作する。
まず、デバイスのスクリーンに-(ハイフン)が表示されるまで左下の黄色いボタンを押す。次に、Beneficiary Account Number(受取人口座番号)の数字部分の下8桁をデバイスに入力する。
このとき口座番号に英文字やハイフンが含まれる場合は、それを除いた数字部分の8桁を、口座番号の数字部分が4桁から7桁の場合はそのまま入力、3桁以下の場合はオンライン登録不可となっている。
これらが全部終わった後、再度黄色いボタンを押すと、6桁の数字がデバイスに表示されるので、それをPlease Enter Your 6-digit Secrity Code(6桁のセキュリティ・コードを入力してください)の欄に入力し、画面右下のConfirm(確認)ボタンをクリックする。 - Acknowledgement(承認)画面が表示されたら終了で、登録済携帯電話にHSBC: Your “Register New Transfer Account” request was received.(新規送金先登録の申請を受け付けました)とのSMSメッセージが届くので、翌営業日か2営業日後にインターネットバンキングにアクセスして登録が完了しているか確認するといい。
また、HSBC香港では、非登録口座(Non-registered Accounts)への送金もオンラインで完結できるので、希望される方は参考にするといいだろう。
送金限度額の変更
この場合、通常は1日当たりの送金限度額(Your Daily Sub-limit)がゼロになっているので、まずは、この限度額設定をすることから始める必要がある。
- インターネットバンキングにセキュリティ・デバイスモードでログインする。
- 上部にあるMy HSBCタブをクリックし、左サイドバーのMaintain My Details(個人情報管理)からView and Set Transaction Limits(取引限度額の設定と一覧)を選択する。
- Non-registered Accounts(非登録口座)のHSBC Internet Bankingの欄で、1日当たりの送金限度額を入力したら(最高50,000香港ドル=約67万5千円)、画面右下のGoボタンをクリックする。
- Verification(確認)画面が出たらinstruction(指示)に沿ってセキュリティ・デバイスを操作する。
まず、デバイスのスクリーンに-(ハイフン)が表示されるまで左下の黄色いボタンを押す。
次に、香港IDの番号か、HSBC香港に登録してあるパスポート番号のうち数字部分の下8桁をデバイスに入力する。
これらが全部終わった後、再度黄色いボタンを押すと、6桁の数字がデバイスに表示されるので、それをPlease Enter Your 6-digit Secrity Code(6桁のセキュリティ・コードを入力してください)の欄に入力し、画面右下のConfirm(確認)ボタンをクリックする。 - Acknowledgement(承認)画面が表示されたら終了で、登録済携帯電話にHSBC: We have received your “Increase Transaction Limit” request.(当行は貴方の取引限度額増額の申請を受け付けました)とのSMSメッセージが届き、営業時間内であれば、即時に変更処理がされるので、画面を確認するといい。
海外送金のやり方
HSBC Internet Bankingの1日当たりの送金限度額(Your Daily Sub-limit)設定が終わったら、海外送金手続きができる。
- 上部にあるBanking(銀行口座)タブをクリックし、左サイドバーにあるOverseas Transfer(海外送金)をクリックする。
- Step1>>>Transfer From(引出口座)を選択。ここで、香港ドル口座以外の外貨預金口座を選択することも可能。
- Step2>>>Transfer To(受取口座)を入力。ここで、送金先登録が済んでいる口座に送金したい場合は、Registered Overseas Account(登録済海外銀行口座)のプルダウンメニューから送金先の選択を行う。
Other Overseas Account(その他の海外銀行口座)を選択した場合は、Country/Territory(国/地域)、City(都市)、Bank Name(銀行名)がプルダウンメニューから出てくるので、それぞれ必要項目を選択する。
Bank Address(銀行の住所)は、ユーロ圏への送金の場合を除いて支店名だけでOK、ユーロ圏への送金の場合はBIC Codeの付記が必要。
