ほとんど誰も信じていない世界の終末(The end of the world)

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チチェン・イッツァ(Chichen Itza)

今から四半世紀前、ノストラダムスの大予言(Les Propheties/The Prophecies)というものが流行っていた。
それによると1999年7月に「恐怖の大王」がやってきて人類が滅亡するというものだった。

実は、私もその予言シリーズは買って読み耽ったことがあり、一時期は1999年7月になったら死ぬのだから一生懸命働いても意味がないだろうと真剣に考えたこともあった。

何しろそう思ったのは学生時代だったので、さすがに、企業の就職面接で「あなたの職業観は何ですか?」と聞かれ、「ノストラダムスの予言によれば、人類はあと10数年後に滅亡するので腰掛です。」とは答えることはなかったが、私の職業観に大きな影響を与えたに違いなかった。(爆)

ところで、古代マヤ暦によると、約1ヵ月後の2012年12月21日で「世界の終わり」がやってくるという。
しかし、そんなことはほとんど誰も信じていない。

信じていないどころか、北中米の旅行業者は、商魂逞しくマヤ遺跡への観光旅行ブームを煽り立てている。

事実、2012年6月27日号のニューズウイークには「『世界最後の日』はマヤの遺跡へどうぞ-メキシコやグアテマラにとって『世界の終わり』は観光復活のチャンス」(英文記事:It’s the end of the world as we know it)という記事が掲載され、去る13日のCNN Japanには「『世界終末の日』をリゾートで-マヤ暦記念プランがあるホテル」(英文記事:Hotels ready for the end of the world)という記事が掲載された。

もしも「マヤの予言」を信じるとすれば、世界の終末が近づいている。
その根拠として、5000年以上前につくられた中米の古代文明マヤの長期歴は、2012年12月21日で終わっている。

もっとも、この日を境に新しい暦が始まるにすぎないとの説もあるが、いずれにしても、中米や米国のホテルやリゾートは、この日のためにさまざまな趣向を凝らした記念プランを用意している。

という書き出しで始まるCNN Japanの記事からは、とても世界の終末が近づいているようには感じられない。

もしも、一部の人にとって世界の終末を感じられるという記事があるとすれば、17日付のCNN Japan「イスラエル、ガザ地上侵攻の備えも 戦闘激化」(英文記事:U.S. fears Israel-Hamas conflict escalates to ground invasion)という記事の方だろう。

ただ、どちらの記事も日本のメディアにとってはニュースバリューの薄いものとなるに違いない。

世界を支える米国経済が崖っぷちにあろうが、中東情勢がどれだけ緊迫しようが、日本のメディアだけはコップの中の争い(政局と総選挙)一色だからだ。

中米に「世界の終わり」が来なくても日本には「世界の終わり」が来るかって?
そんなことを考えていないで忘年会の準備でも始めようではないか。(爆)

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