アメリカで発表された福島原発事故による日本の土壌汚染状況

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外国人ビジネスマン

東日本大震災から8ヶ月、未だに福島原発の事故が終息したというニュースが流れて来ない以上、放射能による東日本一帯の土壌汚染や水質汚染は現在進行形ということである。

そして、去る14日に安成哲平氏らによって、「福島原発事故によるセシウム137の堆積と日本の土壌汚染(Cesium-137 deposition and contamination of Japanese soils due to the Fukushima nuclear accident)」というレポートが、米科学アカデミー紀要(PNAS/Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)で発表された。

もはや私が書くまでもなく、日本の農林水産業は福島原発事故によって、壊滅的な打撃を受け続けていることが証明されたというわけだ。

今現在、野田首相が環太平洋経済連携協定(TPP=Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement)の協議に参加することを表明したことに対し、与野党はもとより、国内の主要な圧力団体も入り交じって賛否両論が繰り広げられている。

私が思うには、アメリカが主導するTPPに関して、日本にとっては、かつての「日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書(U.S.-Japan Regulatory Reform and Competition Policy Initiative)」に代わる外圧としか思えないのだが、外圧を利用しなければ、何も自己改革ができなかった歴代政府の失態の集大成が、アメリカによるTPPへの参加の強制だとも感じている。

その中で、TPPに参加すると日本の農業は壊滅的な打撃を受けるという論調があるが、私に言わせれば、もはやTPPに参加しようがしまいが、後継者難と放射能汚染にあえぐ日本の農林水産業が辿る運命は同じと言えまいか。

おそらく、こんなことを公式の場で発言すれば、発言者は社会的地位を失い、世論という名の化け物によって袋叩きにされ、抹殺されたも同然となるが故に誰も本当のことを言わないのだろう。

バカバカしい限りだと思う。
最後にフト思った。
安成氏が、全国の県で土壌調査を実施することを望むと述べたことに対し、この類の調査に終わりがあるのだろうか、ということを・・・

福島原発のセシウム拡散状況、研究チームがシミュレーション (2011.11.15 CNN Japan)

(CNN) 東日本大震災の直後に東京電力福島第一原子力発電所から放出された放射性セシウムが日本全国へどのように拡散したかについて、日米とノルウェーの研究者らがこのほど、シミュレーションなどによる解析結果をまとめた。

セシウムは日本の北日本から東日本にかけての広い範囲で土壌に沈着したとみられる。
米航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙飛行センター客員研究員の安成哲平氏らが、セシウム137の拡散モデルに当局の測定値を組み合わせ、今年3月20日から4月19日までの沈着量を推定。14日付の米科学アカデミー紀要に発表した。

同氏によれば、全国規模で推定値が算出されたのはこれが初めて。
チームによると、事故で放出された物質の大半は風で海側へ飛ばされた。
また、中部地方の山脈が西日本への拡散を防ぐ「盾」の役割を果たしたという。

一方、原発のある福島県東部には規制値を超えるセシウム137が沈着したとみられる。
セシウム137は半減期が30年と長いことから、将来にかけて農業への重大な影響が予想される。
安成氏はCNNとのインタビューで、政府がチームの推定値を活用し、全国の県で土壌調査を実施することを望むと述べた。

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