Bank No.(銀行番号)は省略可能、Account No. / IBAN(口座番号/最大34桁、スペースを除いて入力、IBANはユーロ圏への送金の場合に必要)、Account Holder’s Name(口座名義人)、Account Holder’s Address(口座名義人の住所、最大105文字)をそれぞれ入力する。(参考:IBAN Calculator) - Step3>>>Details(詳細)を入力。
Remitting Currency(送金通貨)を選択し、合計額を入力する。送金通貨が引出口座の通貨と異なる場合は、送金時の為替レートで自動的に両替が行われる。
Pay on(送金日)を選択し、Deduct local charges from(送金手数料の引き落とし口座)と、Overseas charges to be paid by(海外手数料の負担元)を選択。(HSBC Hong Kong FAQ – Transfer to Overseas Service Fees) - Verification(確認)画面が出たらinstruction(指示)に沿ってセキュリティ・デバイスを操作する。
まず、デバイスのスクリーンに-(ハイフン)が表示されるまで左下の黄色いボタンを押す。
次に、Beneficiary Account Number(受取人口座番号)の数字部分の下8桁をデバイスに入力する。このとき口座番号に英文字やハイフンが含まれる場合は、それを除いた数字部分の8桁を、口座番号の数字部分が4桁から7桁の場合はそのまま入力、3桁以下の場合はオンライン送金不可となっている。
これらが全部終わった後、再度黄色いボタンを押すと、6桁の数字がデバイスに表示されるので、それをPlease Enter Your 6-digit Secrity Code(6桁のセキュリティ・コードを入力してください)の欄に入力し、画面右下のConfirm(確認)ボタンをクリックする。 - Acknowledgement(承認)画面が表示されたら終了で、登録済携帯電話にHSBC: An online transfer of *** (amount) was made to *** (beneficiary account number) on yy/mm/dd.とのSMSメッセージが届く。
送金した結果はどうなったのか
私は12月5日に、試験的にHSBC香港からカシコン銀行(Kasikorn Bank)へ5,000バーツ(約16,000円)を送金してみた。
香港ドルの引き落とし額は1,247.5ドル、為替レートは1香港ドルが約4バーツ、HSBC香港で引き落としされた送金手数料は165香港ドル、カシコン銀行(Kasikorn Bank)で引き落としされた手数料が100バーツ(約320円)である。
HSBC香港での海外送金手数料は円換算すると、約2,200円なのでシティバンクと同じ程度と言えよう。
参考までに12月5日付の為替レートは、Oandaの一般ATMレート(銀行間レートの±2%)が1香港ドル=4.07バーツ、スーパーリッチ(Super Rich)は1香港ドル=4.13バーツとなっている。
一般的なタイ好き旅行者なら、帰国時に数日分の滞在費を余らせておき、再度タイに来る時には円の現金を持ち込み、スーパーリッチで両替をするのが最も賢いやり方だ。
しかし、1ヶ月以上に及ぶロングステイヤーがそれをするのは必ずしも賢いやり方ではない。
大金をホテルやサービスアパートメントに保管しておくことは、セキュリティ面での不安があるし、それを避けるために、日本の銀行のキャッシュカードを使ってタイのATMで引き出しをした場合の手数料も回数を重ねるとバカにならない。
私の持っている銀行口座の海外ATM引き出し手数料は、タイ側で1回当たり150バーツ(約500円)(2009年9月29日-150バーツのタイATM引き出し手数料)、本国側で原則として、シティバンクなら1回当たり210円、HSBC香港は1回当たり40香港ドル(約550円)だ。
それにシティバンクの海外引き出しの換算レート、特にタイバーツのような通貨を引き出した場合はあまり芳しいものではなかった。
そういった意味では現地の銀行口座の活用といったことも必要になるだろう。
要は、日本や香港の銀行からの送金手数料と、それらの銀行キャッシュカードをタイで使った場合の海外引き出し手数料のどちらが高くつくかの比較だ。
短期旅行者の場合は、前述したように現金持ち込みで、スーパーリッチ(Super Rich)を使って両替すれば、これが最もリーズナブルだ。
ところで、私の場合は、将来的に生活原資を生むのが香港になる可能性が高く、今回の試験的運用はそれなりに意義があるものだった。
なぜならHSBC香港で運用している豪ドル建ファンドが生む分配金(参考:HSBC香港の口座開設と活用について)を、オンライン操作だけでカシコン銀行(Kasikorn Bank)に送金できることは非常に便利なことだからだ。
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