ダブリ上等!横浜市内全戸配布の郵送用特別定額給付金申請書

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郵送用の特別定額給付金申請書

5月13日にオンライン申請した特別定額給付金、6月4日に入金があり、さっそく、使わせていただいたのだが、私の口座に入金された直後に、封書でも申請書が届いた。

郵送用申請書はオンライン申請の有無にかかわらず全世帯配布

頭を抱えるビジネスマン

郵送用の申請書が送られてきたとき、私は、単なる行き違いかなと思って、受付センターに尋ねたところ、驚くことに、オンライン申請をしている世帯も含めて、全世帯に郵送しているとのことだった。

彼ら曰く、郵送用申請書を送る前にオンライン申請をしている人を弾くよりも、郵送で申請があったものからダブリを抜き取る方が楽なのだそうだ。
その理由は、オンライン申請は、申請内容や添付書類に不備が多かったり、重複申請があったりして、結局、確認に手間取るので、郵送申請とダブっても、そちらが正しければ、そのまま給付できるからいいのだそうだ。

実際のところ、オンライン申請しても、入金がなかなか反映しなければ、念のためなどという理由で、ダブルで申請する人も出ていることだろう。
人力(手作業)で誤記のみならず、二重申請をチェックしても漏れは出る。
自治体によっては、それ故に、二重支給してしまった事例が数多くある。

何のためのマイナンバーを使ったオンライン申請なのだとは、国会や政府の記者会見では誰も指摘しないのだろうか。
市役所の職員の凡ミスということで片付けられては、末端公務員が不憫だろう。

日本政府のIT音痴ぶりは筋金入り

レッドカードを出す女性

もはや内閣府の作った欠陥システムのせいで、余計なコストがかかっていることに怒りを禁じえない。
今回のコロナ禍では、補正予算を含め、何兆円という金が使われるので、この程度のことは話題にも上らないだろう。

2020年5月19日付のNHK News WEBの記事「現金10万円給付 オンライン申請 各地で課題が浮き彫りに」の締め括りにあるように、

内閣府は「マイナポータルはあくまで自治体と利用者をつなぐ導管の役割で、国は個人情報を管理していないため入力内容が正しいかどうかをシステム上で判断することは出来ない。利用者に申請段階で誤りが無いか確認を徹底してもらうしかない。」としている。

といったマイナンバーを所管している省庁とは思えないバカぶりが、日本政府のIT後進性を物語っている。
それを指摘しないマスコミも終わっていると思うが、令和時代の日本政府は無理してITなど使わず、すべてを人力でやったらどうなのだろうか。

ついでながら、2020年6月3日付で掲載されている中島聡氏の「なぜ、日本政府が作るソフトウェアは使えないモノばかりなのか?」を読んだら、より納得できた。

その中の一部を以下に紹介しよう。
もはや、日本のIT音痴ぶりは官民筋金入りであり、昭和時代で時計が止まっていた方が幸せな国だったと、私は思う。

もっとも、2年ほど前には、第4次安倍改造内閣でサイバーセキュリティ担当を務めた桜田義孝元五輪相が、パソコンを使ったことがないと発言して、国中を仰天させたぐらいだから(2018年11月16日 BBC Japan-サイバーセキュリティ担当の日本五輪大臣、パソコン使わない 米でも大差ない?)、部下たる霞が関の官僚たちがIT音痴でも当然かとも思える。

こんな(重大な)バグが生じる背景には、

  • 政府から受注したITゼネコンには自らソフトウェアを書く人・書ける人がおらず、仕様書を書いて下請けに丸投げするだけ。
  • その下請けは、大学でちゃんとソフトウェアの勉強をしていない文系の派遣社員を低賃金で雇い、劣悪な労働環境でコードを書かせている。
  • 書かれたコードをレビューをする習慣やシステムが存在しない。
  • クライアントの打ち合わせ、仕様書の作成、見積書の作成などには膨大な時間を書けるわりに、コードのクオリティを上げることには時間をかけない。
  • ITゼネコンには役所からの天下りが、下請けのソフトウェア会社にはITゼネコンの天下りが役員・顧問・相談役として働いており、ほとんど仕事をせずに「口利き」だけをして高給をもらっている。

などの、日本特有の事情があると考えて間違い無いと思います。

蛇足ながらpiyokango氏が「特別定額給付金のオンライン申請で起きた問題についてまとめてみた」という記事を掲載しているので、ご覧になるといいだろう。
これが「日本のお寒い電子政府の実態」を具現していると思わないだろうか。
そう言えば、過去にそういう表題でブログを書いたこともあったっけ・・・(笑)

給付金が振込されていない人はオンラインで確認可能か?

特別定額給付金 申請状況照会

特別定額給付金の郵送用申請書が、オンライン申請済の世帯も含めて、全世帯に配布されていることに関して、横浜市は「よくあるご質問について」で

Q12. オンライン申請を行ったが、郵便で申請書も届いた。
A12. オンライン申請を正しく行った場合は、郵送での申請は不要です。

としか書いていない。

申請内容や添付ファイルに不備が多いとされているオンライン申請、せめて「特別定額給付金の申請状況照会について」のページに誘導してあげる親切心が欲しいところだろう。

とりあえず、横浜市に特別定額給付金をオンライン申請した人で、振り込みがされていない人は、前述のウェブページで確認できるようなので、是非やってみたらいかがだろうか。

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