昨夜の日本シリーズ第7戦で延長12回の激闘の末、千葉ロッテがレギュラーシーズン3位から大逆転で日本チャンピオンに輝いた。
今回は、この球史に残る「史上最大の下克上」を成し遂げた彼らに敬意を払ってコラムを書いておきたい。(2010年11月8日スポニチ-「史上最大下克上舞い!ロッテ連夜の死闘制し日本一」)
今回のロッテが成し遂げた快挙は、史上初のレギュラーシーズン3位からの逆転劇ということで、3位のチームが日本チャンピオンになる制度はおかしいという人もいるが、これって考えている以上に大変なことだと思う。
なぜなら、3位のチームは、クライマックスシリーズの全試合をビジターで行い、しかも引き分けはほとんど負けという条件下で戦うのである。
今年のロッテに関して言えば、ファーストステージ2試合、セカンド(ファイナル)ステージ6試合、日本シリーズの最初の2試合を入れれば、ビジター10連戦ということになり、阪神タイガーズの「死のロード」顔負けのハードさである。
阪神ファンの方は詳しいと思うが、優勝した年でさえ、夏のロードは勝ち越して帰れば「御の字」という状態でないかと思う。
それほどのハードさの上、接戦のゲームになればなるほど野球はホームチーム(後攻)が有利になる。
私はファーストステージの2試合、日本シリーズの延長15回引き分け試合、そして日本チャンピオンになった延長勝ち試合のいずれもがロッテが先攻であったことに驚異の強さを感じた。
特に、日本シリーズで引き分けに終わったゲーム、優勝決定試合となったゲームなどは、サヨナラ負けとなって当たり前のような展開だったのでなおさらだ。
それにファーストステージの2試合はいずれも延長戦での勝利で、試合展開からいけば2試合とも西武が勝っていてもおかしくなかった。
これは、ニッポン放送の解説者である元広島カープの達川光男氏曰く「記憶にない」というレベルのようだ。
最近ではプロ野球をほとんど見なくなった私でさえ新聞の見出しくらいは見るからわかるが、「連夜のサヨナラ」はあっても「ビジターチームの連夜の延長勝ち」というのは見たことがない。(2010年クライマックスシリーズ・ファーストステージ結果 2010年クリマックシリーズ・ファイナルステージ結果 2010年日本シリーズ結果)
こうして見ると、レギュラーシーズン3位からの日本シリーズ制覇というのは、いくらクライマックスシリーズの制度があっても、驚異の強さを発揮しなければ、勝ち切れないというのがよくわかる。
まして戦う相手はシーズンの上位チームなのだから阪神タイガースの「死のロード」よりも苛酷だろう。
この制度がいつまで続くかわからない、おそらく読売ジャイアンツが、ソフトバンクのようにレギュラーシーズンを制覇しても日本シリーズに出れないことが多くなればやめよう(笑)、ということになるだろうから、3位からの日本シリーズ制覇はこれが最初で最後であろうか。
いずれにせよ、2010年の日本シリーズを制覇した千葉ロッテにおめでとう、と言っておきたい。
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