AERAの11月8日号の記事に「親子が知らない『いい会社』55社」というものがあった。
読んでみると、私が日本株投資をやっていた当時、株式欄を賑わせた会社も結構ある。
5、6年前に日本株が活況を呈していた頃は、勤めるのに適した会社と、投資に適した会社は違うものだと言われた。
なぜなら、株価が上昇している会社が従業員に優しい会社かというと、必ずしもそうではなく、むしろ逆のことが多かったからだ。
特に、わが世の春を謳歌していた新興市場の会社は、ベンチャー企業という性格上、創業者は莫大な利益を得るが、そこに勤める従業員は低賃金に甘んじなければならない運命にあったものだ。
それに、リストラや販売管理費(要は人件費などの営業コスト)の削減がニュースとなると株価が上昇していた時期だったため、サラリーマンとしては、役所か非上場の優良企業に勤め、新興市場の株に投資するのが最も良い、とか揶揄されたときでもあった。
ところが、今の時代に伸びている会社というのは、そうではないように思える。
従業員にソッポを向かれる会社では、今や「ブラック」のレッテルを貼られ、有能な社員が集まらず、生産性はガタ落ち、株価も凋落という運命を辿ることになるからだ。
つまり、私が記事を読んでいて懐かしい感じがした会社は、AERA編集部の澤田晃宏氏が書いているように「優良企業」なのだろう。
そう言った意味では就活の「優良企業」は投資でも「優良企業」に十分なり得る可能性があると言える。
実際にどんな会社が「就活のプロが認める優良企業」になっているかをExcelファイルに落としてみたので参考にするといいだろう。
ところが、どんな優良企業でも上場している市場のトレンドには逆らえない、それを象徴しているのが今の日本市場だ。
今やどん底とも言える日本市場に未来はあるのか。
尖閣事件に見られるように菅民主党内閣はもはや売国政権とも言われ、昨年まで民主党の応援をしていた私でさえ、見捨てることに決めたほど酷いありさまである。
せめて内政だけでもまともにやってくれたら、との思いとは裏腹に、こちらも迷走を続けている。
なぜか左派の政治家や市民運動家と言われる人たち、それに彼らの支持者たちは、かねてより金持ちや資産家を敵視することが庶民の味方をしているとでも思っているのか、ことさら投資とか経済を毛嫌いする人が多く、今や、その代表たるオトコが政権を握っているわけだから経済が上向きになるハズもない。
海外では労働党や社会民主党と呼ばれる左派寄りの政治家でさえ、経済のことに明るいことを思えば雲泥の差である。
最悪の場合、菅政権が2012年9月まで続くことに、うんざりしている人も多かろう。
去る5日の読売新聞でも「東京株式市場は際だって回復が遅れている」と報じられており、まるでバブル崩壊の前兆のように株価が急騰している海外市場と比べると、無残の一言である。
何しろ私的にも海外で運用している資産残高は、為替が円高になっているにもかかわらず、円建て換算でも続伸を続けているのだから、その差は歴然としている。
投資や経済を毛嫌いする人たちは、彼らが大好きな「汗水垂らして働いた結果の老後の保障」が、日本の経済情勢と無縁に保障されると本気で思っているのだろうか。
東京株きわだつ回復遅れ、その理由は? (2010.10.5 読売新聞)
5日の東京株式市場は、4日の米株式相場が大幅上昇したことや、株式市場への資金流入期待から全面高の展開となり、日経平均株価(225種)の終値は、前日比267円21銭高の9625円99銭と大幅続伸した。
上げ幅は一時、320円を超え、日経平均の9600円台回復は10月7日以来、約1か月ぶり。
東証1部の出来高は約21億2400万株だった。低金利政策の長期化など各国の金融緩和で市場に大量供給された資金が株式市場に向かい、主要市場の多くで株価上昇が続いている。
