2012年10月5日に「HSBC香港の投資口座保有者は米国株口座の追加は郵送でOK」というコラムを書いたが、これは10月30日までにTD Ameritradeの口座を閉鎖すると通告されたことによってHSBC香港の米国株口座と米国証券のFirstradeを開かざるを得なくなったためである、
当然ながら米国株口座は複数持っていても使い勝手の良い方で資産運用をすればいいので、そのままHSBC香港の方は放置しておいた。
しかもHSBC香港で米国株を売買したときの手数料(Brokerage Fee)は、一律にUS$18(1,690円)と、FirstradeのUS$6.95(650円)よりはるかに高いからだ。
ところが、2014年1月(要するに来年)からは、米国株を売買していない月は、口座維持料(Maintenance Fee)を毎月US$5(470円)ずつ取られる(Maintenance Fee is waived until 31 Dec 2013. Customers are also entitled to Maintenance fee waiver afterwards for one month if he / she has conducted at least 1 U.S. stock buy or sell transaction during that month.)とあり、何もポジションを持っていないのに手数料だけ取られるのはバカバカしいと思い、いくつか銘柄を物色してみることにした。
もちろん、今年中にHSBC香港の米国株口座自体を閉鎖してしまえば問題はないのだが、それでは何も知識を得ることができないので、今年中は実験期間ということで米国株の売買をしてみることにした。
買った銘柄は毎月高配当の米国株(High Yield Monthly Dividend Stocks) (Excel)から選んだING Global Equity Dividend & Premium Opportunity Fund (IGD)(日本語情報)である。
なぜ、そうしたかと言うと、理由の一つは、香港での米国株の配当課税がどのようにされているかの確認である。
昨年5月、私がHSBC香港でジョン・ラウ氏(John Lau)さんに毎月配当型の米国株投資を打診したとき、配当金の源泉税の扱いは彼らでもわからないらしく、結局のところ、自分で投資して確認してみないといけないという結論になったからだ。
その後、私が2012年6月3日に「Toward a dream-come-true『経済的自由への扉は開かれた』」というコラムを書いたとき、ワールドインベスターズの奈々パパさんから「投信フォーカス 取り戻せない「海外源泉徴収税」の実態を知る」や「オフショアな海外投資日記-香港証券会社を通して米国株を購入すると、海外居住者であっても香港人扱いになる。」というコラムを紹介され、香港で米国株投資をすると、配当金の源泉税率が高いという説明をされたことがあるが、現状はどうなのか、ということを自分の目で確認したかったのだ。
そして、私が投資したING Global Equity Dividend & Premium Opportunity Fund (IGD)の配当金と源泉税控除の顛末は以下の通りだ。
- 毎月20日過ぎにMy HSBC-eStatement and eAdvice-Investmentに配当計算書がアップロードされる。
EX Date(配当落日)が原則として毎月初日、Record Date(配当基準日)が配当落日の2営業日後、Payment Date(支払日)が原則として毎月15日で記録される。 - 配当金を再投資するか、現金で受け取る(米ドル口座へ入金)かの選択肢があるので、Response Deadline(回答期限)に記載された日までに回答する。
回答は、REPLY(回答)ボタンを押して行うことになるが、何も回答しなかった場合は自動的に再投資に回される。
この場合、毎月の配当金の額が、再投資する時点の1株当たりの株価を上回っていれば、再投資するか現金で受け取るかの選択肢があるが、そうでない場合はおそらく現金で受け取ることになるだろう。 - 約1ヵ月後にNew Entitlement(新株権)が追加されたことと、配当金に対する源泉税の計算書がアップロードされる。
現時点でのIGDの月額配当金は、1株当たり0.084米ドルなので、例えば200株投資していると、16.8米ドルの配当となり、再投資日の株価が9.1米ドルだとすると、1株の買付がされることになる。
源泉税は16.8米ドルの配当金に対して居住国の法定税率がかかることになるが、日本居住者は配当所得に対して2013年中は10%の軽減税率が適用されるため、米国との租税条約によって、1.68米ドルが米ドル口座から差し引かれることになる。
つまり、配当金から税金が差し引かれた金額を受け取るのでなく、再投資に回った後で税金は別に支払うことになる。
なお、この源泉税が米ドル口座から差し引かれたとの報告書はeStatement and eAdvice-Bankingにアップロードされる。 - 株式再投資をした場合、新株に充当できなかった残額は、端株(fractional shares)に相当する配当金として米ドル口座に入金される。
結局のところ、かつては香港で米国株投資した場合の配当金の源泉税率が30%だったのが、今では10%で済んでいる理由は、2011年7月15日に発効した日本と香港特別行政区との租税協定によるものと推測できる。
この協定によれば、2012年1月1日以降に源泉課税される配当金の限度税率は10%となっているからだ。(国税庁パンフレット・手引き-源泉所得税関係)
ところで、毎月の再投資買付によって、2014年1月以降の口座維持料(Maintenance Fee)が免除されるかカスタマー・サービスに聞いたところ、それは該当しないとの回答をもらった。
少しは期待していただけに残念である。
なお、高配当の米国株を調べるには、Dividend Stock Screenerを利用して、Share Price(株価)、Dividend Yield(配当利回り)、Dividend Payout Frequency(配当の頻度)などに任意の数値を入れることによっても調べることができる。
お試しあれ!
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Re: Investment Services
Thank you for your e-mail of regarding the maintenance fee of our US stock trading service.
We currently offer a maintenance fee waiver of US stock trading service until 31 December 2013. After the promotion period, you can enjoy a waiver of the maintenance fee of US$5 for US stock trading service if at least one US stock transaction has taken place during that month.
However, I am sorry that dividend transaction is not applicable to the waiver of maintenance fee.
You can visit our website at www.hsbc.com.hk to view any updated information of our promotion period.
If you have any other questions, please call our HSBC Advance Hotline on +852 2748 8333.
Yours sincerely
Customer Communication Officer
Retail Banking and Wealth Management
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コメント
NYダウは2万ドルは単なる通過点で、3万ドルが夢ではなくなってきたようです。
http://kiyoshi-imai.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-f01e.html
★東証に上場されているETF 「SPDR S&P500」でも買っておくといいでしょう。
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=1557.t
藤野さん
コメントありがとうございます。
そうですね。ダウが2007年秋の最高値を更新したのは大きいですね。
日本も今年は株に関しては期待できそうです。