2014年XP問題、地方自治体の首長や幹部公務員は学習能力がないのか

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頭を抱えるビジネスマン

私は1週間ほど前に新聞各紙で報じられた「Windows XPのサポート期限切れに対応できていない地方自治体の実情」に関するニュースを見て呆れ果てている。

基本ソフト(OS)を更新できない理由もさることながら、わずか3年前にも「OS2010年問題」というものがあったにもかかわらず、全国で半数以上の地方自治体が今回の「2014年XP問題」に対応できないと回答しているからだ。

どうでもいいようなことは行政の継続性とか言っておきながら、情報時代に最も重要なことは引き継ぎもしない。
政府はこんな状態でマイナンバー(社会保障・税番号)制度を本気で施行(2016年1月から)しようとしているのか。

これでは、福島原発事故のIT版がいつ起きてもおかしくないだろう。
さて、2010年7月24日付の「政治家の眼中にないITのセキュリティ対策」というコラムを読んで欲しい。

このとき私は「今回の『OS2010年問題』をクリアしても、3年半後には『2014年問題』が出てくる。特にVistaの使い勝手が悪く不人気なせいで、XPを使い続けているところは想像以上に多そうだ。要は、どんなに対策を施しても、ウィンドウズを使っている以上は、10年周期で多額の予算を使ってOSを入れ替えなければならない宿命にあると言える。」と書いた。

IT業界にいる方は無論、少しでもIT関連業務に携わっていれば常識とも言えることが、地方自治体にいる多くの政治家や役人にとっては常識ではなかったらしい。

これに限らず、私が3年前に書いたことの一つは現在の地方自治体の状況を言い当てているような気がする。

「2014年XP問題」に対処できない理由の3と4は、当時「地方自治体レベルだと、市長や幹部公務員に対してさえ、ITセキュリティを説明するのに動物に芸を仕込むくらいの労力がいるのが現状だろう。」と、書いたことが今になって浮き彫りになっていることの証左だ。

悲惨なのは、ハッカーやウイルスの感染によって個人情報が漏れ出す危険性に怯える当の自治体の住民と、苦情を受けて尻拭いをさせられる若手公務員だろう。
理由4の「予算要求したが、財政担当に却下された。」などという自治体の担当者は、大ヒットしたドラマの主人公、半沢直樹のようになって倍返しでもしたらどうか。

次回、同じようなOS問題が出るとしたらWindows 7のサポートが切れる2020年だろう。
東京五輪の高揚感が日本中を覆い尽くす中で、またも同じ問題が噴き出すに違いない。

そのとき、2020年OS問題を回避するための財政上の担保は中央政府からして脆弱なものになるだろう。
よりいっそうの少子高齢化の進行で税収は悪化の一途を辿り、その中で福祉や医療費のみならず、原発や新幹線、高速道路の補修を含めたアナログ公共事業支出の増加、まさに「2014年XP問題」に対処できない理由2と同じ状況になりかねないからだ。

このとき、私が3年前に書いた「政府や自治体でIT(パソコン)を使うのをやめる。」という荒唐無稽な発想は現実のものになるのだろうか。

期限切れXP、自治体54%に20万台 (2013.10.6 読売新聞)

国内のパソコンの3分の1に搭載されている米マイクロソフト社の基本ソフト(OS)「ウィンドウズXP」のサポート期間が来年4月に終了するが、その後も全国の半数以上の966自治体が20万台以上を使い続けることが読売新聞の調査でわかった。

サポート終了後はウイルス感染の危険が高まるなどサイバー攻撃に無防備になるが、「危険とは思わなかった」とする自治体もあり、専門家は「セキュリティー意識が甘すぎる」と危惧している。

アンケート調査は、47都道府県、20政令市、1722市区町村の全1789自治体を対象に実施。
全自治体の保有パソコン計約176万台の更新状況を尋ねた。
その結果、来年4月までに「ビスタ」「7」「8」などの後継OSへの更新が完了しないのは17府県、10政令市、939市区町村で、全自治体の54%に上った。

香川県や東京都港区など203自治体では保有台数の半分以上が更新されない。
更新が完了しないパソコンは全自治体の保有台数の11%にあたる20万台以上、更新に必要な予算は150億円以上と試算される。

■更新できない主な理由

  1. 新しいOSが使いこなせない。
  2. 予算の6割を地方交付税に頼り、除雪などに使われてしまう。
  3. 住民サービスのシステムもXPにしか対応しない。すべてを変えるには莫大な金がかかる。
  4. 予算要求したが、財政担当に却下された。

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