リーマン・ショック直前と直近の株価を比較すると、中国・上海では50%超も上昇したほか、英独でも10%近く上昇した。しかし東京市場では「リーマン前」より2割超も下落した水準のままで、回復の遅れは際立っている。
円相場が史上最高値(79円75銭)をうかがう水準に高止まりしていることが株価の重しになっているのに加え、政府の成長戦略が見えないことが外国人投資家などの買いを遠ざけている。ただ、9月中間決算で好業績を発表する企業が多いことや、これまで売られすぎていた銘柄への見直し買いなど、「市場の雰囲気が変わってきた」(アナリスト)との声も出ている。
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親子が知らない「いい会社」55社
-世界トップシェア企業でも「内定辞退率5割」という現実-
(AERA 2010年11月8日号 by 澤田晃宏)
就活のプロが認める優良企業(Excel)「就職難」が叫ばれて久しい。本当にそうだろうか。「知る努力」をすれば、採用意欲の高い優良企業はたくさんある。
4月、都内の私大であった就活セミナーに足を運んだ。
3年生が対象だが、まだ内定の出ない4年生の姿も目立った。「自己分析すら十分にできていないまま就括に入り、名前を聞いたことのある企業にばかりエントリーした。当然、志望動機が軽いから自己PRもうまくできず、はじかれる。会社名にこだわらず幅広く見ていきたい」
「もし半年前に戻れるなら、きちんと業界研究をし、会社を絞り込んで臨めば、うまく自分をアピールできたと思う」
会場にいた4年生は、そんな「敗因」を口にしていた。セミナーと同時にディスコという会社が説明会を開いていた。
ディスコは、半導体に使う切断装置のシェアで世界トップに立つ知る人ぞ知る優良企業。
林登志男人財部長の顔色はさえない。
「就職難と言われますが、当社のような知名度の低い企業にとっては採用難。内定辞退率は約5割にも上ります」■親子で会社見学
優秀な人材を確保するため、今年度から大学に足を運んで単独の会社説明会を開いている。
2010年度の採用予定は60人だったが、実際には29人しか入社しなかった。今春、4年制大学を卒業した学生の就職率は60.8%。進学も就職もしなかった人は約8万7千人。
厳しい就職状況が伝えられる一方で、優良企業が人材不足に悩んでいる。そこでアエラでは、大学就職部、人材コンサルタント、投資家、就職支援会社などに、学生に知ってほしい隠れた優良企業を推薦してもらった。あわせて55社。
テレビCMで社名を耳にするような企業はないが、特定の分野で高いシェアを獲得していたり、独自の技術を持っていたりする企業ばかりだ。
そもそも、「就職難」が必ずしも実態を映していないことは明らかだ。従業員規模別の有効求人倍率(2010年卒)を見ると、従業員1千人以上の企業は0.55倍と厳しいが、1千人未満では3.63倍。明らかに「売り手市場」だ。
業種別に見ても、製造業1.97倍、流通業4.66倍、金融業0.21倍、サービス・情報業0.67倍と開きがある。採用したくてもできない、働きたくても働けない「不均衡」が起きるのは、大手企業や人気業種にばかり学生が集中した結果だ。
ただ、視野が狭いのは学生ばかりではない。ディスコは今年から、内定を出した学生を対象に「親子会社見学会」も始めている。
「学生が会社のことを知ってくれても、親の反対で辞退されるケースがある。保護者の認知度も低く、『何の会社なの?』と言われると、学生も自信を失ってしまうんです」(林さん)■9割は「知らなかった」
6月、大田区にあるディスコ本社であった親子見学会に参加した。
1時間の事業内容説明に続き、社員が社内を案内して回る。トレーニングルームや託児所も併設されており、働く環境としては申し分ない。
「私が転職したいくらい。離職率が低いと説明を受けたが、会社にきてみて納得した」
