私がHSBC香港の投資口座を使って株式やファンドを買うときにいつも不満に思うことがある。
今現在もそうだが、米ドルがユーロやイギリスポンド、豪ドルなどの通貨に対して相当に弱いということだ。
しかもユーロなどの通貨で保有している資産は主に定期預金であり、これをそのままの通貨で投資できるファンドが極めて限られているということだ。
特に株式やワラントは香港ドル建てで買い付けをしなければならないので、これらに投資するときにはユーロやイギリスポンド、豪ドルなどの預金を香港ドルに換えて投資することになる。
そうなると通貨の分散が図られず、米ドル(とペッグしている香港ドル)に偏在することになってしまう。
せめてファンドだけでもユーロのまま投資できないかと探していたらシュローダー(Schroder)から出ているGlobal Emerging Market Opportunitiesという新興国へ投資するファンドが見つかった。
HSBC香港で投資できるユーロ建てのファンドとしては、欧州の株式へ投資するものが一般的で、ほかにはウェブサイトつながりのスマイリーさんお勧めのBlackRock World Mining Fundがあるのは知っていたが、ほかにも何かないか探していたのだ。
このGlobal Emerging Market Opportunitiesの面白いところは、主にBRICsを含むアジア諸国へ投資するファンドなのにもかかわらず、米ドル建てとユーロ建てがあるということだ。
もちろん私が投資しているのはユーロ建ての方だが、BRICs以外の投資対象国として韓国、タイ、インドネシア、トルコ、南アフリカが入っているのが微妙に気に入っている。
さらに、シュローダーからは純粋にBRICsへ投資するファンドや、気候変動ファンド(Global Climate Change Equity)もユーロ建てのものがあり、なかなか興味深い。
こうしてみると従来は米ドル建てでしか投資できなかった地域やセクターにユーロ建てのファンドが続々とできてくるような予感さえある。
今のところ、HSBC香港の投資ラインアップに入っていない中東ファンドもユーロ建てのものがあるようで、これからは欧州の証券会社に口座を開かなくともユーロ建ての投資がしやすくなってくるだろう。
言い換えれば、このことは私たちにとって通貨の分散がしやすくなると同時に、さらなる米ドル安の脅威を感じなくてはならない時代に入ったということになろうか。
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