公的個人認証の電子証明書の更新はなぜオンラインでできないのか

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2月になると所得税の確定申告の準備をしないといけない時期なのだが、今までに何度もコラム(2005年2月19日2007年2月24日2008年3月2日)を書いているように、私はe-Tax(国税電子申告・納税システム)なるものを制度が始まった時から使っている酔狂な男だ。

その電子申告の際に必要なのが、電子証明書が記録された住民基本台帳カード(ICカード)と、ICカードリーダライタで、e-Taxを使うことによって控除される(租税特別措置法第41条の19の5=電子証明書を有する個人の電子情報処理組織による申告に係る所得税額の特別控除)4000円は、これらの実費補填の意味合いでしかない。

しかもこの控除は毎年受けられるわけではなく、しかも、2011年までは5000円だったものが、今年は4000円、来年は3000円に引き下げられることが決まっている。

5年前(2007年2月24日)のときは、こんなケチくさいことでe-Taxを普及させられるのか、と書いたのだが、デフレの長期化と、コンマ以下の金利しかつかない円預金で、日本人の感覚が麻痺しているのか、意外に浸透しているらしい。

そんなe-Taxだが、これに使用する電子証明書の有効期限は申請(更新)した日から3年で、気が付いたら昨年の3月6日で失効していたのだ。(e-Taxだけのために申請するなら2月最終週か3月の第一週に手続きしないと申告期間の関係で1年分損する)

前回の更新は2008年3月7日、このときは自分の居住地にある区役所まで足を運んで手続きをしたのだが、横浜市の公的個人認証サービスのページを見る限り、3年経った今でもオンラインで更新手続きをすることができないようだ。

しかも、公的個人認証サービスポータルサイトのオンライン窓口では、市区町村で発行を受けた自己の電子証明書の有効性確認と失効申請を行うことができるにもかかわらずである。

新規申請(更新)手続きも同じシステムに組み込めばいいだけのこと、と思うのは私だけなのだろうか。

諸外国と違って国民統一様式のIDカードのない日本では、住民基本台帳カードがなくても不自由のない人が多いようなので、メディアのトピックにも上がって来ないようだが、電子申請できる行政手続き一覧を見ると、先進的(!?)な自治体は徐々にではあるが、一般の個人向けの電子申請サービスも始めているようだ。(横浜市は個人向けのサービスはほとんどなさそうだが)

こうなると、住民票はオンラインで取れるのに、電子証明書の申請や更新のために役所に行かなければならない、という本末転倒なことが起こり得る。
一般的に住民票や印鑑証明書など数年に1回取るか取らないかのものだろうから、面倒な手続きをするくらいなら電子申請などしないで役所に直接行くようになる。

結局のところ、入口のところでアナログな手続きを求めると、たとえ電子申請可能な手続きが増えたとしても浸透しなくなり、繁忙期の役所の窓口は相変わらず混雑が続き、税金を無駄に使っているという苦情につながることになる。

今の日本を見ていると、そういうことが多過ぎるような気がしてならない。

コメント

  1. 山瀬 正 より:

    パスワードの更新は何時行ったかをお尋ねしたい。

  2. カルロス より:

    山崎さん
    パスワードの更新もオンラインでできないような気がしますね。
    それだとたぶんやってないでしょう。
    今年の3月に電子証明書を申請するようなことがあれば同時にします。

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