参加した親の一人は、そう満足げにつぶやいた。別の親も会社の説明に熱心に耳を傾け、「確かな技術を持ち、海外展開も進めている。正直、聞いたことのない会社でしたが、とても安心しました」
それでも、「応募者を増やす」という根本的な課題は残る。
今年5月、本社であった第1回会社説明会。
学生に配られたアンケートの1番目の質問は、「あなたはディスコという会社を知っていましたか?」
約9割は「知らなかった」と回答した。大手就活サイトを利用しているが、「ネット就括時代に入り、大量にエントリーできるようになった分、学生の元には会社説明会の案内メールが大量に届く。そうなると、どうしても知っている企業が強い。知名度の低い会社は、お金をかけても人が集まらないんです」(林さん)
どうすれば学生の目を開かせることができるのか。
関西学院大学は2007年から、人生観や職業観を持たせることを目的に「成長企業インターンシップ」に取り組む。対象は、1、2年生だ。■「働く」を実感できない
2年のときに参加した社会学部4年の船崎亮さん(22)は、「実際に働くと、イメージと違う部分にも気付く。本格的に就活が始まってからも、就活サイトなどのイメージに踊らされず、腰を据えて就職活動ができた。苦戦している友達は、働くことを実感できず、父親の仕事内容すら説明できない人が多い」
日本大学文理学部では、就活がスタートする10月からほぼ連日、就職指導をしている。
「会社四季報」の読み方や業界・企業研究の方法を伝えるにとどまらず、すでに就職活動を終えた4年生が、面接やグループディスカッションを再現する。学生が「卒業アルバムに載るよりうれしい」と話す冊子「ジョブガイド」も作っている。
「卒業生に聞き取り調査を行い、エントリーシートの実物を収録し体験談をまとめたものがジョブガイド。身近を先輩がどのように会社を選び、入社したかに触れ、学生の視野も広がる」と、就職指導課の大和田恭成さんは話す。毎年、求人が1千件ずつ減るなか、大手・人気企業志向を放ってはおけない。
昨年から始めた新たな取り組みが、知名度は低いがOBが在籍する優良企業を集めた「優良企業合同セミナー」だ。昨年は15社が参加し、ほぼすべての企業から文理学部の学生に内定が出た。
セミナーに参加した日本電産コパル人事部の高雄陽子さんはこう話す。「他の大学で合同企業説明会を開いても、ひどいときは1ケタしか集まらない。日大では70人以上の学生が耳を傾けてくれた」
日本電産コパルはカメラ用シャッターでディスコ同様、世界トップシェアを誇る会社だが、特に文系職種の採用が厳しい。
2011年卒の採用でも、現段階で予定数の内定は出ていない。■身の回りから企業探し
「実際に社員と話すと、若手でも大きな仕事を任されることや、社風に共感してくれる学生たちも多い。難しいのは、そのキッカケ作り。採用では、社名を知られていないことが、一番のデメリットになる」(高雄さん)
昨年は、その「キッカケ」に恵まれ、応募者の3割近くが日大文理学部の学生だったという。
だが、すべての大学が親身な就活支援をしてくれるわけではない。いったい、どのように企業を探せばいいのか。
『マンガ株投資入門』監修者でファイナンシャルプランナーのコイヌマタマキさんは、企業探しの第一歩は「身の回りに関心を持つこと」だという。
「人気商品があれば、部品はどこが作っているのか調べてみる。最近『バイク王』のCMがたくさん流れていると思ったら、その会社のことを調べると、実はアジアに進出している会社だと気付いたりする」■求人票に表れた意思
成長している国や分野に投資しているかどうか。
そこが、就職するべき会社かどうかを見極めるポイントだという。『くたばれ!就職氷河期』など、就活に関する著書が多数ある人材コンサルタントの常見陽平さんは、就活で苦戦する学生は新聞も読んでいないことが多く、情報感度が低いと指摘する。
