日本ではプログラムを悪用されると開発者のせいになるのか

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頭を抱えるビジネスマン

ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を開発、インターネットで公開し、ゲームソフトなどの違法コピーを手助けしたとして、著作権法違反(公衆送信権の侵害)ほう助罪に問われた元東京大大学院助手金子勇被告(36)の判決公判が去る13日に京都地裁(氷室真裁判長)であった。

利用者の違法行為で、ファイル交換ソフトの開発者の刑事責任が問われるのは国内では初めてで、司法判断が注目されていた。

案の定、判決後の反響も大きく、著作権の侵害に頭を悩ますメーカー側は判決を歓迎する一方で、プログラマー側は、NPO法人「ソフトウェア技術者連盟」の木村耕一郎氏の「金子さんの逮捕以降、技術者たちは何を作ったら捕まるのかと不安で、多くのプログラマーが開発をやめた。判決でその傾向が強まる。日本のITの発展は止まるだろう。」という言葉に代表されるように、利用者の悪意による責任が開発者に及んだことに戦々恐々となっている。(2006.12.13 読売新聞 ソフト開発に影響?「技術者不安に」・・・ウィニー判決受け支援者ら憤り

確かに洋の東西を問わず、著作権の侵害に悩む企業や個人は数多い。
しかし、利用者の悪意による責任を開発者に負わせるといったことが正論だとすれば、今までの科学技術の進歩をすべて否定しなくてはならないことにもなる。

千葉県市川市のプログラマー、佐野義彰氏の言うように、「誰かが悪用すれば、開発者の罪になってしまうのでは、自由に作れなくなる」というのが真理となってしまうだろう。

判決を下した氷室真裁判長をはじめ京都地裁の判事はそこまで考えているのだろうか。
一審で有罪判決を受けた金子勇氏は控訴したようだが、高裁で判決はどのようになるのだろうか。

そして、情報社会に関する研究機関「国際大学グローバル・コミュニケーション・センター」(東京都)の客員研究員、山根信二さん(37)は「匿名化技術を研究しているが、法に触れないかどうか、不安を訴える学生も多く『ソフトは海外で発表しなさい』と言っている」らしい。

もし、この流れが加速するようなことがあれば、優秀な技術者はどんどん日本を離れることになるかもしれない。

私がネットサーフィンしていて偶然見つけたウェブサイト、Download videos from YouTube、これはYouTubeにアップロードされている動画を自分のパソコンにダウンロードするためのツールで該当URLをコピーするだけでいいものだが、何のためにわざわざそんなことをするかというと、著作権に問題のある動画が、管理者によって消される前に保存するためのものであろうか。

ファイルの拡張子はflvで保存されるので再生ソフトが必要だが、これはウェブ上(検索サイトで、拡張子 .flv と入れる)を探せば、無料ソフト(フリーウェア)が簡単に見つかる。
ちなみに、このツールだって解釈によっては、「動画などの違法コピーを手助けする」ことになる可能性は十分にある。

なぜならば、YouTubeには著作権に問題のあるファイルが大量にアップロードされており、つい最近、それらの削除が行なわれたばかりだからだ。

で、このウェブサイトを見て気づいたことはないだろうか。
作ったのはどうやら日本人、しかしながらウェブサイトに日本語は一文字もない。
偶然かもしれないが、今後はそういうことになっていくのだろうか。

プログラマー戦々恐々 -誰かが悪用すれば罪に- (2006.12.14 読売新聞)

ウィニーは、サーバーを介さず個人パソコン間で情報をやりとりする「P2P(ピア・ツー・ピア)」の技術を応用、使用者が特定されにくい匿名性と情報伝達の効率性を兼ね備えたファイル交換ソフトだ。
開発された当時、「世界最先端の技術」(ソフトウェア技術者連盟)と絶賛された。

プログラマーとしての金子被告の評価は高い。
民間企業から東大大学院助手にスカウトされ、「スーパープログラマー」を育てる人材育成課程の講義を担当した。
それだけに、有罪判決はソフト開発業界に重くのしかかる。

プログラマーや金子被告の支援者らでつくる「ソフトウェア技術者連盟」の新井俊一理事長(28)は「米国のソフトウェア業界では、動画を共有するソフトが主流になってきているが、こうした技術発展が日本では不可能になってしまう」と危機感を募らせる。

千葉県市川市のプログラマー、佐野義彰さん(31)も「ソフトは、開発段階で多くのユーザーに提供し、声を聞きながら手を加え、完全版をつくるプロセスが主流。誰かが悪用すれば、開発者の罪になってしまうのでは、自由に作れなくなる」と訴える。
教育研究分野への影響も少なくない。

情報社会に関する研究機関「国際大学グローバル・コミュニケーション・センター」(東京都)の客員研究員、山根信二さん(37)は「匿名化技術を研究しているが、法に触れないかどうか、不安を訴える学生も多く『ソフトは海外で発表しなさい』と言っている」と言う。

「素晴らしいソフトを作った技術者が日本では罪に問われる。教師も自信を持って学生らを応援できなくなる」と、山根さんは心配する。

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