「情報源にするなら、合同企業説明会や大手の就職ナビより、『採用する』という意思の表れである大学の求人票と、学内で開かれる企業説明会を利用するべきた」また、「労政時報」「企業と人材」「人材教育」「Works」「HR MICS」などの雇用・労働系専門誌は、優れた人材マネジメントをする企業が掲載されており、優れた企業との出会いの宝庫だという。
政策研究大学院大学の橋本久義教授(中小企業・ベンチャービジネス論)は、中小企業の経営者からこんな言葉を耳にする。
「ウチはハエ取り網だ」
なかなか近寄らないけど、入ったら辞めない、そんな意味だ。橋本教授は言う。
「1980年代に、これからは大量生産時代に入り、日本はガラパゴス化すると言われたが、ようやく時代が追いつき、日本の高い技術が求められている。小さいけれど世界シェアを占める中小企業はたくさんある」ただ、一言付け加えた。
「大企業なら気にいらない上司でも、数年我慢すれば代わることはあるが、中小企業に行くと、そうはならない(笑)」
就職支援を行う「内定塾」では今年、人塾者数が昨年の200人から700人に大幅に増えた。同塾の柳田将司さんは、早く内定を取れる学生と、いつまでも内定の取れない学生の差をこう指摘する。
「いかに早い段階で企業選びの着眼点を『社名』から『やりがい』や『大切にする価値観』に移行できるか。30歳になったとき、自分はこうありたい。それを実現できる企業を探すのが、本来の企業選びなんです」■「B to C」しか知らない
10月、内定塾では、「価値観探しワーク」が行われていた。
2人1組で、「グローバルに働きたい」「世の中に貢献できる仕事に携わる」「チームワークを大切にする」などの価値観が書かれた66枚のカードを、「重要である」「どちらでもない」「重要でない」の三つにわける。
さらに、「重要である」に選択したカードを10枚に絞る。授業の最後、講師の松本零央さんはこう言った。
「みんなが知っているのは消費者に直接、商品やサービスを提供している『B to C』企業。でも、ほかにも会社はたくさんある。カッコいい、カッコ悪いではない。自分の価値観に合う会社じゃないと、こんなはずじゃなかった、となる」内定塾の元塾生で東邦大学理学部4年の小林和弘さん(22)は、京都の医療機器メーカーに内定した。
企業名を言って、知っていると答えた人はまだいない。
「名前だけで選びたくなかった。仕事には人生で一番長い時間を費やすのだから、社風や仕事内容をきちんと見極めたかった。高卒から定年まで勤め上げた父のように、長く働ける会社がいいと思ったんです」就活中、内定塾で20回程度練習していたせいもあり」グループディスカッションでは、自然と初めに声が出た。
結論から話す、1分でまとめる、という面接対策も生きた。
ただ、内定塾で学んだ一番大きな収穫は、「自分が何を大切にしているかを考え、意識の高い仲間と過ごせたこと」■安定は規模よりシェア
当初は、「武田薬品工業」「大塚製薬」「エーザイ」などに足が向いた。面接はほとんどがグループ。しかし、内定企業だけは1次から一対一だった。人を大切にする企業だと感じた。
「それに大手=安泰という時代ではない。内定先は500人程度の会社ですが、特定の分野で高いシェアを持っている。長く働き続けたい僕にとっての安定は、規模よりシェアでした」
いまは、後輩から就活の相談を受ける立場だ。
小林さんは後輩にこんなアドバイスを送る。
「自分のやりたいこと、大切にしていることを探してみればいい。就活の成功は、自分の納得できる会社に入ることだから」
コメント
菅内閣支持率32%に大幅下落
だってひどすぎるもんなぁ [んー/]無策もここまでくると芸術的にすら見えるほどの玉虫色で、仙谷色とか亀井色とか官僚色にまで染められて。菅直人自身が何をやりたいのかサッパリ分からん [疑/]何もできない……
技術面接の内容
就活は、技術面接の内容を知って対策しましょうという趣旨のブログです。